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AIサーバー向け高SOA耐量MOSFETに小型5×6mmサイズを追加

ローム株式会社
2025年10月23日

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ローム株式会社
ローム株式会社(本社:京都市)は、5060サイズ(5.0mm×6.0mm)のパッケージで、業界トップクラスのSOA(*1)耐量を実現した100V耐圧パワーMOSFET「RS7P200BM」を開発しました。48V系電源を採用するAIサーバーのホットスワップ回路(*2)や、バッテリー保護が必要な産業機器電源などに最適な製品です。
RS7P200BMは、ロームが2025年5月に発売を開始したDFN8080-8S(8.0mm×8.0mmサイズ)パッケージのAIサーバー向けパワーMOSFET「RY7P250BM」に対して、さらに高密度実装を可能にする、小型のDFN5060-8S(5060サイズ)パッケージを採用しました。



小型MOSFET「RS7P200BM」


新製品は、VDS=48Vの動作条件においてパルス幅10msで7.5A、1msで25Aという高いSOA耐量を確保しながら、トレードオフの関係にある低オン抵抗 RDS(on)(*3)4.0mΩ(条件:VGS=10V、ID=50A、Ta=25℃)を実現しました。これにより通電時の発熱を抑制し、サーバー電源の高効率化と冷却負荷軽減、さらには電力コストの削減にも寄与します。
なお、新製品は2025年9月より量産を開始しています(サンプル価格800円/個:税抜)。インターネット販売にも対応しており、チップワンストップコアスタッフオンラインなどから購入することができます。



インターネット販売商社

ロームは今後も、AIサーバーをはじめとする48V系電源に対応した製品ラインアップを継続的に拡充します。高効率で信頼性の高いソリューションを提供することで、持続可能なICTインフラの構築と省エネルギー化に貢献していきます。
Topicsニュース

開発の背景

AI技術の急速な進化と普及に伴い、生成AIや高性能GPUを搭載したサーバーの安定稼働と電力効率向上のニーズが高まっています。特にホットスワップ回路においては、突入電流(*4)や過負荷に対応し、安定動作を実現できる高SOA耐量のパワーMOSFETが不可欠です。また、データセンターやAIサーバーでは、省エネルギー化を背景として電力の変換効率に優れた48V系電源への移行が進んでおり、これに対応する高耐圧で高効率な電源回路の構築が課題となっています。
ロームでは、市場要求に対応した5060サイズのパッケージ品を追加することで、AIサーバー向けホットスワップ回路に最適な100V耐圧パワーMOSFETのラインアップを強化しました。今後もデータセンターでの電力損失低減や冷却負荷の軽減、さらにはサーバーシステムの高信頼性と省エネに貢献してまいります。

アプリケーション例

- 48V系統AIサーバーや、データセンターの電源ホットスワップ回路
- 48V系統の産業機器電源(フォークリフト、電動工具、ロボット、ファンモーターなど)
- AGV(無人搬送車)などのバッテリー駆動産業機器
- UPS、非常用電源システム(バッテリーバックアップユニット)

EcoMOS(TM)(エコモス)ブランドについて

EcoMOS(TM)は、パワーデバイス分野において省エネ化が要求されるアプリケーションに最適な、ロームが開発するシリコンパワーMOSFETのブランドです。
家電、産業機器、車載などの幅広いアプリケーションに搭載されるEcoMOS(TM)は、ノイズ性能やスイッチング性能などの多岐にわたるパラメータから、用途に応じた製品選択ができるラインアップを展開しています。



Logo :「EcoMOS(TM)」

・EcoMOS(TM)は、ローム株式会社の商標または登録商標です。

用語説明

*1) SOA(Safe Operating Area)
デバイスが破損せず安全に動作できる電圧・電流の範囲。この安全動作領域を超える動作は熱暴走や損傷の原因となるため、特に突入電流や過電流が発生するアプリケーションでは、SOA耐量を考慮する必要がある。
*2) ホットスワップ回路
機器の電源を稼働させたまま部品の取り外しや挿入を可能にするホットスワップ機能を支える回路全体のこと。MOSFETや保護素子、コネクタなどで構成され、部品挿入時に発生する突入電流の抑制や過電流保護を担い、システムや接続された部品を安全に動作させる役割を果たす。
*3) オン抵抗 RDS(on)
MOSFETを動作(オン)させたときのドレイン・ソース間の抵抗値のこと。値が小さいほど、動作時のロス(電力の損失)が少なくなる。
*4) 突入電流(Inrush Current)
電子機器の電源を入れた際に、瞬間的に流れる定格電流値を超えた大電流のこと。電源回路の部品等に負荷がかかるため制御することで、デバイスの損傷防止やシステムの安定化が図れる。

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