トヨタは今日21日、新型「RAV4」のワールドプレミアを開催した。1994年に誕生し、クロスオーバーSUVのパイオニアとして、世界中で愛されてきたRAV4の6代目がお披露目された。日本はもちろん、海外で売れまくっている車種だけに、注目度は高そうだ。なお、日本での発売は2025年度以内で価格と詳細なスペックは未定。
パイオニアからグローバルカーへ成長
初代RAV4はフレーム付き4WDとは一線を画す、乗用車タイプのクロスオーバーSUVとして新たな市場を開拓。以来、世界180を超える国と地域で年間100万台以上、累計1500万台以上を販売するグローバルカーへと成長した。今回の新型は「Life is an Adventure」を開発コンセプトに、誰もがアクティブな生活を楽しめる相棒を目指したと、プレゼンテーションを行なったトヨタ自動車 取締役・執行委員 Chief Branding Officer デザイン領域統括部長のサイモン・ハンフリーズ氏は語った。
電動化を牽引するパワートレーン
新型RAV4はPHEVとHEVをラインアップする。特にPHEVには、トヨタ初となる最新の第6世代ハイブリッドシステムをベースにした新開発のシステムを採用。フロントアクスルへのシリコンカーバイド半導体採用などにより小型・高効率化を実現し、電池の大容量化でEV航続距離は従来の95kmから約1.5倍となる150km(開発目標値)まで延伸した。
また、DC急速充電を新規追加し、約30分で満充電の80%まで充電が可能となったほか、V2H(クルマから家電への充電)にも対応する。駆動モーター出力も約12%増強され、気持ち良い走りを実現しているという。また、3500ポンド(約1600kg)の牽引能力を有するので、アウトドアでトレーラーを牽引できるかもしれない。
進化したデザインとアウトドアを意識した多様なスタイル
デザインは「Big Foot」「Life-up」「Utility」をポイントとし、「どこへでも行けそう」なRAV4らしさを表現。使いやすさを追求したインテリアには、インストルメントパネルの低配置による良好な視界や、ラゲージ容量が749Lに拡大された点などが挙げられる。
新型RAV4は「CORE」「ADVENTURE」「GR SPORT」の3つのスタイルをラインナップする。特にGR SPORTは、TOYOTA GAZOO Racingがモータースポーツで得た知見を活かした機能美を追求し、足回りのチューニングやボディー剛性強化によりスポーティーな走りが楽しめるという。最大出力は、PHEVシステムとの組み合わせで320馬力を発揮する。
SDV(Software Defined Vehicle)への第一号
新型RAV4には、ウーブン・バイ・トヨタ(トヨタの子会社でプラットフォームの研究開発などを行なう会社)が開発を進めるソフトウェアづくりプラットフォーム「Arene(アリーン)」がトヨタとして初めて採用される。
Areneの採用によりSDV(Software-Defined Vehicle)開発が本格化するようだ。トヨタのSDVの最大の目的は「交通事故ゼロ」の未来を実現することであり、新型RAV4はAreneによって新世代マルチメディアや最新のToyota Safety Sense(TSS、ドライバー異常時対応システムの改良、急加速抑制の追加など)を実現した。
今後、Areneを通じてソフトウェアアップデートによる安全・安心技術の継続的な進化を目指す。世界中で販売されるRAV4へのArene初採用は、多様な走行データを収集・分析し、ソフトウェアを継続的に改善していく上で大きな意義を持つとしている。
Areneで使われるAIやOSはすべてトヨタの独自開発で、まだ未定ではあるものの、通信費は最初の何年かは無料、のようなプランを用意するかもしれないと担当者は話した。
新型RAV4ファミリーは、人生という冒険をさらに楽しいものにする存在として、今後の展開が期待される。

































