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トレンドを埋め尽くした『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』のXポスト数

ジークアクス最終回でつぶやかれた80万ポスト「デカ過ぎんだろ……」「#古谷徹」を押さえて最も多かったワードとは?

2025年06月26日 17時00分更新

文● 中西祥智、若月美和

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Xでは13回の「ゼクノヴァ」が発生!

 『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』への反響は凄まじく、毎週の放送終了後、Xは関連する投稿で埋め尽くされ、Xのトレンドは上から下まで、すべてGQuuuuuuXに関わるキーワードで埋め尽くされた。この爆発力は、もはやXにおける「ゼクノヴァ」と言っていい。

 本編中のゼクノヴァは4回だったが、X上で観測されたのは少なくとも13回。“向こう側”から流れ込んだミノフスキー粒子がXに干渉したのか、“シャロンの薔薇”が言論空間を歪めたのか、ソロモンやア・バオア・クーで失われた質量のうち、”巨大ガンダム”では補填しきれなかった分を埋めるだけのポストが生成されたのか、何を言っているのかはさっぱりわからないだろうが、角川アスキー総研のXトレンド解析システムで、その主な要因を分析してみた。

 上のグラフは、2025年1月1日から本日(6月25日)までの、ジークアクス/GQuuuuuuXというキーワードを含むXのポスト数を集計したものだ。劇場版の公開時に大きな盛り上がりとなったが、アニメ放送開始後はさらにポスト数は増えた。毎週の放送開始後に話題が爆発し、そのポスト数が右肩上がりで増え続け、第11話、そして最終話では、とてつもない数の話題が投稿されることとなった。以下、個々の盛り上がりを見ていこう。

劇場版「Beginning」
庵野監督からの“鶴の恩返し”

 「ガンダムを見に行ったらガンダムが始まった」という、小泉進次郎構文のような感想がネットで流布され、実際に観に行ったらまったくその通りだった劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』。公開された1月17日以降、ジークアクスは大きな話題となり、劇場版は200万人以上を動員し、30億円を超える興行収入を上げる大ヒット作となった。

 劇場版は冒頭から往年のガンダムファンが絶叫する熱い展開となったが、庵野秀明カラー社長によると、その冒頭部分の脚本は自身が手掛けたという。「『ナディア』第1話の原画から長年に渡り作品を助けてくれている鶴巻への『恩返し』」なのだ。

テレビ放送 第1話
開始2カ月後には阿鼻叫喚になる!?

 そして、テレビ放送が始まった4月9日。初回放送からいきなり、Xでは放送翌日に183,140ポストと、1日の投稿数としては劇場版を上回るポスト数を獲得。劇場先行版とは違った構成でスタートしたことのほか、テレビ放送作品ならではのリアルタイム実況の投稿が多く、「緑のおじさん」や「ニャアン」などの関連ワードがトレンドに入った。

 また、ジークアクスの公式アカウントから、ホロライブ所属VTuber・星街すいせいさんの歌う『もうどうなってもいいや』を起用したエンディングテーマのノンクレジット映像が公開。オシャレで楽し気な映像にファンからは高評価の一方で「残念ながらこの作品はガンダムなので、2カ月後には阿鼻叫喚の様相を呈しているであろう……」と、今後の展開に怯えるコメントもあった。

 続く第2話にはシャア・アズナブルが登場。劇場版の冒頭にあたる部分が展開され、初代『機動戦士ガンダム』と同じ効果音を使ったアイキャッチ(しかも、1話だけ使用されたものと2話以降の両方)が、ガンダム世代のおじさま方の琴線に触れた。

 庵野社長のお気に入りシーンとしては、OPのコモリ少尉と、シャリア・ブル中佐の倒れ方だという。

テレビ放送 第4話・第6話・第7話
シイコは1話で退場してよかったのか!?

 第1話に次いで大きな話題となったのは、1日に178,880ポストが投稿された第4話。新キャラとして、シイコ・スガイが登場。「魔女」と恐れられた元エースパイロットで、現在子どももいるお母さんという設定などで、一躍人気キャラに躍り出る。

 本作のアニメーターの描いた、シイコとその子供のイラストが多数リポストされており、シイコの注目度が高かったことがうかがえる。視聴者曰く「1話で退場していいキャラじゃないだろ……」。

 第6話は、「ゲーツ・キャパ」や「サイコガンダム」など『機動戦士Ζガンダム』のキャラが登場し、またBGMもΖガンダムのものが流れたことで、「Ζガンダム」がXトレンド入り。

 第1話を超える、1日に194,578ポストとなった5月21日の第7話では、マチュとニャアンの関係が破綻。EDで描かれた2人の親密な描写との乖離が話題となった。

 なお、変形シーンで『スーパーロボット大戦』シリーズの戦闘曲『モビルスーツ戦 敵機襲来』が流れたことも多く言及された。これも庵野社長のオススメだったらしい。

テレビ放送 第8話・第9話
エヴァ初号機っぽい何かから、正史のあのニュータイプが登場!

