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あなたが好きなブランドは、サイバー犯罪者も好きなんです

2025年12月26日 09時00分更新

文● せきゅラボ編集部

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偽装ブランド品を巡るトラブルが後を絶たない

 年末年始や大型セールの時期を中心に、オンライン上での買い物が活発になる一方、偽装ブランド品を巡るトラブルが後を絶たない。正規品を装った偽物が、ECサイトやSNS広告を通じて流通し、消費者が気付かないまま購入してしまうケースが相次いでいる。

 こうした偽装ブランド品の多くは、公式サイトと酷似したデザインのページや、実在するブランド名をそのまま用いた広告を使って販売される。価格が相場よりも大幅に安いことが特徴だが、「期間限定セール」や「在庫処分」といった言葉で巧妙に正当化されるため、不審に思いながらも購入してしまう人は少なくない。

 実際には、商品が届かない、届いたものが粗悪品だった、あるいは返品や返金に一切応じてもらえないといった被害が報告されている。

 問題は商品そのものにとどまらない。購入時に入力した氏名や住所、クレジットカード情報が第三者に渡り、不正利用やフィッシング被害につながる恐れもある。

 特に、決済方法が銀行振込や不自然な外部決済サービスに限定されている場合は注意が必要だ。正規の事業者であれば、複数の安全な決済手段を用意しているのが一般的なので、その点も注意したい。

冷静に情報を確認する姿勢が大切

 偽装ブランドから身を守るためには、いくつかの基本的な確認が欠かせない。販売元の会社情報や連絡先が明記されているか、URLが公式ドメインと一致しているか、日本語表現が不自然ではないかといった点は、購入前に必ず確認したいポイントだ。

 また、SNS広告経由で直接購入ページに誘導される場合は、いったん公式サイトや信頼できる通販サイトから同じ商品を探し、情報を照らし合わせることが有効といえる。

 オンラインショッピングは利便性が高い反面、画面の向こう側にいる相手の実態が見えにくい。安さや限定感に心を動かされる前に、冷静に情報を確認する姿勢が、偽装ブランド品による被害を防ぐ最も確実な対策だと言える。

 ITを活用した消費行動が当たり前になった今だからこそ、デジタル時代に即した「疑う力」が求められているといえる。

 今回は、McAfee Blogから「マカフィー、McAfee Labsの最新調査『2025年のホリデーシーズンに最も偽装されたブランド』と偽装ブランド品を見分ける方法を発表」を紹介しよう。(せきゅラボ)

※以下はMcAfee Blogからの転載となります。

マカフィー、McAfee Labsの最新調査
「2025年のホリデーシーズンに最も偽装されたブランド」と
偽装ブランド品を見分ける方法を発表

1年で最も買い物需要が高まる時期に、詐欺師が信頼できるブランドを偽装する手口と、買い物客が対策できる方法を紹介

オンラインのセキュリティ対策製品を提供しているマカフィー株式会社(本社:東京都千代田区)は、本日、McAfee Labsの最新調査「2025年のホリデーシーズンに最も偽装されたブランド」の結果を発表しました。本調査では、ホリデーシーズンに詐欺師が最も偽装したブランドを明らかにし、詐欺師がいかに巧妙に信用できるブランドになりすまし、本物にそっくりなオンラインストア、偽のメール通知、誤解を招くSNS上の広告を作成しているかを解明しました。1年で最も買い物が集中するこの時期に、詐欺師が消費者をだまそうとする一方、マカフィーは、大切な人への贈り物を購入する際の安全性を高め、より安心できるお買い物体験を提供することを目指しています。

主な調査結果は次の通りです。

・最も偽装された製品はIT系のブランド:詐欺師は主に大手のテックブランドを偽装しており、特にApple、任天堂、サムスン、ディズニー、スチーム(PCゲームプラットフォーム)など、人気デバイスやゲームプラットフォームに関連する企業を標的にしています。Appleは詐欺師が最も頻繁に偽装するブランドであり、本物に似せた偽サイトが頻繁に作成されています。
・高級ブランドも主要な標的対象:コーチ、ディオール、グッチ、ロレックス、ラルフローレンなどのハンドバッグやスニーカー、限定品の偽オンラインストアが45%増加し、ブランドの画像が使用されたり、ホリデープロモーションと書かれたりしています。
・ショッピング関連詐欺への警戒の高まり:日本の消費者の57%が「昨年よりAI生成の詐欺を懸念している」と回答し、「ホリデーシーズンの詐欺を見抜ける」と自信を持っている者はわずか39%に留まる。

近年の買い物体験は、日々のタスクの合間にスマートフォンでソーシャルメディアのフィード上を眺めながら瞬時に完結することが増えています。しかし、その便利さの一方で、巧妙な詐欺にひっかかるリスクが生じているのも事実です。詐欺師が最も偽装するブランドを把握することで、警戒心を高め、危険なサインを見極め、より安全に対処できるようになります。McAfee Labsは、ショッピングシーズンに伴い悪意のある活動が急増していることを確認しており、特に人気ブランドを装った詐欺サイトやメールが10%増加していると報告しています。

