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gamescom 2025のNVIDIAデモセッションを見たら一瞬で得心

描画性能も画質も進化したGeForce NOWは魂の救済ツールに、Steam Deckでも重量級ゲームが余裕で遊べる

2025年08月20日 13時15分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトライッペイ/ASCII

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「Discord上でFortniteが遊べる」が意味するもの

 最後はDiscordとEpicがGeForce NOWと連携するという話題だ。NVIDIAの発表をそのまま書き下すと、「Discord上で直接Fortniteが遊べる」ようになるというもの。何を言っているんだと思うかもしれないが、文字通りの意味だ。Discord上でつながったフレンドとFortniteを遊ぶ場合、これまではDiscordから一度離れてFortniteを起動し、Fortniteのゲーム画面上で待ち合わせていた。

 ところがDiscordとGeForce NOWが連携することで、Discordのウィンドウの中でFortniteが起動し、そこからチームメイクまで流れるように進められるようになる。ここで重要な点は、Fortniteを遊ぶにあたりDiscordとEpicゲームアカウントは必要だが、GeForce NOWのアカウントにログインする必要はないということ。

 さらに言えば、Epicのランチャーも必要ないし、Fortniteのダウンロードも不要だ。必要なものは裏方に回ったGeForce NOWのサービスが全部面倒をみてくれる。このサービスが提供開始され次第、ユーザーにはGeForce NOWのPerformanceティア相当(WQHD&60fps)が期間限定ではあるが無料で提供される。

 FortniteをプレイしたいがちゃんとしたゲーミングPCがなくてチームを組めなかった友人がいたら、ぜひこのサービスを利用して誘ってみてほしい。ただし、無料でPerformanceティア相当のプレイが可能な期間は無期限ではない。将来的にはGeForce NOWのメンバーシップを購入してプレイを続けるかどうか迫られるだろう。

NVIDIAの発表動画より引用。Discordのウィンドウの中にFortniteの画面がはめこまれ、そこでプレイできる。Discordの中だけでフレンドと待ち合わせて一緒のチームに入るまでがシームレスになる。Discordにとってはユーザー定着が見込めるし、EpicやGeForce NOWは将来的な課金の道筋ができる、というわけだ

GeForce NOWは魂の救済ツールである

 GeForce NOWは「高性能ハードウェアに魂を縛られた人々」を「苦しみ」から解放するための救済措置であり、もっと気楽にゲーマー同士がつながりを持つためのツールである。その対価としてネット回線に縛られてしまうというデメリットもある。一方で、10万円以上もする高性能なビデオカードの場合、手に入れるために必死に貯金するもゲームに飽きたときに「無駄金を使ってしまった……」という悔恨の苦しみを癒すことは難しい。

 しかし、GeForce NOWなら、メンバーシップ費用だけのダメージで気持ちを切り替えられる。無論、昨今の高性能ビデオカードはゲーム以外でも有能なので、それで別のことに挑戦する……みたいなルートもあるが、誰もがその道を選ぶわけではない。RTX 5080が使えるUltimateティアの登場で、最新グラフィックスを用いた重量級ゲームを「いつでも遊べる」ようになったのだ(繰り返しになるが、ゲームは自前で買う必要がある)。

 だが、真のGeForce NOWの欠点は、その「わかりにくさ」にある。本稿で取り扱ったGeForce NOWの新要素にしても、事前共有された資料だけでは筆者は全然ピンと来なかった。「映像がつぶれにくく」なると言われてもどの程度か把握できない(しかも、画質比較用資料の出来がよろしくない)し、Discord上のGeForce NOWはスゴさの手がかりすらつかめないものだった。

 とはいえ、今回デモセッションに参加し、実働しているところを見ると一瞬で得心できた。本稿を読んでもさっぱりという方がいれば、それは筆者の筆力不足にほかならない。そういう方々は、ぜひGeForce NOWをトライしていただきたい。一度触ればこのスゴさは伝わるはずだ。

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