業務を変えるkintoneユーザー事例 第264回
重機商工の業務改善の歩みとkintoneコミュニティから得られたもの
あがり症なkintone担当者、あこがれの舞台で「勇気のバトン」をつなぐ
2025年06月04日 09時00分更新
kintoneコミュニティから得られたものは、アプリの作り方でも導入の仕方でもなく…
kintone Cafeに初めて参加した岡田氏が見たのは、参加者が、楽しそうにプレゼンをして、なぜか、kintoneでピアノを弾いたり、ファミコンでkintoneを動かしたりしている姿だ。岡田氏は、「悩んでないでもっと楽しんでもいい」と意識を変えさせられた。
「君はいつkintone hiveに出るの?」とも聞かれた。岡田氏は、適当に「2年後に出ます」と答えるも、本当は人前でプレゼンするなどとは考えてもいなかった。
その後、kintone hiveを見に行き、その中で衝撃を受けたのが、ゆめネット山川氏のプレゼンだったという(参考記事:自己満アプリは使ってもらえない 現場といっしょに作って業務効率化)。山川氏は、「何度、壁にぶつかっても、それを乗り越えてきたこと」を話していた。岡田氏は、同じように業務改善を進めたいと思い、全社展開の参考にするも、同じ舞台に立ちたいとまでは思わなかった。「こんな大きな舞台に立つ人達は、自分とは違う特別な存在」と感じていたからだ。
その後も、岡田氏は、kintone Cafeやkintone Night Nagoyaなど、コミュニティに参加していく。そして、そこで憧れの山川氏に出会う。「山川さんは、業務改善のリーダーとして、どんどん改善を進めていると思っていた。いざ話してみると、私と同じように運用や導入で悩んでいる。その時、kintone hiveに登壇する人たちも、特別な存在ではなく、自分と同じように悩みながらも前に進んでいるのだと気づいた」(岡田氏)
そこから、コミュニティの人達のする活動に挑戦していく岡田氏。Xを始め、noteを書き、プレゼンもするようになった。kintone Cafeの運営にも携わった。「初めて司会をした時には、準備して臨んだものの、台本を読むのに精一杯。仲間に助けながら無事終わらせた。『良かったよ』と言ってもらってほっとした」と振り返る。
そして、2年前、適当に出ますと言ったkintone hiveに岡田氏は登壇した。憧れの山川氏らと同じ舞台に立ったのだ。
「業務改善を伝えるこの場で、なぜこんな話をしているか」と岡田氏。「それは私がkintoneのコミュニティでもらったものが、kintoneアプリの作り方ではなく、導入の仕方でもなく、失敗しても挑戦するという価値観だったから。『kintoneのその先の人たち』が、私に一歩を踏み出す勇気を与えてくれた」と語り掛ける。
岡田氏は、「何かに悩んでいる人はkintone Cafeに来てください。私と手を取り合って前に進んでいきませんか? 2年後に登壇するのはあなたです」とセッションを締めくくった。

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