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10周年を記念で100作品のアニメ聖地! 「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」の2026年版を発表

2026年02月23日 14時00分更新

文● MOVIEW 清水、編集●ASCII

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 国内はもとより海外からの観光客からも熱い視線が送られているアニメツーリズム。その中核となるアニメツーリズム協会による「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」は、毎年登場する新作や地域の盛り上がりを反映するために更新されているが、今年は協会設立10周年ということもあり、作品数を100作品に拡大した2026年版が選定され、その発表会が2月13日、神田明神ホールにて開催された。

アニメ聖地

「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」2026年版発表会登壇者の方々

 発表会の司会は、年間500本以上のアニメ作品を観ているという吉田尚記氏(ニッポン放送)と、動画サイトでアニメを語るチャンネルを5年続けている真山りか氏(私立恵比寿中学/アニメ聖地88大使)が務めた。

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司会を務めた吉田尚記氏と真山りか氏

アニメ聖地88 2026年版は
新たに1施設、18作品、35自治体を認定

 2026年版のアニメ聖地88は、2025年6月1日から10月31日まで実施され、日本各地のアニメ聖地関連スポットの投票箱とWeb投票によって選出された作品から、権利元と地方自治体と協議し選定されている。新たに認定されたアニメ聖地は下記の通りだ(すでに認定されていた作品に新たな地域が追加認定されたものも含む)。

「ラブライブ!スーパースター!!」(茨城県牛久市)
「頭文字D」(群馬県)
「前橋ウィッチーズ」(群馬県前橋市)
「薫る花は凛と咲く」(東京都港区(マクセル アクアパーク品川)/神奈川県茅ヶ崎市(茅ヶ崎市立図書館))
「四月は君の嘘」(東京都練馬区)
「日々は過ぎれど飯うまし」(東京都八王子市)
「うたごえはミルフィーユ」(東京都町田市)
「MFゴースト」(神奈川県小田原市)
TVアニメ「君は放課後インソムニア」(石川県七尾市)
「千歳くんはラムネ瓶のなか」(福井県福井市)
「mono」(山梨県県央ネットやまなし(甲府市 他))
「Turkey!」(長野県千曲市)
「ウマ娘 シンデレラグレイ」(岐阜県笠松町)
「ぐらんぶる」(静岡県伊東市)
「Summer Pockets」(香川県男木島/女木島)
「私を喰べたい、ひとでなし」(愛媛県伊予市)
「男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!)」(宮崎県延岡市)
「沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる」(沖縄県うるま市)
「ざつ旅 -That's Journey-」(青森県/岩手県/宮城県/福島県/栃木県/東京都/新潟県/富山県/三重県/和歌山県/鳥取県/広島県/香川県)

 また施設として、兵庫県尼崎市の「尼子惣兵衛漫画ギャラリー」も追加されている。

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2026年版で新たに加わったアニメ聖地

 アニメ聖地88 2026年版の選定のために実施された投票は世界110の国・地域から約8万5000票があり、国内約67%、海外約33%の投票比率となっている。

 海外からはアジアでは台湾から継続的な投票があり、そのほか、アメリカ、インド、カナダ、イギリスからの投票が多かったとのこと。アニメツーリズム協会 専務理事の森 好正氏は、英語圏でのプロモーションで投票が増えたが、東アジア圏からの投票が伸び悩んだことを課題とし、今後の施策につなげたいと語った。

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海外からの投票について

日本の旅行・観光の現状とアニメツーリズムによる地方創生

 発表会では観光やアニメツーリズムの現状について紹介され、アニメツーリズム協会 理事長の石川和子氏は「アニメツーリズムは地方創生や観光振興の重要な柱として注目されています。作品の舞台を紹介するだけでなく、聖地を訪れた方がその土地の風土や食文化、伝統といった日本ならではの魅力にも触れていただける取り組みを進めてまいります」とあいさつした。

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アニメツーリズム協会 理事長 石川和子氏

 昨年の訪日外国人旅行者数は約4270万人、消費額は約9.5兆円で、過去最高を更新したと語る内閣府 知的財産戦略推進事務局長の中原裕彦氏は、日本のコンテンツ産業の海外売上は約6兆円規模に拡大しており、基幹産業の一つとなっているとし、2033年までに海外市場20兆円を目標に、コンテンツ地方創生拠点を20ヵ所選定、コンテンツを起点とした地域活性化をさらに推進するとコメントした。

