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今すぐ確認すべき詐欺ニュース一覧 第30回

2025年11月のフィッシング詐欺状況はブラックフライデーの影響なのかニセECサイト増加

ニセAmazonメール2万9000件のほか警察騙る振り込め詐欺も! 最新フィッシング詐欺情報

2025年12月30日 07時00分更新

文● せきゅラボ

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2025年11月のフィッシング報告件数(フィッシング対策協議会公式サイトより)

ブラックフライデーの影響は?

 やはり、EC系を騙るフィッシングが増加しました。

 フィッシング対策協議会が12月に発表した、2025年11月分の「フィッシング報告状況」によれば、「報告件数」は前月から2万8568件減って、19万7228件でした。

 同協議会によると、「各事業者における不正利用対策やフィッシングメール対策、送信ドメイン認証対応による効果も報告減少の要因の1つ」だと考えられるとのこと。また、上半期に目立った証券会社を騙るフィッシングメールについても報告が減少しています。

 報告数全体のうち、約2万9000件(約15.1%)がAmazon、約1万件(約5.1%)がAppleを騙るフィッシングで占められていました。ブラックフライデーの影響なのか、全体数は減っているものの、Amazonを騙るフィッシング報告数は増加しています。

 次いでANA、VISA、ETC 利用照会サービスを騙るフィッシングの報告もあわせると全体の約31.5%に、そして1000件以上の報告があった41ブランドをあわせると約93.2%を占めています。

 分野別では、EC系約29.0%、クレジット・信販系約25.4%、配送系約6.7%、航空系約5.5%、オンラインサービス系約5.3%、証券系約5.0%、交通系約4.2%、電気・ガス・水道系約4.1%となり、前月と比べてEC系、クレジット・信販系、オンラインサービス系が特に増加したとのこと。

 なお、SMS経由のフィッシング(スミッシング)の報告数は約3割ほど減少。Apple、ドコモ、WhatsApp、クレジット・信販系、そして日本郵便を騙る文面が目立っています。

2000件以上報告されたフィッシング「じゃない」メールとは?

 フィッシングメール/SMSの誘導先(偽Webサイト)にあたる「URL件数(重複なし)」は前月より4384件増えて、5万2917件でした。

 悪用された「ブランド件数」は前月より9ブランド減って106件。内訳はクレジット・信販系22ブランド、金融(銀行)系13ブランド、通信事業者・メールサービス系11ブランド、証券系10ブランド、オンラインサービス系8ブランド、EC系7ブランド。前月と比べて金融(銀行)系が増えました。

 フィッシングメールの内容は、「証券被害の補償手続き、配当金入金通知、不審な利用検知や決済失敗による再認証要求、契約更新等に関する手続き、各種ポイントやマイレージの有効期限・加算に関する通知、電気/ガス料金/税金支払い、宅配便配達不能通知」などが目立ったようです。

 なお、2025年はニセ警察詐欺が猛威を振るいましたが、11月は「警察を装って保釈金を要求する振り込め詐欺メール」が突如2000件超も報告されたとのこと。警察を装うタイプは2026年も引き続き注意が必要でしょう。

 気になる場合は、必ず自分で検索またはブックマークから公式サイトに飛んでメール内容の真偽を確認してください。届いた文章内のリンクをタップしてはいけません。

2025年11月のフィッシングサイトのURL件数(フィッシング対策協議会公式サイトより)

2025年11月のフィッシングに悪用されたブランド件数(フィッシング対策協議会公式サイトより)

 もしあなたが怪しいメールやSMSを受け取ったら、可能ならばフィッシング対策協議会に報告することをおすすめします。

※これらの数値はあくまでも「報告」件数ですので、実際の動向を完璧に反映しているとは限りません。フィッシング詐欺被害の報道が増加し、その脅威が明らかになればなるほど、同協議会に一報する人も増えていると考えるのが自然です。とは言え、現状の傾向を見るには最も適した数字でしょう。

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