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FIXER Tech Blog - Azure

Azure VMのWindows OSインプレースアップグレード手順

2025年05月30日 11時00分更新

文● 海野翼/FIXER

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はじめに

 皆さんこんにちは、何だかんだでAzure VMに触れる機会が多い海野(うんの)です。

 ところで、お使いのOSのサポート期限は大丈夫ですか…?

 クライアントPCは大丈夫…? でもサーバーはどうでしょうか…?

 という訳で、今回はAzure VM上のWindows Serverのインプレースアップグレード手順をまとめてみました。

インプレースアップグレードとは?

 インプレースアップグレードとは、コンピュータのシステムをアップグレードする時に、既存の環境やデータを維持したままソフトウェアを更新することを指します。

 例えば、Windows 10から11にアップグレードした時に、「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」設定にチェックを入れた人が多いと思います。

 その手法がインプレースアップグレードです。

 逆に、アップグレードする時に既存の環境やデータを残さない手法がクリーンインストールです。

対象環境

 Windows Server 2016 DatacenterからWindows Server 2019 Datacenterへアップグレードしていきたいと思います。

 今回は、日本語版のWindows ServerがインストールされたVMをVHDからディスクを作成して用意しました。

前提条件

 当たり前ですが、Windows Serverのインストーラーが必要です。

 Microsoft公式サイトもしくはMy Visual Studioからサブスクリプション特典などで入手できます。

 また、アップグレードできるバージョンに注意が必要です。

 参考として、こちらはMicrosoft公式ドキュメントに記載があります(下記はWindows Serverのアップグレード可能なバージョン)。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-server/get-started/upgrade-overview

 例えば、Windows Server 2012 R2からWindows Server 2022にアップグレードする際は、Windows Server 2012 R2 → Windows Server 2016 → Windows Server 2022のように段階を踏まないとアップグレードできません。

 他には、

・対象のVMにリモートデスクトップ接続できること
・C:ドライブの空き容量が最低10GB以上

 ぐらいだと思います。

 最後に一番大事なことを…

 万が一データが消えた際やインストールに失敗した時に復元できるよう「スナップショット」は事前に取っておきましょう!

作業手順

 作業手順にも色々ありますが、今回はWindows Server 2019のイメージファイルをマウントしてアップグレードする方針でいきます。

 まずは、ダウンロードしてきたイメージファイルを右クリックし、[マウント]をクリックします。

 次に、setup.exeをダブルクリックで実行します。

 インストーラーが起動したら、後は画面の通りに進めていくだけです。

 ライセンスキーについては下記リンクのKMSクライアントキーで通します(アップグレード先のエディションのライセンスキーを入力してください)。

https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-server/get-started/kms-client-activation-keys?tabs=server2019%2Cwindows1110ltsc%2Cversion1803%2Cwindows81

 この画面では「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」を選択します。

※クリーンインストールの場合は「何もしない」を選択します。

 設定した内容が合っていること確認して、「インストール」をクリックします!

 Windows Serverのインストールが始まります。

 あとはお茶でも飲みながらお待ちください。

 再起動後は、[ヘルプ] > [ブート診断]から更新状況を確認しましょう。

 ブート診断が無効になっている方は[設定]から「マネージド ストレージ アカウントで有効にする(推奨)」を選択して有効化します。

 有効化してしばらくすると前手順の画面が表示されるはずです。

 アップグレードが完了すると、見慣れた(?)ログイン画面が現れましたね!

 あとはリモートデスクトップ接続等で対象のVMにログインして確認しましょう!

 余談ですが、Azure VM Agent(別途インストール必要)が導入されていれば、[概要]からでもアップグレードされていることが確認できます。

さいごに

 長々と纏めましたが、通常のWindowsのアップグレードと何ら変わらないと思います。

 手順も複雑ではないので、あとはサポート期間や使用しているアプリケーションと調整しながらアップグレードしていくことが大事だと思います。

海野翼/FIXER
2024年度新卒の海野(うんの)です。
買った360mmの水冷CPUクーラーがケースに収まらず急遽新しいケースを買いました。

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