業務を変えるkintoneユーザー事例 第275回
kintoneで“上手に失敗”しながら築いた販売員強化の仕組み
ライバルは“電卓” 現場の不満を跳ね返した福岡イエローハットの「タイヤ商談アプリ」
2025年08月08日 07時00分更新
成果が好循環を生み、会社の未来を変える
アプリ導入の成果は劇的だった。従来2か月を要していた新人スタッフの商談デビューまでの期間は、わずか1週間に短縮。教育にかかる双方のエネルギーは大幅に削減され、暗記ミスによる管理コストもなくなった。
何よりも、誰でもすぐに商談できるようになったことで、顧客を待たせる時間が減り、より多くのタイヤ点検を実施できるという好循環が生まれた。
佐藤氏はkintoneの魅力を「早く、安く、上手に失敗できること」だと語る。
「長く仕事していてわかったことは、失敗をせずに上達することはないということ。失敗が致命傷にならないようにうまく「転べる」のがkintoneの良さだと感じます」(佐藤氏)
kintoneはフィールドの変更や計算式の設定が簡単で、不便さを感じたら即修正できる。既製品のカスタムにかかるような莫大なコストも不要で、PDCAサイクルを最速で回せる。
この成功体験を元に、福岡イエローハットのDXはバックオフィスにも広がっていく。申請書や帳票のペーパーレス化、ワークフローによる社内回覧の自動化などを進め、意思決定のスピードも向上。kintoneで生まれた時間の余白で、スタッフはより重要な仕事に注力して、成果を生む。そして結果が出た分は、昇給や年間休日の増加といった形で還元する。
佐藤氏は、「作業はアプリに任せ、判断や提案を人が担うのが、人の価値を高めるDX。本当に必要な仕事を人がこなし、それに集中できる仕組みをこれからも作っていきたい」と締めくくった。
プレゼン後には、サイボウズの岡地麻起氏により質問が投げられた。
岡地氏:伴走パートナーであるSACCSYさんの支援で嬉しかったことを教えてください。
佐藤氏:私が自身でkintoneについて調べても、本当にできるかどうかわかりませんでした。それを自信を持って「できますよ」と後押ししてくれたことで、安心を得られました。今、また違うアプリを作ってるのですが、できることを的確に教えてもらっています。
岡地氏:SACCSYさんが可能性を広げてくれる、選択肢を提示してくれるということですね。ちなみに、どんなアプリを作成しているのでしょうか。
佐藤氏:バックオフィスに関するアプリです。紙の書類をどんどんkintoneアプリ化しています。

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