アップルは6月26日、欧州連合(EU)のデジタル市場法(DMA)に対応するため、開発者向けのビジネス規約を更新したと発表した。これにより、EUのApp Storeでアプリを配信する開発者は、アプリ内から自社のウェブサイトなどへ利用者を誘導し、デジタル商品やサービスを直接販売できるようになる。
手数料体系も刷新、開発者に新たな選択肢
今回の規約更新により、開発者がアプリ外での購入オプションをユーザーに通知・宣伝する場合、新たなビジネス規約が適用される。これには、アップルが提供する技術やサービスへの対価として設定された「コアテクノロジー手数料(Core Technology Commission、以下CTC)」などが含まれる。この変更は、これまでApp Storeの高い手数料を回避できなかった開発者にとって、新たなビジネスモデルの選択肢となりそうだ。なお、音楽ストリーミングアプリについては、別途用意されたオプションを利用できる。
アップルはさらに、2026年1月1日までにEU域内でのビジネスモデルを単一のものに統合する計画も明らかにした。現在の一部の開発者に適用されているCTFは、将来的にこのCTCへ移行される。移行が完了すると、App Storeだけでなく、ウェブサイトや代替マーケットプレイス経由で販売されるデジタル商品・サービスにもCTCが適用されることになる。移行に関する詳細は後日改めて発表される予定だ。
また、ユーザー体験にも変更が加えられる。次期OSであるiOS 18.6およびiPadOS 18.6からは、EU域内のユーザーが代替マーケットプレイスや開発者のウェブサイトから直接アプリをインストールする際の画面表示などが新しくなる。さらに2025年後半には、アプリ内から別のアプリのダウンロードを開始できる新しいAPIの提供も予定しており、アプリ配信の自由度がさらに高まる見通しだ。
