第10回 SORACOM対応 特選デバイス&ソリューションカタログ

カメラの活用で現場の見える化や自動化をもっと身近に

屋外設置OK 電源なくても大丈夫 常時録画がもっと身近になるソラカメ新製品

大谷イビサ 編集●ASCII

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 手軽に利用できるクラウドカメラサービス「ソラカメ」の新製品として、屋外に設置可能な「ソラコム屋外スターターキット」とソーラーパネルとバッテリをセットした「ソラカメ屋外ソーラーキット」が追加された。都内で行なわれた発表会では、ソラコムの高見氏がソラカメのサービス説明や事例、そして実機も披露された。

「ソラコム屋外スターターキット」と「ソラカメ屋外ソーラーキット」

クラウド常時録画や自動化を手軽に導入 拡がるソラカメの利用例

 2022年5月に発表されたソラコムの「ソラカメ」はWi-Fiにつなぐだけで、すぐにクラウド録画が可能になるカメラサービス。低廉な価格と設置の手軽さから、「現場の見える化ツール」として製造業、建設、物流、小売など、さまざまな業界で活用が拡がっている。

 これまで監視カメラは、「初期投資が高額」「セキュアなでデータ保存環境の整備が必要」「初期設定や操作方法が煩雑」などの課題があった。また防犯を前提とした従来のB2C向けカメラは、モーション検知などで一時的に録画するだけで、録画データもSDに保存されることがほとんど。データを利活用するためには、SDからデータを取得する手間がかかっていた。

 その点、B2B向けサービスとして設計されているソラカメはクラウドへの常時録画が可能で、スマホやタブレッドのみならず、PCからも利用可能。「クラウド常時録画」のみならず、動きや音などの変化を検知した場合に短時間の動画を保存する「クラウドモーション検知“無制限”録画」のライセンスも用意されており、保存期間も7日、14日、30日間から選択できる。

ソラカメ担当のソラコム 高見悠介氏

 ソラカメでは安価なATOM Camを採用することで、数多くのカメラを現場に設置できる。ソラカメ担当のソラコム 高見悠介氏は、「本当は売り場に置きたいのに、今までのカメラはコスト的に金庫や出入り口に置くだけだった。でも、ソラカメなら今までの1台の価格で10台置けるという世界になるので、現場の解像度が上がる。現場に行かなくていいので、生産性も上げられるし、現場を楽にできる」と語る。

 カメラの管理や映像を既存のシステムと連携するためのAPIも用意されているほか、IoTオートメーターである「SORACOM Flux」を活用することで、現場ユーザーが自ら処理の自動化を設計できる。高見氏は、売り場の監視に利用するベイシアやコープさっぽろ、建設現場の監視に利用する大成建設や大林組、工場ラインの見える化に利用する旭鉄工など、さまざまな事例をアピールした。

屋外でも、電源がなくても、「どこでも設置可能」を実現

 今回発表されたソラカメの新製品は、屋外や電源・通信環境の整っていない環境でも利用できる「ソラカメ屋外スタートキット」と「ソラカメ屋外ソーラーキット」の2種類。両者とも2025年7月16日より発売を開始する。

 ソラカメ屋外スタートキットは、フルHDの高解像度カメラのATOM Cam Swingのカメラに加え、防水筐体にルーター、大容量SIM、電源アダプターなどを格納。電源さえあれば、屋外で利用できる。初期費用が3万9600円、月額回線利用料が5500円。「クラウド常時録画」と「クラウドモーション検知“無制限”録画」の月額利用料990円/月~を加えても、他社に比べて低廉なコストを実現しているという。

防水筐体にルーターや電源アダプターなどをまとめて搭載

 もう1つのソラカメ屋外ソーラーキットは、ルーター、大容量SIMに加え、太陽光パネル、バッテリまでをボックスに内蔵(別途ソラカメ対応カメラは必要)。電源がない屋外でもソラカメが使える。こちらは初期費用が28万4570円で、月額回線利用料は5500円。

 機材も25kgなので運搬も容易で、パッケージ化されているため、専門業者に設置を委託する必要もない。太陽光パネルには、大手電機メーカーでの採用も多い諏訪三社電機のソーラーパネル・バッテリを採用。「無日照での常時録画で3日間」という稼働時間と電源供給ユニットの25kgという重さのバランスが開発のキモだったという。

ソーラーキットの電源供給ユニットには大容量バッテリが内蔵され、ソーラーパネルからの給電が可能

 今回の屋外スタートキット、屋外ソーラーキットの登場により、ソラカメの設置バリエーションは大きく拡がる。「『Wi-Fi環境どころか、電源すらない。でも、僻地だからこそ現地に行くのが大変。だからソラカメを設置したい』。そんな顧客の声に応え、どこでもソラカメが使えるようになる」と高見氏はアピールする。

 屋外で電源のない環境での設置が可能になったことで、ユースケースも拡がっている。建設・土木業での進捗管理や資材置き場の管理、製造業・不動産業での屋外設備や監視、商業施設での屋外駐車場の監視、農作物の育成監視、太陽光発電施設などのインフラ、河川・港湾の監視などを想定しているという。

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