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内閣府 知的財産戦略推進事務局長 中原裕彦氏

 また、観光庁 観光地域振興部長の長﨑敏志氏は大都市圏に集中している観光客を日本全国に広げることと、若い世代に旅行してもらうことを観光の課題として挙げ、アニメツーリズムはその解決策の一つであり、アニメや漫画をきっかけに国内外のファンがその地域を訪れることで地域が活性化し、さらにファンが増えていく好循環を築いていきたいとアピールした。

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観光庁 観光地域振興部長 長﨑敏志氏

新たに認定された地域を紹介 アニメツーリズム施策も披露

 発表会では2026年版で新たにアニメ聖地に認定された地域に対し、アニメツーリズム協会 会長 河森正治氏から認定証が授与された。登壇した地域代表らからはそれぞれ地域の紹介や、アニメツーリズムにおける施策などが紹介された。

「ラブライブ!スーパースター!!」
聖地:茨城県牛久市

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茨城県牛久市

 ランドマークとなっている高さ120mの牛久大仏には年間約56万人が来訪するという牛久市。2024年10月、牛久駅や市内神社などが「ラブライブ!スーパースター!!」の舞台となり、登場キャラクターの鬼塚夏美&冬毬姉妹が牛久市民であることから、2025年より牛久市の広報大使として、牛久市の魅力を全国に発信している。

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茨城県牛久市長 沼田和利氏

「頭文字D」
聖地:群馬県

 関連作品が近年多数アニメ化されている群馬県。その中でも「頭文字D」は海外でも人気が高く、フランスやアメリカでも話題となっている。現在審議中の令和7年度予算では、アメリカとカナダのファンを招いたモニターツアーを実施する予定で、群馬県の観光振興につなげていきたいと考えている。

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群馬県知事 山本一太氏

「日々は過ぎれど飯うまし」
聖地:東京都八王子市

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東京都八王子市

 新宿から電車で約37分と都心からアクセスしやすい都市である八王子市は、豊かな自然と都市機能が調和する街。ミシュランガイドにも掲載されている高尾山は世界有数の登山者数を誇る観光地でもある。「作品をきっかけに訪問者が増え、八王子の魅力を感じて欲しい」(八王子市 市長 初宿和夫氏)。

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東京都八王子市長 初宿和夫氏

「前橋ウィッチーズ」
聖地:群馬県前橋市

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群馬県前橋市

 赤城山を有し、四季折々の自然が魅力の前橋市。「前橋ウィッチーズ」はちょっと切なくて、でもほっとする、初めて来た人も何となく懐かしさを感じるような前橋の魅力をそのまま描いている作品。放送以降は聖地巡礼の舞台巡りマップや舞台巡りブックを作成し、電車やバスのラッピングなど、さまざまな取り組みを実施している。

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群馬県前橋市長 小川 晶氏

「ウマ娘 シンデレラグレイ」
聖地:岐阜県笠松町

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岐阜県笠松町

 「ウマ娘 シンデレラグレイ」放送以降、国内外から連日多数の観光客が訪れ、かつてない賑わいに驚いているという笠松町。作品に登場した笠松競馬場は、これまで多くなかった若年層や家族連れ、女性、アマチュアカメラマンが来場し、競馬場の雰囲気が明るくなったという。今月からコラボイベント第2弾が開始し、初日は平日にも関わらず1000人近い人が訪れている。

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岐阜県笠松町長 古田聖人氏

「君は放課後インソムニア」
聖地:石川県七尾市

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石川県七尾市

 「君は放課後インソムニア」がアニメ化・実写映画化され、大いに盛り上がっていたところ、2024年1月1日に能登半島地震が発生し、甚大な被害を受けた七尾市。和倉温泉をはじめ復旧は継続中で、作中舞台となった建物の被災状況や仮設住宅(575世帯)の現状、復興公営住宅建設などが説明された。ファンと一緒に、元気な待ちにしていきたいので、七尾市に訪れて復興の様子を見てほしいとアピールした。

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石川県七尾市長 茶谷義隆氏

「MFゴースト」
聖地:神奈川県小田原市

 これまで3年にわたって「MFゴースト」とタイアップし、街中の装飾やデジタルスタンプラリー、コラボ商品の展開など、作品の魅力を取り入れた観光施策を実施。迫力あるレースシーンはもちろん、舞台となる街の風景や空気感まで丁寧に描かれている。TVアニメ第3期とのキャンペーンを3月31日まで開催中。

