ミシュランが2つの新製品タイヤを発表しました。どのような特徴と狙いがあるのかを紹介します。
パイロットスポーツとプライマシーに2つの新製品
ミシュランが4月1日から発売開始する、2つの新製品タイヤを発表しました。それが「ミシュラン Pilot Sport 5 energy(以下、パイロットスポーツ5エナジー)」と「ミシュラン Primacy 5 energy(以下、プライマシー5エナジー)」です。この2つの製品は、共に“エナジー”という名称が冠されているように、環境性能の高さが特徴となります。
ミシュランの日本でのラインナップは、スポーティーな「パイロットスポーツ」、コンフォート向けの「プライマシー」、安心を提供する「エナジー」、天候を問わないオールシーズンの「クロスクライメート」という4種類です。
そのうちの「パイロットスポーツ」と「プライマシー」に2つの“エナジー”の名前を冠した新製品を投入することになりました。
ちなみに、「パイロットスポーツ5エナジー」は、これまでの「パイロットスポーツEV」の後継になる製品で、「プライマシー5エナジー」は「eプライマシー」の後継です。これにより「パイロットスポーツ」シリーズは、通常の「パイロットスポーツ5」と「パイロットスポーツ5エナジー」の2製品になります。同様に「プライマシー」は、「プライマシー5」と「プライマシー5エナジー」というラインナップになります。
名称が整理され、よりわかりやすくなったと言えるでしょう。
シリーズの特性をキープしたうえで
環境性能がアップ
「パイロットスポーツ5エナジー」と「プライマシー5エナジー」の特徴は、環境性能の高さにあります。
「パイロットスポーツ5エナジー」は、「パイロットスポーツ」ならではの卓越したハンドリング性能をそのままに、低燃費性能、耐摩耗性能、ウェット性能を高め、環境性能にも優れたハイグリップタイヤとなっているのが特徴です。
発表会では、フランスで研究開発部門乗用車プレミアムセグメント総責任者としてタイヤ開発を進める、伊藤祥子氏とオンラインでのトークセッションが実施された。「これらのタイヤは単なる新製品ではなく、日本の皆様に我慢することなく未来へ投資する選択肢のひとつとして、新しい価値を提案するものだと考えています」と伊藤氏は説明した
具体的には、タイヤラベリング制度で転がり抵抗性能「AAA/AA」というスポーツタイヤでありながら、非常に性能が優れた認定を獲得。また、ウェット性能もアップしており、旧型よりもウェットブレーキング性能が約3.3%アップ。タイヤラベリング制度でも「b」グレードを獲得しています。
「プライマシー5エナジー」は、「プライマシー」シリーズならではの優れた静粛性と快適性を元に、低燃費性能、耐摩耗性能、ウェット性能を高めた製品です。転がり抵抗性能は最高グレードの「AAA」、ウェットブレーキ性能は旧型よりも約4.5%向上し、ラベリング制度で「b/c」を獲得しています。
どちらもシリーズならではの特性を維持しつつ、より環境性能を高めているのが特徴です。「パイロットスポーツ5エナジー」は環境負荷を抑えながらも走りの楽しさも妥協しない、新しいスポーツドライビング体験を求める人、「プライマシー5エナジー」は雨の日の安心感と快適性、さらに最高クラスの環境性能を兼ね備えたプレミアム・エコタイヤを求める人にオススメしたいとミシュランは説明します。
環境性能に優れた製品を投入する理由
ではなぜ今回、スポーティーな「パイロットスポーツ」と、コンフォートな「プライマシー」の2つのシリーズに、環境性能を高めた製品を加えたのでしょうか?
