下位モデルの最上位
「Wildfire E5 Elite」
E7シリーズの下位モデルとなるE5シリーズのEliteの名を付与した「Wildfire E5 Elite」は、SoCではなくディスプレーサイズで高い性能をアピールするモデルだ。7.2型という大手メーカーの製品と比べても遜色なく大きいディスプレーは、動画や写真などリッチコンテンツを低価格なモデルでも十分楽しめる。解像度はHD+ということで高くはないが、画質はさておき迫力ある体験が得られるだろう。
円形のカメラバンプは最近ハヤりのデザインだ。5000万画素メインカメラ以外のサブカメラの搭載は現時点では不明。フロントカメラは1600万画素だ。SoCはMediaTekのHelio G81を搭載している。先のモデル同様に2025年内販売予定とのことで、追って詳細なスペックは公開されるだろう。
バッテリーは7000mAhと大型だ。本体を持ってみると若干厚く、やや重いと感じられたので、このモデルもシリコンカーボン系バッテリーではなく従来のリチウムイオンバッテリーを搭載しているようだ。新興国では大容量バッテリーの需要が高く、本モデルは今回紹介した製品の中で一番の人気になりそうだ。
いずれのモデルにも独自のAI機能が搭載されている。テキストの自動清書やイメージ作成、画像の検索などが可能で、グーグルのGeminiをインストールしなくとも手軽にAIアシスタントを利用できる。
マッチョでタフネスなモデル
「Wildfire R1」
HTCブランドからまさかのタフネスモデル「Wildfire R1」も登場する予定だ。この手の製品はアマゾンやアリエクスプレスといった大手ECサイトを見ると多数のメーカーが展開しているが、HTCもそこに参入する。SoCにUNISOCのT8200を採用する5Gモデルだが、対応バンドはn1/n2/n3/n5/n7/n8/n20/n28/n40/n41/n66/n77/n78となっている。n2やn66対応ということで北米向けの投入もあるのかもしれない。
今回紹介したほかのモデルより詳細なスペックが公開されている。ディスプレーは6.6型(1612×720ドット)でGorilla Glass 3でカバー、IP68とIP69Kの防水防塵対応、MIL-STD-810H準拠、メインカメラは2100万画素、フロントカメラは800万画素だ。本体サイズは約82.7×178.0×19.1mm、重さは394.8g。
バッテリーは10800mAhで、20W充電に対応。背面の黄色いストリップは大型のLEDライト「スーパーキャンピングライト」でかなり明るく発光し、緊急時にはSOS点灯も可能だ。数あるタフネススマートフォンの中でHTCのブランドを付けたモデルとなれば、信用性も高く、購入を検討する人もいるのではないだろうか。
約11型でエントリースペックのタブレット
「A101 Plus」
タブレットも展示されていた。「A101 Plus」は2024年に発売された製品であり、SoCにUNISOCのT606を搭載するエントリーモデル。Wi-Fiに加え、4Gにも対応する。ディスプレーサイズは10.95型、解像度は1200×1920ドットだ。ロシアなどで販売されているという。価格は3万円を切るレベル。
カメラは1300万画素、フロントは800万画素。本体サイズ256.6×168.2×7.5mm、重さは501gだ。バッテリーは7000mAhを内蔵する。
HTCのタブレットは2013年に登場した「Nexus 9」が最後。HTCブランドとしては2011年に登場した「HTC Flyer」まで遡る。この2製品以外にHTCのタブレットは登場しておらず、低スペックながらもHTCファンにとって気になるモデルではないだろうか。
日本ではすでに忘れられた存在かもしれないが、HTCを知っている世代の人もまだまだ多い。手軽に買えるエントリークラスの製品として、5G対応のWildfire E5 EliteなどはMVNOキャリアにとっても売りやすい製品ではないだろうか。
本家HTCとは異なるODMメーカーによる製品だが、HTCブランドのスマートフォンをぜひ日本でも復活させてほしい。






















