あるギリギリのプロジェクトを救ったのは「熱意ある若手担当者」の育成だった
プロジェクトの推進役は社外のクライアントに任せるのが最強説 Backlogを社内外で定着させる秘訣
現代のビジネス環境では、社外と共同で進めるプロジェクトが増えてきている。こうしたプロジェクトの管理にも用いられる「Backlog」だが、チームメンバーやクライアント(発注側)に定着しないという悩みは少なくない。こうした中で提唱されたのが「プロジェクトの推進役はクライアントに任せるのが最強」という説だ。
Backlogのユーザーグループ・JBUGは、2025年11月29日、プロジェクトマネジメントの祭典「Backlog World 2025」を開催。Web制作会社であるJBNの金子大地氏のセッションでは、実際の事例を交えながらこの“最強説”が披露された。
プロジェクトを円滑に進める“バックログスイーパー” 誰が適任か?
長野市のWeb制作会社に勤め、Webディレクター歴・Backlog利用歴が6年目となる金子氏。同氏のセッションタイトルは「『やり方』より『やる人』」であり、Backlogの使い方ではなく、Backlogやプロジェクトを“動かす人”について語られた。
金子氏は、「『チームメンバーやクライアントがBacklogを使ってくれない』という悩みはよくあるのでは」と呼びかける。課題が見られないし、書かれない。ルールを考えても守られない。Backlog活用が上手くいかない理由はさまざまだ。
こうした問題を解決する役割を担うのが「バックログスイーパー」だ。チームのバックログ(未処理の作業)を常にキレイして、プロジェクトを前に進める人のことである。
ここで金子氏が提唱するのが、「クライアント側にバックログスイーパーがいる(見つける)のが最強説」だ。「受注者側でBacklogを回そうとしても、クライアント側が見てくれなかったり、社内メンバーが使ってくれなかったりと、結局はメールでのやりとりに逆戻りしてしまう」(金子氏)
兼子氏の説はこうだ。まず、クライアント側でBacklogが浸透し、クライアントが使うようになれば、受注側も使わざるを得ない。その結果、プロジェクトがうまく進むようになり、やがてはBacklogを通じた両者の共創へとつながっていく。金子氏は、「Backlogを嫌々使ってもらう“強制”から、プロジェクトを一緒に“共創”する環境へと変えていくのが理想像」だと強調する。



