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いすゞ×トヨタ、水素トラックが本気モード 国内初の量産FC小型トラックを2027年度生産へ

2026年04月16日 17時00分更新

文● モーダル小嶋/ASCII

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いすゞのBEV小型トラック「エルフEV」

 いすゞ自動車とトヨタ自動車は4月15日、国内初となる量産燃料電池(FC)小型トラックの共同開発を進めることで合意したと発表した。車両は、いすゞのBEV小型トラック「エルフEV」をベースに、トヨタの新型燃料電池システムである第3世代FCシステムを組み合わせる構成となる。両社は2027年度の生産開始を目指すとしている。

国内初の量産FC小型トラック、ベースは「エルフEV」

 今回の取り組みでは、いすゞが2023年に発売したエルフEVを土台に、トヨタ製の第3世代FCシステムを搭載するための適合開発を両社で共同で進める。商用車の動力源については、単一方式ではなく複数の選択肢を追求する「マルチパスウェイ」の考え方のもとで、高稼働な物流現場に対応する技術の高度化を図る。

トヨタ製の新型燃料電池システム(第3世代FCシステム)のイメージ

 小型トラックは、スーパーマーケットやコンビニエンスストア向け物流など、市民生活を支える用途で広く使われている。とくに冷蔵・冷凍機能を備えた車両では、1日に複数回の配送をこなすケースもあり、長時間使用や長距離走行が前提になることが少なくない。そうした運用では、短時間でエネルギーを補給できることが重要になる。

高稼働な物流用途で、水素の強みを生かす

 トヨタといすゞは、こうした高稼働条件に対して、水素を燃料とするFCEVが有効な選択肢になるとしている。

 BEVでは充電時間が課題のひとつになりうるが、FCEVは水素充填時間を大幅に短縮でき、1回の充填あたりの航続距離も長いことから、稼働時間を重視する商用用途と相性がよいという位置づけだ。加えて、BEVと同様に振動や騒音が少なく、走行中にCO2を排出しない点も特徴として挙げている。

 今回採用される第3世代FCシステムは、商用車に求められる耐久性向上も視野に入れたものとなる。両社は、次世代FC路線バスの共同開発で得た知見や、Commercial Japan Partnership Technologiesで進めてきたFC小型トラックの社会実装プロジェクトの成果も活用し、燃料電池の耐久性向上に向けた制御技術の高度化とシステム改良を進める方針だ。

課題はコスト、狙いは物流の脱炭素化と水素社会の実装

 FCEV普及に向けては、車両価格の高さも課題とされる。このためいすゞは車両構造の最適化や製造プロセスの見直しを進め、トヨタは燃料電池セルの設計や製造工程の革新によってコスト削減に取り組むとしている。量産化だけでなく、実際に導入しやすい価格水準へどう近づけるかも、今後の焦点になりそうだ。

 国や自治体による水素利活用の取り組みが進む中、両社は地域行政や事業者との連携を通じて、水素モビリティの社会実装を加速させる考えを示した。今回の共同開発は、物流分野のカーボンニュートラル化を進めると同時に、水素社会の実現に向けた商用車領域での本格展開を占う動きとして注目される。

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