2025年度の決算・事業説明会でkintoneの規模別売上比率を初公表
kintoneの大企業売上は間もなく3割に サイボウズはグローバルで“戦える”新サービスも開発中
2026年02月26日 11時00分更新
4つのテーマで振り返る2025年のサイボウズ
ここからは、2025年度の事業概況を4つのテーマで振り返る。
ひとつ目は、kintoneの「全社・大規模導入の推進」だ。ここまで「エンタープライズ事業本部」を新設し、特定部門での導入を全社・大規模導入に広げるべく注力してきた。
実際に、JX金属や北陸電力、日産自動車、香川県などが1000名以上でkintoneを活用し、業務効率化や円滑な情報共有を実現している。特にJX金属は、アプリ数やAPIリクエスト数などを拡大した大規模ユーザー向けプラン「ワイドコース」を採用しており、約4000名が利用するグループ全体のDX推進基盤として運用している。
このワイドコースでは、kintoneの稼働状況をモニタリングする「性能ダッシュボード」や高負荷な処理をチューニングできる「性能カスタマイズオプション」、外部システムやデータベースをkintone化できる「外部システムのアプリ化」など、大規模利用を促進するための新機能も追加している。
また、現場主導でアプリ開発に取り組む“市民開発”推進のノウハウをまとめた「市民開発ガイドライン」も、大企業のDX担当向けに無料公開している。
2つ目のテーマは、kintoneの「導入・活用用途の拡大」だ。
ここで紹介されたのが、コロナ禍をきっかけに急速に広がっている“自治体”での導入だ。利用自治体数は前年から80団体増え、今では約460自治体に達している。約4000名規模で利用する香川県のように全庁導入するケースも生まれ、下妻市や松山市とは連携協定を結び、包括的なDX支援をスタートしている。
もう一歩踏み込んだ地域DXとして、エヒメスポーツエンターテイメントの子会社化により、愛媛県松山市をホームタウンとするプロバスケットボールチーム「愛媛オレンジバイキングス」の経営にも参画している。「昨年は5勝55敗と厳しいシーズンだったが、現在は26勝14敗でB2リーグ西地区2位という好成績(2026年2月25日現在)。我々のチームワークのメソッドも投入しながら、運用面でもkintoneで効率化を進め、中長期的には地域のDXにもつなげていきたい」と青野氏はコメントした。
3つ目のトピックは、「AIへの取り組み」だ。
2025年はkintoneをはじめ、サイボウズ OfficeやGaroonに生成AI機能(β版)の実装が始まった年となった。特にkintoneでは、「検索AI」「スレッド要約AI」といったkintone内での“データ活用”を支援するAIと、「アプリ生成AI」「アプリ設定レビューAI」といった“市民開発”を支援するAIという2軸でAI機能の開発が進んでいる。
さらにkintoneでは、パートナー企業を通じてAI関連サービスが広がっている。AI機能が付与されたプラグインや外部連携サービス、AI-OCRとの連携や外部の生成AIとkintoneをつなぐコネクターサービスなどが、サイボウズの支援も受け、次々と登場している状況だ。
最後は「エコシステム拡大と信頼性強化の取り組み」だ。
パートナーエコシステムそのものも年々拡大しており、オフィシャルパートナー社数は560社、連携サービスは500サービスを突破。現在、国内のクラウド売上高におけるパートナーの占める割合も66%にまで高まっている。
こうしたパートナー企業との取り組みの中で紹介されたのが、オムロンとの連携による製造DXの推進だ。オムロンの豊富な製造知見とkintoneを組み合わせ、国内外の製造現場が抱える課題を解決していくという。
また、信頼性強化の取り組みとしては、海外向けのkintoneにおいて、米国の医療情報保護法である「HIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)」に対応。高度なセキュリティ要件に応えるべく、今後も様々な地域のセキュリティ認証を取得していく方針だ。










