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「World App 4.0」でWorld IDが大幅な機能の進化

「“虹彩”用いた本人認証」を支払いにも、出会いにも活用。それがWorld IDの提案

2025年05月02日 11時00分更新

文● 貝塚/TECH.ASCII.jp

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虹彩認証を活用したプラットフォーム・World IDが大幅な刷新を遂げた

AIと人を見分けることの必要性

 虹彩認証を活用して、匿名のまま本人性と実在性を認証するソリューション・World IDをコアとしたプロジェクト・Worldから「World App 4.0」がリリースされた。

 この新しいアップデートは、金融、ゲーム、SNS、支払い、認証といったさまざまなデジタル体験を統合し、私たちの生活をデジタルで変革しようとする構想を含んだものだ。

 発表にあたっては、プロジェクトを主導するTools For Humanityの共同設立者であるアレックス・ブラニア氏、サム・アルトマン氏らが登壇し、プロジェクトにかける思いを語った。

「AIの時代において、認証された人間を識別するためには、“AIによって作られたコンテンツ”と“人間が作ったコンテンツ”を区別できる方法が必要です。インターネット上に多くのコンテンツが溢れる世界で、“人間が特別で中心的な存在であり続けること”に、確実性を持たせたいと、私たちは考えたのです。

(中略)その可能性を模索した私たちは、ソーシャルサービスのアイデアを取り入れ、問題解決の方法を発見し、プライバシーを守るための新しいアイデアを生み出しました。(中略)この仕組みがうまくいけば、非常に重要なインフラとなり、政府や多くの企業にとっても不可欠なものになると信じています」(アレックス・ブラニア氏)

World IDとは?

 World IDは、ブロックチェーン技術を活用して「この人間は実在するユニークな個人である」ことを証明する、自己主権型のデジタルIDである。

 虹彩(こうさい:目の中に入る光を調整する部分。一人一人異なるパターンを持つ)のスキャンによって一度だけ登録され、その証明をもとに、匿名のまま本人性を保証できる。この「証明された人間性(Proof of Personhood)」により、ボット排除、公平な報酬分配、投票システムの正当性担保など、多様な応用が可能になるとしている。

アイデンティティと金融の融合

 今回明かされたWorld App 4.0の機能を紹介していこう。

 ウォレット機能を通じた、個人認証機能と金融サービスの一体化は、その中のひとつだ。

 ステーブルコイン(暗号通貨)を発行する「Circle」との提携により、ステーブルコインの管理が可能となり、世界中どこでも通貨の管理や送金を手軽に行える。

 さらに決済プラットフォーム「Stripe」との提携により、オンラインでの支払いがワンタップで可能に。Visaとの提携も発表され、150以上の国と地域で「World Card」を使った買い物ができるようになった。

 QRコード決済にも対応し、実店舗での支払いもスムーズに行える。また、Visaとの提携に際しては、物理カードの発行も予定されており、QRコードでの決済に対応しない小売店でも、ウォレット機能に紐づいた金融資産を用いた決済が可能だ。

Visaとの提携に際しては、物理カードの発行も予定されている

 ユーザーはアプリ内で資産の管理や融資の手続きなどは、ミニアプリ(アプリ内で使えるマイクロサービス)によって、World App 4.0から直接行えるようになる。

 つまり、World App 4.0のウォレット機能を使えば、デジタルで連携できるさまざまな決済方法を一元的に管理でき、それぞれの口座やカード情報に直接アクセスせず、対応する店舗やサービスでの支払いが可能になる。

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