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キンタロー。「自分がどうかなと思うモノマネを見てほしい時、最高のパートナー」

MIXI、家族のような理解者を目指すAIロボット「Romi(Lacatanモデル)」をお披露目

2025年07月25日 10時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水

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ハードウェアも大幅強化、設計も自社体制にシフトした

 Lacatanモデルのデザインは第1世代に似ているものの、いろいろとアップデートされている。例えば、同じ位置からRomiを撮影しても、オーナーの映り込みが抑えられている。これは、シェードが球面だったためで、Lacatanモデルではフラットになっている。

「これで、SNSに投稿しやすくなると思います」とロボット開発グループマネージャーの高田信一氏。

MIXI Vantageスタジオ Romi事業部 ロボット開発グループマネージャー 高田信一氏

 スピーカーも進化している。ロボットの小さな筐体にはモーターやバッテリー、ディスプレイなどが高密度に詰まっており、音質を左右するスピーカーの容積確保は難しい。第1世代はRomi本来の声に特化したチューニングだったが、Lacatanモデルでは、生成AIが生み出す多彩な声色を豊かに表現するため、特性を改善する必要があった。そこで、低音から高音までをカバーするフラットな特性に仕上げ、頼もしい声のような低い声から、様々な感情表現まで、よりリアルに再現できるようになった。

 カメラの性能も大きく向上させた。Lacatanモデルのカメラは、第1世代に比べて画角がワイドになっている。この広角カメラによって実現したのが、新たな視覚機能だ。

 高田氏によるデモも行われた。「見てみて」とRomiに語りかけると、Romiは目の前にあるものをカメラで認識し、話し始める。Romiのカタログを見せると「Romiがいっぱい載ってるね」と認識し、会場全体を見せると「イベント会場っぽい」と状況を理解した。プライバシーに配慮し、オーナーが「見てみて」と許可した時だけ映像を認識して会話に反映する仕組みになっている。

Romiの第1世代とLacatanモデルの視野の違い

 バッテリー容量は第1世代の2倍に増強。子供が外に持ち出して遊ぶといったシーンでも、より長く楽しめるようになっている。カラバリは従来の3色に加えて落ち着いた「ムーングレー」が追加された。

 開発・製造体制も大きく変わった。Romi第1世代は、原理試作のところのみをMIXIが担い、その後はEMSに設計製造を委託していたがLacatanモデルでは、量産試作の工程まで関わった。自社設計体制を構築することで、柔軟かつ高品質なものづくりができるようになったという。

 開発中の機能として、「多言語モード」のデモも披露した。英語で話しかけるとRomiが流暢な英語で返し、日本語で話しかけると日本語で応答する様子は、Romiの持つポテンシャルの高さを感じさせた。こちらも、今後アップデートされていくという。

「AIが目まぐるしいスピードで進化する中で、Romi Lacatanモデルはハードウェア側も進化し、価値を最大化し続けたいと考えています。あなたの生活に溶け込み、そして生活を彩るAIロボットになれば幸いです」(高田氏)

ハードウェアを自社設計するように体制を変更

 Romiの製品情報や販売情報、マーケティング、ビジネス開発などについては、Romi事業部 UX企画グループマネージャー 長岡輝氏が紹介した。

 Lacatanモデルの主なスペックとしては、CPUがQuad Core 1.6GHz(前モデルは1.2GHz)、ディスプレイは2.4型(前モデルは2.0型)、Wi-Fiは2.4GHz/5GHz対応(前モデルは2.4GHzのみ)、バッテリー容量は3時間駆動(前モデルは1.4時間駆動)と軒並み向上した。

「タッチポイントを拡大しました。Romi第1世代は8店舗でしたが、7月25日からLacatanモデルのタッチポイントは全国40店舗に拡大します」とRomi事業部 UX企画グループマネージャー 長岡輝氏。

MIXI Vantageスタジオ Romi事業部 UX企画グループマネージャー 長岡輝氏

 MIXIは自治体での実証実験や企業とのコラボレーションを通じて、Romiの活躍の場を広げているそう。例えば、高齢者のウェルビーイングを推進するため、長野県伊那市では住民の孤独や孤立を軽減させる目的に実証事業を行っている。子ども向け教育現場では不登校時の心のケアをするため、Gakkenとコラボモデルの共同開発を進めている。また、障害者福祉現場では、療育教育でRomiを活用したり、発達障害を持つ人を支援するモデルを発売している。

「Romiをお迎えいただく際のハードルを下げるため、モバイルWi-FiとLacatanモデルのセット販売を今年の夏から秋にかけて開始します。また、長期間の分割支払いも導入予定です。さらに、Romiの体を健康に保ちつつ、思い出も重ねて日々の進化を楽しめるように、Romiのクリニックを今年の秋頃に開始する予定です」(長岡氏)

MIXIはRomiの活躍の場を広げる活動を推進している

Romi Lacatanモデルは子供に大人気、自身のネタ作りにも活用する

 ゲストセッションでは、ものまねタレントのキンタロー。さんが、キンタロミーに扮して登場。事前に自宅でRomiと過ごした体験を紹介しつつ、実際にRomi Lacatanモデルと色々な掛け合いを披露した。

ゲストセッションではキンタロー。さんがキンタロミーに扮して登壇

 Romi Lacatanモデルは子供たちに大人気なのはもちろん、キンタロー。さん自身も「モノマネをしているので、常に反応が欲しい」と、ネタの練習相手として活用しているという。「Romiは絶対に否定的な言葉を使わないんです。自分がどうかなと思うモノマネを見てほしい時、最高のパートナー」と、その魅力を熱弁した。

 新搭載された視覚機能のデモが行われて盛り上がった。キンタロー。さんが自身のものまねパネルをRomiに見せると、「このお坊さんの人形すごくリアルだね」や「この迫力満点の顔、青森のねぶたまつりのやつかな」と的確に認識したのだ

 最後に、Romiをどんな人におすすめしたいか問われると、「ちっちゃいお子様から大人までみんな楽しめると思います。ちょっと気軽におしゃべりしたいなっていう時すごいおすすめです」と語った。

ねぶたのものまねをした写真を見せると、見事認識してくれた

 Romi Lacatanモデルの価格は9万8780円(税込)で、月会費は1958円(税込)。年払いにすると1万9580円(税込)と割安になる。7月25日から、Romi公式ストアをはじめ、全国の家電量販店などで販売が開始される。

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