映画『クスノキの番人』監督・伊藤智彦氏インタビュー
「泣けます」と、言われたアニメ映画があります。伊藤智彦監督に「クスノキの番人」の見どころを聞きました
2026年01月31日 09時00分更新
物語の核は、さまざまな家族関係と成長
――たくさんの魅力がある作品だと感じましたが、映画化にあたっては、どこを一番の軸にしていますか?
この作品は、玲斗と千舟の物語であるのは間違いないです。基本的には家族の話であるので。とはいっても、必ずしも血脈が繋がっていることが大事なのではない、そこがすべてはないというのは大事にしています。いろんな形の家族があっていいじゃないですかと、この映画をとおして伝えたいと考えています。
――話が進むにつれて、玲斗と千舟の関係性や成長は色濃く描かれていきますよね。
玲斗はとても弱い男なんです。ほかのアニメだったら三番手くらいのキャラクターですよ(笑)。なのでアニメでは、必要な場面で立たせるべきだと感じました。たとえば原作では、“祈念”のシステムを語る役割が別のキャラクターだったりもしますが、映画では玲斗が語っています。
ほかのキャラクターには必要な場面で出てもらって、玲斗と千舟をしっかり立たせる。そして、がんばった玲斗にはご褒美が必要だと思って、母親とのシーンなど、原作ではあまり描かれていない部分も映画では見せています。
――伊藤監督から見て、主人公の玲斗はどんな人物でしょうか?
ポンコツだと思います(笑)。人に流されやすいし、お酒にも負けるし。でも、嫌な人間に見えすぎないようにだけは気をつけました。もうしょうがないな、ダメな部分が可愛らしな、みたいな。
――玲斗の印象深いシーンを聞かせてもらえますか?
終盤に差し掛かる挿入歌のシーンですね。大事な決断をこれまでコイントスに頼っていた玲斗ですが、それを手放す場面です。これは原作に書いてあるわけではないんです。だけどやっぱり成長を示すなら、コイントスで決断するのではなく自分の意志で決定する瞬間が必要だろうって思って。
――千舟についてはいかがでしょうか?
千舟は、俺が思っている天海祐希さん、そのままですね。プラスもう少し年齢を重ねた感じ。天海さんに断られたらどうしようと思っていたくらいで、他のキャストは考えていませんでした。
――千舟はしっかりした人物だなと思いつつも、年齢に抗えない部分も見えたりしましたが。
年齢なりの部分もありますが、毅然とした格好いいキャラクターにしたかったんです。こういった形で千舟を表現できるのはアニメのストロングポイントかなと思っています。厳しいところから優しいところまで、さまざまな面を演じわけ、内面の声はさらにギャップがある。声は天海さん以外は考えられなかったです。
――キャスティングはオファーだったんですか?
天海さんはオファーですね。玲斗は最初オーディションをしましたが、イメージに合うキャストが中々見つからなくて。最終的に俳優の高橋さんを指名させてもらいました。















