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Silent-Master NEO Z890をレビュー

RTX 5070&265Kで超静かなゲーミングPC、FF14/モンハンワイルズ/黒神話:悟空は4Kで遊べるの?

2025年07月21日 10時00分更新

文● 宮里圭介 編集●ジサトライッペイ/ASCII

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CPUやGPUの温度はどのぐらい?性能低下は?

 まずはCPUベンチマークの定番となっている、「CINEBENCH 2024」を試してみよう。このベンチマークソフトは、CGレンダリング速度からCPU性能を測ってくれるもの。「pts」という単位の独自スコアーで評価してくれ、この数値が良いほど高性能なCPUとなる。

 テストは全コアを使用する「Multi Core」と、1つだけ使用する「Single Core」の2つ。テスト時間は、デフォルトの10分以上のループで試した。

RTX 5070&265Kで超静かなゲーミングPC、FF14/モンハンワイルズ/黒神話:悟空は4Kで遊べるの?

CINEBENCH 2024の結果

 スコアーはMulti Coreが1692ptsで、Single Coreが137pts。同じくCore Ultra 7 265Kを搭載した「Premium Line Z890FD」の過去データ(Multi Coreが1892pts、Sigle Coreが136pts)と比べると、Single Coreは同程度だが、Multi Coreは1割減といったところ。

 その理由はズバリ、電力設定の違いだ。Core Ultra 7 265Kの標準仕様は、プロセッサーのベースパワー(PL1)が125W、最大ターボパワー(PL2)が250W。つまり、短時間の処理であれば最大250Wで動作し、長時間の処理は125Wで動くということ。

 この設定はインテルの推奨値であり、PCメーカーはこれを変更して出荷できる。実際、Premium Line Z890FDでは、PL1が159Wに引き上げられていた。冷却性能が高い水冷クーラーを採用し、長時間の高負荷動作が可能だからこそできる設定だ。

 では、Silent-Master NEO Z890はどうかというと、PL1は125Wのまま。こちらは高性能状態を長く続けることよりも、発熱を抑えて静音性を重視する電力設定になっているということだ。

RTX 5070&265Kで超静かなゲーミングPC、FF14/モンハンワイルズ/黒神話:悟空は4Kで遊べるの?

モニタリングツール「HWiNFO64 Pro」で電力設定を確認すると、PL1は125W、PL2は250Wのままになっていた

 この電力設定はどちらがいいとかではなく、なにを重視するかというポリシーの違い。とはいえ、せっかくPL1=125Wで動かしても、冷却が間に合っていなければ意味がない。

 そこで、Multi Coreテスト実行中のCPU温度をチェックしてみた。PL2動作時こそ瞬間的に100度を超えることがあったものの、PL1動作に入ってからは、80度前後をキープ。余裕を持った安全な範囲で動作していることが確認できた。

RTX 5070&265Kで超静かなゲーミングPC、FF14/モンハンワイルズ/黒神話:悟空は4Kで遊べるの?

Multi Coreテスト終了直前のPL1動作時の様子。CPUのパッケージ温度(CPU Package)は80度前後で安定していた

 なお、テスト時の室温は29.2度と高めだったが、それで80度前後は素直に感心してしまった。しかも、CINEBENCH 2024のMulti Coreテストのように長時間高負荷がかかるシーンは限られている。イマドキは動画エンコードもGPUでアシストしたほうが効率的だし、CPUの全コアがフル稼働させたい作業は減ってきている。

 ゲームはマルチスレッド処理に最適化したタイトルが増えたとはいえ、そう大きな負荷ではない。とはいえ、気になる人もいるだろう。そこで、「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」(以下、FF14ベンチマーク)で検証してみた。解像度はWQHD、画質のプリセットは「最高品質」に設定した。

RTX 5070&265Kで超静かなゲーミングPC、FF14/モンハンワイルズ/黒神話:悟空は4Kで遊べるの?

FF14ベンチマークの結果(解像度:WQHD、画質プリセット:最高品質)

 スコアーは19726で、同じCPUとGPUを搭載したPremium Line Z890FDの過去データ(19737スコアー)とほぼ同じ。このことから、CPUの電力設定の違いによる性能差はほぼないということがわかる。CPUの温度も見てみよう。

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FF14ベンチマーク終了直前のCPU温度

 CPUの温度は最大81度、平均で72度と余裕で安全圏。空冷CPUクーラーでもしっかり冷やせていることがわかった。ついでにビデオカードのGPUの温度も見ておこう。

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FF14ベンチマーク終了直前のGPU温度

 GPUの温度は最大68.9度、平均60.4度と、こちらもかなり余裕がある。独自開発の静音ビデオカードとはいえ、冷却性能はしっかりしており、きっちりGeForce RTX 5070のポテンシャルを引き出せていると言える。

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