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親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第347回

新刊『スマホで受験に失敗する子どもたち』より

依存にならないスマホ制限方法を紹介! でも必ず抜け道があるので「子どものやる気」が必須

2025年11月11日 09時30分更新

文● 高橋暁子 編集●ASCII

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受験で合格するための「スマホとの付き合い方」をご紹介!

我が子がスマホで受験失敗する前に……

 「うちの子、ずっとスマホを使っていてやめられないんです。どうしたらいいですか?」

 保護者なら、一度は口にしたことがある言葉だ。子どもがスマホばかりで勉強しないことに悩んでいるうちに受験期が来てしまう。そして受験期になったからといって、必ずしもスマホをやめて勉強にスイッチが入るとは限らないのが悩みどころだ。

 そんな悩める受験期の子どもを持つ多くの保護者、そして受験生に送るのが、筆者の新著『スマホで受験に失敗する子どもたち』(星海社新書)だ。具体的な対処法をご紹介する本書の一部を、当連載でご紹介したい。

利用制限方法には必ず抜け道もあるが……

 大前提としてお断りしておきたいのが、スマホ・ゲームを取り上げたからといって、受験勉強などをするとは限らないということだ。

 子ども自身が「制限する」「利用時間を減らして勉強する」と思えないのであれば、スマホやゲームを取り上げても、学習上の効果は期待できない。そもそも「取り上げる」などと、保護者主体になっている時点で、間違ってしまっているのだ。

 本書では利用制限するためのさまざまな方法をご紹介してはいるが、実はどれも完璧な方法ではない。ほとんどのものには、バグ的な抜け道や制限突破の方法が存在している。

 しかし、「抜け道があるからその方法は無意味」というわけではない。使えば制限しやすくなるし、長時間利用になりづらいだけでも効果があるのだ。

本人がスマホを制限したいと思うことが一番大切

 まず子ども自身に、学習内容を理解したい、成績を上げたいという強い気持ちや、志望校に受かりたいという強い願いがあること。そのためにスマホ、ゲームやSNSの利用時間を短くすべきであり、それが自分のためになると考えていること。それが、制限が効果を発揮するためのほぼ唯一絶対の条件なのだ。

 勉強したいという気持ちがない子は、スマホやゲームを取り上げたり、さまざまな方法で利用を制限しても、突破する方法をなんとかして探し出す。制限する意味やメリットが理解できていない子も同様だ。ゲームやSNSは楽しいのだから、楽しいほうを選んでしまうのは当然と言えよう。

 子ども自身が願いを叶えるために、自らの意志でスマホやゲームという障害を取り除きたいという気持ちになる必要がある。強い願いがあるのに、誘惑のせいで願いを叶えるのが難しい。そのような場合に、自分を律するお手伝いをするのが、本書でご紹介しているさまざまな方法というわけだ。

レベル0のスマホ利用制限方法とは

 本書では、スマホ制限のレベルを0から3のあいだで設定している。数字が多くなるほど強制力が強くなっていく。子ども別の向いている制限パターンも本書内では詳しくご紹介しているので、そちらも参考にしてほしい。

 なお、筆者が息子に対して実施しているのは、アナログだが「端末を預かる」こと。目の前から物理的になくなるため気が散らなくなる。たとえそれが学校貸与端末でも効果アリなのが良い点だ。

 普段からスクリーンタイムなどの制限機能によって利用時間を設定しており、すでに「1日の利用可能時間はこのくらいだな」と見当を付けられる程度になっているのが当たり前になりつつある。

 各方法のやり方と効果的な理由、レベル別の具体的な方法については、本書で確認していただければ幸いだ。

※参考:利用制限 レベル0
・スクリーンタイム/ファミリーリンク/あんしんフィルターの利用時間制限機能の活用
・YouTubeのファミリーセンター、およびTikTok/Instagramのペアレンタルコントロール機能活用
・NintendoみまもりSwitchで利用時間制限
・勉強開始前にはスマホを片付ける
・スマホ、ゲームの利用は居間限定
・夜間はスマホは居間で充電する
・アラームで利用を制限
・スマホ以外の趣味、時間の過ごし方を考える
・身体を動かす、散歩やスポーツをする
・テスト前などにゲーム機、スマホ、GIGAスクール構想端末を預かる

著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『スマホで受験に失敗する子どもたち』(星海社新書)、『若者はLINEに「。」をつけない 大人のためのSNS講義』(講談社α新書)、『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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