それには、大きく2つの理由があるとミシュランは説明します。ひとつはクルマの重量化というトレンドです。近年のクルマは、安全装備の充実や電動化、SUV人気などにより、重量が増大傾向にあります。そのためクルマの車重に比例するタイヤの摩耗に対応するため、より高い耐摩耗性能が求められているというのです。
ミシュランは、すべての性能をまんべんなく高める「トータルパフォーマンス」を大切にしているのが特徴です。そのため、トータルでより優れた環境性能を備えた製品が必要だと考えたというのです。
そして、もうひとつの理由が、消費者の環境意識の高まりです。ユーザーは製品だけでなく、企業のサスティナブルへの取り組みまでを意識するようになってきました。ミシュランの調べによると、ミシュランユーザーは一般消費者よりも、より環境配慮型製品を求める傾向が強いというのです。
実際に過去数年を振り返ると、ミシュランの環境性能を重視した製品の売上は伸びているとのこと。
採用されたミシュランの最新技術の数々
「パイロットスポーツ5エナジー」と「プライマシー5エナジー」には、ミシュランの最新の技術が多く採用されています。
2製品のどちらにも採用されているのが、「スリムベルト」「マックスタッチ・コンストラクション」「ピアノアコースティックテクノロジー」「フルリングプレミアムタッチ」です。
「スリムベルト」は、スチールベルト/キャッププライ/アンダートレッドと呼ばれるトレッド構造をスリム化するというもの。スリム化によりエネルギー損失が減って、転がり抵抗も低減します。「マックスタッチ・コンストラクション」は、内部構造を最適化することで、トレッド面の接地圧分布を均一化させるもの。走行中の接地面が安定することで、偏摩耗が抑制され、タイヤのロングライフに貢献します。
「ピアノアコースティックテクノロジー」は、トレッドにあるブロックのサイズ配置を最適化することで、不快な周波数の音の発生を抑制します。「フルリングプレミアムタッチ」はサイドウォール表面の質感を、ベルベットのような、より上質で深みのある黒に見せる技術です。「パイロットスポーツ5エナジー」では、サイドウォールだけでなく、トレッドの溝の底にまで採用されています。
そして、スポーティーな「パイロットスポーツ5エナジー」には、「バイ・コンパウンド・テクノロジー」と「ダイナミック・レスポンス・テクノロジー」の2つの技術も採用されています。
「バイ・コンパウンド・テクノロジー」は、トレッド(接地面)のセンター部とショルダー部に、それぞれ別のコンパウンドを採用するものです。センター部はより剛性が高く、ドライグリップとウェット性能に優れた「グリップアダプティブコンパウンド」を採用。ショルダー部には、転がり抵抗を減らすエナジーパッシブコンパウンドを採用しています。
「バイ・コンパウンド・テクノロジー」は、トレッドのセンター部とショルダー部に、それぞれ別のコンパウンドを採用するもの。センター部は、より剛性が高く、ドライグリップとウェット性能に優れた「グリップアダプティブコンパウンド」を採用。ショルダー部には、転がり抵抗を減らすエナジーパッシブコンパウンドを採用している
「ダイナミック・レスポンス・テクノロジー」は、タイヤの構造材に高強度で耐熱性に優れたハイブリッド・アラミド/ナイロンベルトを採用し、路面への密着度を高めます。
「プライマシー5エナジー」には「エナジーパッシブ2.0コンパウンド」と「サイレント・リブテクノロジー」が採用されました。
「エナジーパッシブ2.0コンパウンド」は、新世代の合成ゴムを使用したもので、優れた転がり性能とウェット性能、耐摩耗性能を高い次元でバランスさせます。「サイレント・リブテクノロジー」は、プライマシーシリーズに採用されているもので、タイヤの溝から吐き出される空気の体積を一定にすることで、ノイズのバリエーション抑制を狙うもの。この製品では、3本のセンターリブに補強を入れることで、パターンノイズを低減しています。
「サイレント・リブテクノロジー」は、プライマシー・シリーズに採用されているもので、タイヤの溝から吐き出される空気の体積を一定にすることで、ノイズのバリエーション抑制を狙うもの。この製品では、3本のセンターリブに補強を入れることで、パターンノイズ低減を実現している
環境性能を考える人の新しい選択肢
新製品の「パイロットスポーツ5エナジー」は18~21インチ、タイヤ幅235~285、扁平率40~55、全17サイズで発売となりました。「プライマシー5エナジー」は16~21インチ、タイヤ幅195~255、扁平率45~60、全21サイズでの発売です。
「プライマシー5エナジー」は、「レクサス ES」の純正タイヤに採用されており、「プリウス」に適合するサイズも用意されています。
今回の2製品は、環境性能を大切に考える方の、新しい選択肢になることは間違いないことでしょう。


