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神奈川県小田原市長 加藤憲一氏

「千歳くんはラムネ瓶のなか」
聖地:福井県福井市

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福井県福井市

 福井市の中心を流れる川沿い約600本の桜があり、今年は3月21日~4月5日までさくら祭を予定している。3月8日には「千歳くんはラムネ瓶のなか」のイベント「チラムネFES」を開始し、坂田将吾、石見舞菜香ら6名のキャスト、主題歌アーティストが出演する予定。

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福井県福井市 商工労働部部長 黒田慶廣氏

「沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる」
聖地:沖縄県うるま市

 うるま市民である空えぐみ氏原作の「沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる」には、うるまのありのままの景色や街並みが登場し、うるま愛がたっぷり。空氏はうるま市の広報誌やホームページにもイラストを描かれている。沖縄ではアニメ史上初となるローカル局3社で同時放送する快挙も達成。

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沖縄県うるま市 秘書広報課 野原温美氏

「尼子騒兵衛漫画ギャラリー」
聖地:兵庫県尼崎市

 NHKで33年間にわたり放送されている「忍たま乱太郎」の原作者・尼子騒兵衛氏のギャラリー。尼子氏は現在も尼崎市在住で、キャラクター名に尼崎市の地名が多く使われている。20年ほど前から若い女性ファンが多く訪れるようになり、尼崎市もファンイベントの開催などを実施している。

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兵庫県尼崎市 あまがさき観光局 理事長 塚本英德氏

 このほか、新たにアニメ聖地に選ばれた各地域の施策が紹介された。

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「Turkey!」(長野県千曲市)。10月4日まで千曲市内8ヵ所を巡るスタンプラリーを開催

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「うたごえはミルフィーユ」(東京都町田市)。音声ARアプリ「Locatone」を使い、指定スポットを訪れると原作者書き下ろしドラマが流れたり、ARカメラで撮影ができる施策を実施

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「mono」(山梨県県央ネットやまなし(甲府市 他))。作品に登場する膨大なアニメ聖地巡礼マップでは観光スポットも紹介している

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「私を喰べたい、ひとでなし」(愛媛県伊予市)。市内に等身大パネルを設置したほか、そこでしか聞けない録り下ろしボイス施策を実施。花火大会では出演キャストによるアナウンスも実施

これからもアニメの命を吹き込むことを実感できる
ムーブメントを生み出したい

 発表会は最後に、2024年に富野由悠季監督からアニメツーリズム協会 会長を引き継いだ河森正治会長が登壇。「地域の方々の話を聞いているとじっとしていられなくなって、聖地巡りをしたくなる」と話を切り出した。

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アニメツーリズム協会会長 河森正治氏

河森正治会長コメント

日本のようにアニメツーリズムをこれほどやっている国はなく、しかも途方もないコンテンツの量があります。今回選ばれている作品数よりはるかに多い作品があり、その中の一部だけでもこの熱量です。アニメーション作品は架空の世界を描いています。その中に登場する実在しないキャラクターが住んでいる町に食べに行く。これ自体がすごいことです。

アニメーションの語源は「命を吹き込む」、動かないはずの絵が動いて見えるという意味です。ですからアニメーションツーリズムというのは、命のツーリズムでもあると思います。たくさんの方々の熱意が、存在しなかったはずのキャラクターに命を与えて、あたかもその町にいる、その村にいる、その地域にいるように感じられるのだと思います。

私たちは二次元の画面で、映像、音楽、歌、声などを通して作品を届けています。しかしツーリズムによって実際に現地に行き、そこで食べ物を食べ、風を感じ、水を飲み、その地域の人々と触れ合うことができます。これはものすごく貴重なことだと思います。

世界中の文化は、人間の性質として、どこかに移動し、知らない人や知らない文化と出会うことによって作り上げられてきたものがたくさんあると思います。有名な話ですが、日本の浮世絵がヨーロッパに渡り、そこからさまざまな芸術が生まれていきました。そうした動きを生み出し、世界を感じ、アニメの命を吹き込むことを実感できるムーブメントを、これからもアニメツーリズム協会として作り上げ、世界中に届け、いろいろな交流を生み出していきたいと思っています。

 

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