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「パソコンが買えない」2026年、何が起きてる? これからどうなっちゃうの? 第2回

【パソコンが買えない】本当は起きていないメモリー不足!? それでもPC向けメモリーの高騰が今年末頃まで続くと予想する理由

2026年01月24日 08時30分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集● ASCII

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OpenAIがHBMを大量に確保したと言っても
HBMと組み合わせるGPUチップがそもそも足りているの?

 さて、ここまでが現状起きていることへの説明になる訳だが、実を言うと「本当にDRAMが足りないのか?」というと、実は結構怪しいという話がある。

 まず冒頭のOpenAIとSK Hynix/Samsungとの契約の話だが、OpenAIはHBM4メモリーを単独で購入してどうするのか? というと、実はどうにもならない。現在OpenAIはBroadcomと共同でCustom AI Chipを開発中であり、初期生産は2026年後半といった話になっているが、いきなり全量をそこに突っ込むわけではない。

 なので、2026年中で言えば、NVIDIA及びAMDと契約したGPUカードに積載されるHBM3e/HBM4メモリーを、OpenAIが独自に確保したという格好になる。この場合、AMDなりNVIDIAのGPUについては、まずGPUのダイをTSMCで製造後、OSAT(Outsourced Semiconductor Assembly & Test:実装とパッケージング、テストを担う後工程)企業にそのダイを送付。このOSAT企業にはSK HynixやSamsungからHBMチップも送付されており、これを組み合わせてOpenAI向けのGPUが完成という形となる。

 通常の場合、メモリーメーカーからOSATへDRAMを納入するのは、GPUメーカー(NVIDIAまたはAMD)の注文によるが、今回の場合はOpenAIの注文によるというのが唯一の違いである。問題はHBMだけあってもGPUは完成しないことだ。今回の場合、明らかにNVIDIAやAMDのGPUのチップの方がボトルネックになっている

 つまりTSMCのN3の製造能力が突如2倍とか3倍になって、MI400XやRubinのダイが山ほど生産されているなら、HBMが足りないという話になるのだろうが、そんな話はどこにもない。

 加えて言えば、MI400XとおそらくRubinも、TSMCの「CoWoS-L」を使っている関係で、このCoWoS-Lの実装はTSMC本国のFabのみになっており、ここがおそらくボトルネックになる。要するに現状OpenAIが必要とするHBMはそんなに多くなく、これが増えるのは2026年末~2027年以降になると考えられる。なのでSK Hynix/Samsungとも2025年~2026年前半は、そこまでのHBMシフトを敷かなくても十分対応可能であり、その間に生産力増強をすることでOpenAIとの契約を果たせると踏んでいた節があるし、実際その見立ては妥当だと思う。ただ一部のベンダーが焦って先行してContractを大量に結んだことで、この目論見が崩れてしまった訳だ。

サーバー用DIMMの在庫が倉庫に山積みされていく可能性
PC用DIMMの順番が回ってきて、価格が落ち着くのは今年末以降!?

 さてその結果どうなるか? サーバーメーカーには大量のDIMMが在庫として納入されるだろう。ただしGPUの方は別に増産されている訳ではない(というか、既に増産の余地がないほどフル稼働で生産されているのにそれでも足りない)から、AIサーバーの出荷量そのものは増えない。

 結局DIMMだけが無駄に不良在庫になって倉庫を圧迫し始めるはずだ。サーバーベンダーは最低でも1年程度のContractを結んでいると思われ……ということは「やっぱ余った」とか言ってみたところで、Contractは(高額な違約金を払わない限り)解約できない。結局無駄にサーバーベンダーの倉庫に、ECC Registered DIMMの形で積みあがる1年になるだろう。おそらく来年以降のContractに関しては見直しが入り、このタイミングで大幅にContractの価格も下落。DIMMベンダーへの供給量も増えることになるだろう。

 逆に言えば、今年の11月くらいまではContractに縛られており、PCマーケットへのDIMMの価格は高騰しっぱなしという状況が続くだろうというのが筆者の予測である。少なくとも2026年はPCを買い替えるにはちょっと向いていないと言うべきだろう。

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