2025年12月より順次展開、「24時間自動応答」から「カスハラ対策」まで
“通信会社ならでは”の方法で顧客接点を改善 NTTドコビジがAIサービス群「ANCAR」発表
2025年09月22日 08時00分更新
通信キャリアのサービス・データ+AIで顧客接点を進化
ANCARは、通信キャリア発ならではの特徴が2つある。
ひとつは「通信サービスとの連携」だ。通信サービスとAIが連携する前提で設計されており、フリーダイヤルやIP Voiceなどを利用中であれば、すぐに導入できる。フリーダイヤルと連携したAIが最適な窓口に接続し、IP Voiceと連携したAIが通話を録音して、カスハラ対策や業務効率化につなげられる。
第1弾サービスとして提供予定の「Rec」と「Convert」は、IP Voiceユーザーのビジネスポータルから申し込むことで、即日利用可能だ。「通信サービスと連携したANCARだからこそ、有事の際につながらない時間も最小化できる」(高橋氏)
もうひとつの特徴は、通信キャリアだけが持つデータを活用した「顧客体験の可視化」だ。「本当の顧客体験は、電話をかけたその瞬間から始まっている」と高橋氏。ANCARでは、IVRの番号を間違えたり、待ち時間が長すぎて離脱したり、そもそも混雑でつながらないといった、企業の窓口につながる前のこれまで“見えなかった”通信データを可視化できる。10万社以上に利用されているフリーダイヤルのデータなどを統計化した、業界ごとのベンチマークも提供される。
ANCARは、2025年12月から順次機能を提供し、2026年度前半(2026年9月)までにはすべてのサービスを揃えられるよう開発が進んでいる。
ANCARの機能一覧と提供時期(ニュースリリースより)
今後は、顧客の利用するCCaaSやSFA・CRMなどのアプリケーションとの連携を強化して、パーソナライズされた最適な応対やAI活用を実現していく予定だ。また現状は、NTTドコモビジネスの通信サービスを利用している数10万の企業向けに展開していくが、他のキャリアサービスを利用する企業も活用できるよう、拡張させていく予定だ。将来的にはAgentic AIで各機能や通信サービスを連携させるような仕組みも見据えているという。
NTTドコモビジネスでは、2029年度にはANCARによるビジネスを「400~500億円の規模」に成長させていくことを目標としている。



