メディアアーティストの落合陽一氏が9月17日、大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「null²(ヌルヌル)」をめぐる運営上の苦労と胸中を、自身の公式Xで率直に語った。
落合氏によれば、「null²」はシグネチャー館の中でも最も予算が少なく、建物設計を断念してプレハブ化する案まで浮上したほど資金難に直面したという。そのため外観やミラールーム、映像、プログラムなどの多くをチームが手作業で作り上げ、「手弁当芸術」として成立させた。
5月ごろには作品として一定の完成度に達し人気を集め始めたが、その直後から「予約がなければ入れない」事態が続出した。敷地の狭さや熱中症のリスク、警備体制の限界などから並ばせることも難しく、来場者に繰り返し入場不可を伝えざるを得ない状況にあると説明した。
落合氏は「小学生からお年寄りまで、せっかく来てくれた人をガッカリさせてしまうのが一番つらい」として、「自分たちはそんな顔を見たくて作品を作ったわけではない」と心情を吐露した。
この課題にこたえるため、45秒ほどで通り抜けられる「ウォークスルーモード」を導入した。短時間の体験ではあるものの、これによって予約なしでも一部の来場者が入館できるようになり、体験者の割合はわずかに増えたという。落合氏は「全員に見せたいが現実的な制約がある。それでも来てくれたことに感謝している」と述べ、会期終了まで工夫を続ける意向を示した。
投稿には多くのユーザーから共感や感謝の声が寄せられ、入場できなかった人々の切実な体験や、それでも「null²」を眺めるだけで幸せだったとする声が広がっている。
どうして僕らが #null2 であの手この手の入場をやってるか説明しよう.涙ながらにしか語れない話ではあるんだけれど,ちょっと聞いてくれ. #expo2025…
— 落合陽一 Yoichi OCHIAI (@ochyai) September 17, 2025













