動画生成AIと聞くと、「どれだけ長い映像を作れるのか」「映画のような作品を一発で出せるのか」といった方向に期待が向きがちだ。そうした競争とは少し距離を置く形で登場したのが、グーグルDeepMindが2025年10月15日に発表した動画生成モデル「Veo 3.1」だ。
Veo 3.1の特徴は、最初から短いワンシーンに割り切っている点にある。映像と音をセットにした短尺素材を前提とし、最大8秒という上限もその思想から逆算されたものだ。
ここでは、Veo 3.1を万能な動画生成AIとしてではなく、短尺素材エンジンと割り切って捉えたときに、どんな使いどころが見えてくるのかを考えてみる。
短尺素材に割り切ったVeo 3.1の設計
Veo 3.1は、1回の生成で最大8秒の動画を出力する。動画生成AIとして見ると、この長さ自体は特別短いわけではない。RunwayやPikaでも、基本は5〜10秒程度が目安になっている。短い映像を作り、必要に応じて編集でつなぐという考え方は、Veo 3.1に限らず、いまの動画生成AIでは共通の前提だ。
その中でVeo 3.1がはっきりしているのは、その前提をあいまいにしない点だ。最初から短尺素材を出すための仕組みと割り切って設計されており、完成映像を一気に作らせようとはしていない。
動画を無理に長くしようとすると、時間のつながりが不自然になったり、場面や人物の整合性が崩れたりしやすくなる。Veo 3.1は、そうした部分を力技で解決しようとはせず、生成対象を短いシーンに絞ることで、安定した結果を出す方向を選んでいる。
Veo 3.1は、完成映像を一気に仕上げるためのAIではない。短い映像をいくつか試し、その中から使える断片を拾っていくための道具だ。合わなければ差し替える。そのくらいの距離感で向き合うと、8秒という上限もむしろちょうどいい。
もう一つ押さえておきたいのが音の扱いだ。Veo 3.1は、映像だけでなく音も含めて生成する。環境音や効果音が最初から組み込まれるため、短いシーンでも場面の空気感が伝わりやすい。音込みで「何が起きている映像なのか」が分かる素材として使えるのは、この設計ならではだ。

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