2025年に最も偽装されたブランド

詐欺師が今年最も偽装したブランドは、人気のテクノロジー製品や高級ギフト、需要の高い限定商品など、ホリデーシーズンに頻繁に購入されるアイテムに関連しています。彼らは信頼性の高いブランドをターゲットにし、買い物客の期待に応えるような現実的なビジュアルやメッセージを巧みに活用します。偽サイトの多くには、コピーされた商品画像や類似したレイアウトが含まれるほか、購入者に支払い情報を入力させるためのリアルなカスタマーサービス用語が含まれていることが特徴です。

最も偽装された一般消費者向けブランドトップ5

・Apple
・任天堂
・サムスン
・ディズニー
・スチーム

今回の調査では、一般消費者向けブランドの中で最も多くの詐欺サイトが確認されたのはAppleでした。任天堂も、2025年の年末商戦期におけるSwitch 2の膨大な需要を背景に、僅差でそれに続いています。サムスンのなりすましは主に携帯電話やアクセサリーに関するものが多くみられ、ディズニー関連の詐欺の多くは、偽のDisney+アカウントに関連した広告やお知らせでした。スチームに関する詐欺サイトも多く確認されており、特にPCゲーム用ギフトカードや、現在ゲーマー向けハンドヘルドPCとして人気の高いSteam Deckに関する詐欺が多く見受けられました。

最も偽装された高級ブランドトップ5

・コーチ
・ディオール
・ラルフローレン
・ロレックス
・グッチ

高級ブランドを装った詐欺はごく少数のブランドに集中しており、その中でもコーチが圧倒的に多く首位を占めています。コーチに関連する詐欺サイトの数は、次に多く偽装される高級ブランドであるディオールよりも約45%多いことが明らかになりました。

ホリデーセールの開始に伴いブランド偽装も増加

ホリデーシーズンが盛り上がりとともに詐欺も増加しており、多くの買い物客が偽のオンラインストアや配送通知など、本物そっくりに精巧に作られた詐欺に遭遇しています。マカフィーの調査によると、57%がAI詐欺への不安が昨年より多いと回答しており、約5人に1人(18%)は「詐欺を恐れてホリデーシーズンの買い物をすでに中止した」と回答しました。

人々は買い物を楽しむ一方で、多くの人がフィードやメールに表示される内容を再確認するようになり、喜びにあふれるはずの時期が警戒を要する時期へと変化しています。前掲のマカフィーの調査によると、77%が「ホリデーシーズン中のオンラインショッピングで安全を確保するために具体的な対策を取る予定」と回答しています。具体的には、「不明なリンクは絶対にクリックしない」(40%)、「信頼できるサイトのみを利用する」(34%)、「不明な送信者からの情報は無視する」(32%)ということが明らかになりました。多くの方は警戒心を抱いている一方で、詐欺を見抜く自信がある人は少なく、ホリデーシーズンに関連した詐欺を見抜く自信があると回答した人は39%にとどまっています。年齢層別にみると、若年層は高齢層よりも見抜く自信があるようで、18~24歳では46%が「自信がある」と回答し、65~74歳では31%にとどまるという結果になりました。

マカフィーは、今年のホリデーシーズンに皆様がより安全にお買い物をするために以下を推奨しています。

・クリックする前に一呼吸置く:お得なオファーに関するメッセージやDM、メールを受け取ったときは、直接販売事業者のホームページやアプリにアクセスして確認しましょう。
・信頼できる業者から購入する:知らないブランドや急なオファーが届いた場合、見送ることが安全な選択です。
・危険信号に注意する:急いで行動するよう催促されたり、ギフトカードや送金での支払いを要求されたり、個人情報の提供を求められたり、電話を切らないもしくは、黙っているよう指示をされたりするときは、注意しましょう。これらは典型的な詐欺の手口です。いったん立ち止まり、冷静に考えることで、お得な商品購入と詐欺を見分けることができます。
・買い物体験を保護する:アカウントを保護するために、二段階認証(2FA)を有効に設定し、強力で固有のパスワードを使用しましょう。安全なウェブサイト(URLが「https://」で始まり、鍵のアイコンが表示されているもの)でのみ購入し、銀行やクレジットカードの利用明細を定期的に確認して、不審な請求がないか注意しましょう。
マカフィー リブセーフや、マカフィー トータルプロテクションMcAfee+のような総合的なオンライン保護に投資する:これらの製品は、個人情報、プライバシー、デバイスを最大限に保護します。不審なリンクやサイトを検知・防御し、より安心してオンラインをご利用いただけます。

マカフィー株式会社 代表取締役社長 栗山 憲子は、次の通り述べています。

「詐欺師たちは、ホリデーシーズンの賑わいに乗じて、お得な商品を探している人々を巧みに狙ってきました。特に、AI技術の進化によって、信頼されているブランドを驚くほどの速さと精度で模倣することが可能になり、詐欺だと気づくのがますます難しくなっています。偽サイトや偽商品、さらには巧妙なメールやテキストといった手法が増え、現代の詐欺師たちは驚くほど精巧なソーシャルエンジニアリングの技術を使いこなしています。そうした状況の中で、最も効果的な自衛策は、焦らずに一呼吸おき、目にする情報をしっかり確認することです。そして、不審なリンクやページに対して警告を発してくれるツールを活用し、被害を未然に防ぐことが何より大切です。」

※本記事はアスキーとマカフィーのコラボレーションサイト「せきゅラボ」への掲載用に過去のMcAfee Blogの人気エントリーやプレスリリースを編集して紹介する記事です。

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