本記事はFIXERが提供する「cloud.config Tech Blog」に掲載された「【⚠お使いのWindowsはサポート終了しました】Azure VMのWindows OSインプレースアップグレードをしよう!」を再編集したものです。
はじめに
皆さんこんにちは、何だかんだでAzure VMに触れる機会が多い海野(うんの)です。
ところで、お使いのOSのサポート期限は大丈夫ですか…?
クライアントPCは大丈夫…? でもサーバーはどうでしょうか…?
という訳で、今回はAzure VM上のWindows Serverのインプレースアップグレード手順をまとめてみました。
インプレースアップグレードとは?
インプレースアップグレードとは、コンピュータのシステムをアップグレードする時に、既存の環境やデータを維持したままソフトウェアを更新することを指します。
例えば、Windows 10から11にアップグレードした時に、「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」設定にチェックを入れた人が多いと思います。
その手法がインプレースアップグレードです。
逆に、アップグレードする時に既存の環境やデータを残さない手法がクリーンインストールです。
対象環境
Windows Server 2016 DatacenterからWindows Server 2019 Datacenterへアップグレードしていきたいと思います。
今回は、日本語版のWindows ServerがインストールされたVMをVHDからディスクを作成して用意しました。
前提条件
当たり前ですが、Windows Serverのインストーラーが必要です。
Microsoft公式サイトもしくはMy Visual Studioからサブスクリプション特典などで入手できます。
また、アップグレードできるバージョンに注意が必要です。
参考として、こちらはMicrosoft公式ドキュメントに記載があります(下記はWindows Serverのアップグレード可能なバージョン)。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-server/get-started/upgrade-overview
例えば、Windows Server 2012 R2からWindows Server 2022にアップグレードする際は、Windows Server 2012 R2 → Windows Server 2016 → Windows Server 2022のように段階を踏まないとアップグレードできません。
他には、
・対象のVMにリモートデスクトップ接続できること
・C:ドライブの空き容量が最低10GB以上
ぐらいだと思います。
最後に一番大事なことを…
万が一データが消えた際やインストールに失敗した時に復元できるよう「スナップショット」は事前に取っておきましょう!
作業手順
作業手順にも色々ありますが、今回はWindows Server 2019のイメージファイルをマウントしてアップグレードする方針でいきます。
まずは、ダウンロードしてきたイメージファイルを右クリックし、[マウント]をクリックします。
次に、setup.exeをダブルクリックで実行します。
インストーラーが起動したら、後は画面の通りに進めていくだけです。
ライセンスキーについては下記リンクのKMSクライアントキーで通します(アップグレード先のエディションのライセンスキーを入力してください)。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-server/get-started/kms-client-activation-keys?tabs=server2019%2Cwindows1110ltsc%2Cversion1803%2Cwindows81
この画面では「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」を選択します。
※クリーンインストールの場合は「何もしない」を選択します。
設定した内容が合っていること確認して、「インストール」をクリックします!
Windows Serverのインストールが始まります。
あとはお茶でも飲みながらお待ちください。
再起動後は、[ヘルプ] > [ブート診断]から更新状況を確認しましょう。
ブート診断が無効になっている方は[設定]から「マネージド ストレージ アカウントで有効にする(推奨)」を選択して有効化します。
有効化してしばらくすると前手順の画面が表示されるはずです。
アップグレードが完了すると、見慣れた(?)ログイン画面が現れましたね!
あとはリモートデスクトップ接続等で対象のVMにログインして確認しましょう!
余談ですが、Azure VM Agent(別途インストール必要)が導入されていれば、[概要]からでもアップグレードされていることが確認できます。
さいごに
長々と纏めましたが、通常のWindowsのアップグレードと何ら変わらないと思います。
手順も複雑ではないので、あとはサポート期間や使用しているアプリケーションと調整しながらアップグレードしていくことが大事だと思います。
海野翼/FIXER
2024年度新卒の海野(うんの)です。
買った360mmの水冷CPUクーラーがケースに収まらず急遽新しいケースを買いました。


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