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URLの入力ミス指摘やコピペ禁止も可能「Edge for Business」モバイル版がセキュリティ機能を強化

2025年06月20日 18時35分更新

文● サクラダ 編集●飯島恵里子/ASCII

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 マイクロソフトは6月19日(現地時間)、企業向けセキュアブラウザー「Edge for Business」のモバイル版(iOS/Android)について、そのセキュリティ機能を強化し、モバイルデバイス管理の複雑さを解消するソリューションとして紹介した。

Intune連携でBYODのセキュリティ課題を解決

 今日のビジネス環境では、従業員が個人所有のスマートフォンやタブレットから社内リソースへアクセスすることが常態化している。しかし、IT管理者にとって、多種多様なデバイスにまたがるブラウザーのアクセス管理は複雑さを増すばかりだ。この状況は、管理外のブラウザーを経由した機密データの漏洩リスクを高める要因となっている。

 そこで同社が提案するのが、Edge for Businessと「Microsoft Intune」を組み合わせた、合理化されたセキュアなモバイルブラウジング体験だ。これにより、IT管理者はデスクトップ版のEdge for Businessの管理で使い慣れたツールと同様の方法で、モバイル環境でも一貫したセキュリティポリシーを適用できるようになる。

Edge アプリから管理対象外アプリへのデータのコピー&ペーストなどのデータ共有をブロックし、許可されていないWebサイトへのファイルアップロードを制限する

 Intuneのアプリケーション保護ポリシー(APP)を活用することで、Edge for Businessから管理外のアプリへデータをコピー&ペーストする操作をブロックしたり、許可されていないウェブサイトへのファイルアップロードを制限したりといった制御が可能だ。さらに、印刷やローカルへのファイル保存を無効にし、パスワードやお気に入りといった機密データを暗号化することで、個人所有デバイス上の企業データを厳格に保護する。

ユーザーが誤ったURLを入力した場合、即座にエラーを検知し、正しいサイトへ誘導するか注意を促す

 サイバー攻撃に対する防御機能も強化されている。フィッシング詐欺やマルウェアサイトへのアクセスを未然に防ぐ「Defender SmartScreen」は、マイクロソフトの膨大な脅威インテリジェンスを活用し、危険なサイトにアクセスする前にユーザーへ警告を発する。また、URLの入力ミスを悪用する「タイポスクワッティング」攻撃への対策として、Webサイトのタイプミス保護機能を搭載。ユーザーが誤ったURLを入力した場合、即座にエラーを検知し、正しいサイトへ誘導するか注意を促すことで、意図しない脅威への接触を防ぐ。

バックグラウンドで自動的に暗号化されたトンネルが有効化され、利便性を損なうことなくデータ漏洩のリスクを低減

 加えて、「Microsoft Tunnel for Mobile Application Management(MAM)」との連携により、ユーザーは公衆Wi-Fiのような安全でないネットワーク上でも、手動でVPNを起動することなく社内リソースへ安全にアクセスできる。ユーザーが「Entra ID」でEdge for Businessにサインインすると、バックグラウンドで自動的に暗号化されたトンネルが有効化され、利便性を損なうことなくデータ漏洩のリスクを低減する。

 IT管理者は、企業のポリシーに応じて特定のブラウザー機能を個別に有効化・無効化する、きめ細かな機能制御も可能だ。例えば、モバイル環境ではリスクとなりうる機能を無効にするなど、自社のモバイル戦略に合わせたカスタマイズができる。

 複数人で端末を共有するシナリオにも対応する。「Entra ID」による共有デバイスモード(SDM)を利用すれば、ユーザーは一度サインインするだけで、対応する全てのMicrosoft 365アプリに自動でサインインできる。セッション終了時に一つのアプリからサインアウトすれば、すべてのアプリから一斉にサインアウトされるため、次の利用者へ安全にデバイスを引き継ぐことが可能だ。

 なお、Intuneのデータ保護機能とSDMの利用にはMicrosoft 365 E3ライセンスが、Tunnel VPN for MAMへのアクセスにはMicrosoft Intune Plan 2またはMicrosoft Intune Suiteライセンスが必要となる。Defender SmartScreenとWebサイトのタイプミス保護機能は、すべてのEdgeユーザーが利用できる。

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