 5月28日の第8話には、エヴァンゲリオン初号機そっくりな、ジークアクスの2号機「ジフレド」(GFreD )などが登場して話題になった。そのハンガーもまた、エヴァンゲリオンそのものといった装いだったのだが、庵野社長曰く、「『エヴァンゲリオン』みたいなカットがいくつかありますが、僕はほぼお手伝いしていません。自分の仕業というのは誤解です」とのこと。

 なお、新キャラとしてシロウズが登場したが、キャスト名が伏せられていることなどから、「シロウズ=シャア説」など、正体をめぐる考察が盛り上がる。ちなみにこの日、公式Xアカウントのフォロワーが35万人を突破している。

 そしてXに激震が走ったのが、6月4日の第9話。それまでを上回る231,484ポストが投稿された要因は、ララァ・スンの登場だ。

 Xでは、パラレルワールド設定やループモノを示唆する台詞に考察が盛り上がる。また、ララァ・スンの声優について、本作では羊宮妃那さんが新たに起用されたことについても関心が集まったが、シャアの声が今作では新 祐樹さんであることも併せて、この段階ですでに伏線とみなす向きも多かった。

テレビ放送 第11話
ゼクノヴァの向こうから、ついにあの機体がやってきた

 6月18日の第11話は、もはや破滅的な規模となった。かつては『天空の城ラピュタ』が放映されるたびに、X(旧Twitter)で「バルス!」を一斉に投稿することで、アニメファンは何度も世界を滅ぼしてきた。近年やや落ち着いてきたそれと比べても、375,859ポストという、過去最大級というか、これこそ本当のゼクノヴァというか、そういう規模の投稿数となった。

 本編の内容的には、庵野社長に「あいつら、やりやがった!!」と言わしめた、ぶっ飛んだネタが連続。

 まず、正体を表したシャアが赤い士官服姿になるシーンが、プリキュアのような魔法少女モノの変身バンクそのもので、「魔法少女シャア」などと話題になった。

 そして何より、ラストに宇宙世紀正史の”あの機体”が登場したことで、これまで積み上げてきたものをすべてふっ飛ばした。さらに止めの一撃として、エンディングに、映画『逆襲のシャア』主題歌であるTM NETWORK『BEYOND THE TIME(メビウスの宇宙を越えて)』が流れたことで、ガンダム世代のおじさま方の歓喜と悲鳴と怒号がXに満ち溢れた。その結果、「逆シャア」「TM NETWORK」などの関連ワードが、Xのトレンドを埋め尽くした。

第11話の共起語(ジークアクスという言葉と一緒にポストされた語句)のワードクラウド

 この心揺さぶれる激情は、ジークアクスでガンダムを初めて履修した人にはなかなか伝わらない。誰だ、シリーズ知らなくても見られるとか言ったやつは! 「クソボケガンダムオタクが作った変態アニメなので逆シャアまで全部見てから」見るべきというのは、最大限の褒め言葉でもあるだろう。

テレビ放送 第12話(最終話)
はたして“天パ”は出てくるのか?

 そして、さまざまな考察、予想が積み上がった先にやってきた最終話。6月25日(24日24時29分~)の最終話放送後。Xの投稿数は11話をはるかに更新する827,551ポストという、もはや異次元の領域にまで到達した。角川アスキー総研のXトレンド解析でも、近年見たことがない数字で、システムエラーかと何度も確認することとなったが、もはやあまりにも大き過ぎて、比較も分析も不可能。そりゃあんな巨大な何かも「向こう側」からやってくるわ。

 公式のビジュアルでは、何かモノクロのガンダムがいるというくらいで、何が起きたのかさっぱりわからないが、視聴者も思わず「デカ過ぎんだろ……」と困惑するまさかの展開が繰り広げられた。

 前述のとおり、シャアとララァは今回新たな配役だったのが、ここに来て、池田秀一さん、潘恵子さんという本来の2人の声優が出演。そして、シュウジ=アムロ説など、アムロ・レイ(天才パイロットかつ天然パーマ)の登場も期待されたが、予想もしないかたちで古谷徹さんの声も聞け、レジェンドが3人も並ぶ事態となった。

 公式アカウントからアップされた、鶴巻監督の感謝コメントが多くの反響を集めたが、ほかにも、関わった多くのクリエイターたちが感謝の言葉を並べ、ユーザーからも、スタッフの方々へのお礼、感謝感激の声があふれた。その結果、「ジークアクス(GQuuuuuuX)」とともに最も多くポストされたキーワードは、「シャア」や「マチュ」、「米津玄師」や楽曲名『Plazma』、レジェンド声優3人の名前も多く投稿されたものの、それら抑えて、「スタッフ」が最多となった。なんか、この世界線も悪くないというか、尊い……。

 本作の台本を読んで爆笑したと言われている米津玄師さんからは、最終話放送後、OPテーマ「Plazma」のコラボMVが公開され注目を集めている。なお、MV内には最終話の内容も含まれるため、最終話未視聴ユーザーは注意が必要だ。

 庵野社長からは、最終話を迎えたことに対し、スタッフへ労いと感謝の言葉が送られた。次回作や次々回作に期待ということだが、次は何でしょう? 庵野版『宇宙戦艦ヤマト』、そして『シン・ウルトラセブン』をやってくれますか? でも、ジークアクスの世界線では、まだガルマ・ザビは死んでませんよ!

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