前へ 1 2 次へ

「Good Project Award 2025」の最優秀賞を受賞したDX支援プロジェクト

属人化の解消とホスピタリティを両立したい! 近鉄グループがBacklogで運用する「DX相談窓口」

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

プロジェクト管理には“熱意”が必要だと痛感、そしてノウハウの蓄積に救われる

 デジタル相談窓口の立ち上げに先立ち、まずは、相談者とのコミュニケーションを設計した。管理者であるデジタル活用支援チームが窓口を担当し、セキュリティなどの専門チームと連携して悩みを解決するというプロセスを決める。相談先はこれまでの電話やメールを禁止して、必要な情報が漏れなく収集できるフォームに一本化した。

 そして、このフォームに寄せられた相談は、Backlogに自動起票される。効率化と共に見落としが発生しない仕組みを採用した。もちろん対応状況はBacklogで一元管理し、「状態」「担当者」「対応内容」を明確にして、対応履歴をノウハウとして蓄積していった。

フォームの相談が自動起票される仕組みを採用

 悩んだのは、どうI課長のホスピタリティを再現するかだ。複数の部署のメンバーが携わる長期プロジェクトとなり、負荷は軽減されたが、どうしても対応に個人差が生まれてしまう。

 そこで実施したのが「ルールづくりとその徹底」だ。手順書から履歴の残し方まで細やかなマニュアルを作成し、説明会を開いて周知を図った。さらに、定例会議にてルールが守れているかを確認している。それでも、ルールの遵守は難しく、プロジェクト管理者が「熱意を持って働きかけることが重要」だと痛感したという。

ホスピタリティを生むルールづくりとその徹底

 このような取り組みの結果、開設2か月で16件の相談が寄せられたという。阪田氏は、「正直、まだまだ少ない成果ですが、ノウハウの蓄積が次の対応にも、グループ会社への支援の検討にも活かせています」と語った。

 なお、この11月恐れていた事態が発生する。新藤氏含めたメンバー3名の異動が決まったのだ。「Backlogでノウハウを残しておいて良かった!」という落ちでセッションは締めくくられた。

授賞式の様子

 最優秀賞の受賞にあたり、阪田氏は、「Backlogの運用が本格的に始まったのは2025年8月。事前にコミュニケーションを設計することで、わずかな期間でプロジェクトを立ち上げられ、結果、最優秀賞もいただき、非常に嬉しいです。皆さんも是非、Backlogで課題解決に取り組んでください」とコメントしている。

 審査員を務めたヌーラボの代表取締役 CEOである橋本正徳氏は、「ノウハウを貯めてレジリエンスを向上させたこと、コミュニケーション設計をしていたこと、なによりチームメンバーの熱量が高かったことを評価しました。参加者の皆さんには、今後もBacklogの使い方や運用に磨きをかけ、より良いチームづくりを進めて欲しいです」と呼びかけた。

■関連サイト

前へ 1 2 次へ

過去記事アーカイブ

2025年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2024年
04月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2020年
01月
08月
09月
2019年
10月
2018年
05月
07月