夏のRTA大会、任天堂ゲーム除外 冬はOKになる見込み

文●Zenon/ASCII

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 一般社団法人RTA in Japanは8月4日、8月9日~15日にかけて開催するイベント「RTA in Japan Summer 2025」において、任天堂が著作権を所有するゲーム(以下、任天堂のゲーム)を採用していないことに関する経緯と今後の対応を発表した。

 RTAとは、ゲームを最初からプレイして実時間でどれだけ早くクリアできるのかを競う遊び方(Real Time Attack)のこと。「走者」と呼ばれるプレイヤーが実況しながらゲームをプレイし、一般プレイヤーが50時間かけてクリアするゲームをわずか3時間でクリアするなど、「1秒短縮」への熱量が凄まじいことで知られる。やり込んだゲームでも「へぇ~、そんなやり方が!」という発見があるため、視聴者も楽しめるイベントだ。

 イベントは毎年夏と冬に開催され、TwitchおよびYouTubeで視聴できる。これまでは「マリオ」や「ゼルダの伝説」など任天堂のゲームも取り扱っていたが、今回のイベントでは採用が見送られており話題となっていた(採用ゲーム一覧はこちら)。なお、本イベントはチャリティイベントとなり、収益は国境なき医師団に寄付される。

 経緯としては、2025年6月13日に任天堂より「法人による任天堂のゲームの利用には事前の許諾が必要である」こと、当法人のこれまでの利用に「事前の許諾がなく無許諾利用にあたる」ことの指摘があり、協議をしていたため見送りとなった模様。

 任天堂は「ゲーム大会における任天堂の著作物の利用に関するガイドライン」を定めており、個人の小規模大会への規定と、法人の大規模大会で扱いを分けている。法人の場合は許諾を得る必要があった

 この指摘を受け、今後はイベントやゲームごとに任天堂へ許諾申請を同法人から出し、許諾を受けることとなった。これにより、次の「RTA in Japan Winter 2025」では任天堂のゲームも利用可能になる見込みだという。

 ただし、ゲーム応募ガイドラインや応募要項が変わる想定となっているため、注意が必要だ。影響としては、バグ技の利用可否、応募スケジュールの前倒しなどが考えられるだろうか。今後の公式発表に注目しよう。