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テックブログ執筆からつながった専門誌での執筆! その裏側は?〔FIXERはたらくひと図鑑〕

2025年04月30日 10時00分更新

文● FIXER広報

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 みなさんこんにちは!

 社内のはたらくひとにフォーカスする企画
✨はたらくひと図鑑インタビュー✨

 今回は特別企画として、日経ソフトウエアに寄稿記事を書いた三重部門サービス開発領域の髙江洲(たかえす)さんにお話を伺いました!

 記事を寄稿するきっかけや記事の内容、執筆についてなどお聞きしてきました!
 ぜひぜひご覧ください〜!

【 髙江洲さんが寄稿した雑誌はこちら!】

表紙にもしっかり寄稿記事タイトルが記載されています!すごい!!

雑誌名: 日経ソフトウエア 3月24日発売(2025年5月号)
寄稿記事名: -ホップフィールドネットワーク-
ノーベル物理学賞の理論を自分で試そう! -複数の画像を記憶し、思い出せるプログラムを作る-

今回テーマとなっているホップフィールドワークとは…

👩‍💻 教えてGaiXer!! 👩‍💻
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ホップフィールドネットワークは、パターンを記憶して、不完全な入力から完全なパターンを想起できる、一種のニューラルネットワークです。ノードと接続の重みから構成され、エネルギー関数を最小化することで、記憶されたパターンを想起します。利点としては、アソシアティブメモリ、ノイズ耐性、実装の容易さなどがあります。欠点としては、記憶容量の制限、学習の難しさ、パターン間の干渉などがあります。

Q1:自己紹介をお願いします!

プロフィールはこちらです♪

――担当している業務や業務内容を教えてください!

髙江洲:
三重部門サービス開発領域で、自治体向けのLINEのシステム開発・サービス運用を担当しています。

業務内容としては、システムエンジニアとして、お客様からの「こういう仕様にしたい」とご要望いただいたものをシステム構築し実装したり、お問い合わせに対応したりしています。

――ありがとうございます☺️これまでのご経歴など教えてください!

髙江洲:
23年入社なので社歴は今年で3年目になりますね。
入社時からずっと四日市事業所に所属しています。

沖縄工業高等専門学校(沖縄高専)出身で、高専時代は進化シミュレーションを研究していました。

👩‍💻 教えてGaiXer!! 👩‍💻
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【 進化シミュレーションとは?? 】

進化シミュレーションとは、コンピュータプログラムを用いて、生物の進化を模倣するものです。生物の進化は、遺伝子の変異、自然選択、遺伝的浮動などの複雑なプロセスによって起こります。進化シミュレーションは、これらのプロセスをモデル化することで、進化のメカニズムを理解し、予測するためのツールとして用いられます。

さらに詳しく言うと、生物の擬態のシミュレーションを研究していました。

――擬態というと、敵から身を守るために体が葉っぱの模様に見える、とか…?

髙江洲:
そうそう!それです🤓
その研究の中で、今回寄稿したホップフィールドネットワークについても学習しました。

――なるほど!高専時代の研究テーマが今回の記事に繋がっていたんですね。
FIXERの入社のきっかけや入社の決め手などはあったんですか?

髙江洲:
FIXERは高専の先生の紹介で知りました。
そこから自分でも調べて、生成AI事業に力を入れているところに魅力を感じました。時勢的にも話題になっていたのもあって、「なんかかっこいいな!」って 笑

――結構直感的だったんですね☺️ 一緒に働くチームはどんな雰囲気ですか?

髙江洲:
一緒に働いているチームは6名です。
同期が中心になって和気あいあいとした空気でやっていると思います🤓

――みなさんが作業されている部屋、部分的にガラス張りなので通りすがりに見えるんですけど、PCに向かって黙々と作業されている時もあれば、お一人のPCの前に集まってなにやら相談している時もあって、なんだかその和気あいあいとした中で良いコミュニケーションをされているんだな、って空気感伝わってきてます☺️

髙江洲:
みんな技術力が高いので、そこは置いていかれないようにといいますか、クリアできることを増やせるよう自分でも頑張っています。

――和気あいあいとしながらも切磋琢磨できる環境なんですね!では、お仕事の楽しさややりがいはどんなことがありますか?

髙江洲:
要望いただいたものや、目的にきちんと合ったものが作り上げられると達成感を感じますし、楽しいですね。お客様の要望で無理そうに感じても、それをクリアできると嬉しいです。

――なるほど!お客様の顔が見え、直接お問い合わせや要望を聞いて開発や対応をするというサービス開発チームならではですね!

チームのお話をされている時の笑顔の高江洲さん

Q2:寄稿のきっかけは?

――改めて寄稿した記事のテーマや内容について教えてください!

髙江洲:
 記事の内容としては、ホップフィールドネットワークという機械学習の1種を C言語でプログラミング作成し、その実装についての記事を書かせていただきました。

――どのような経緯で記事を寄稿することになったのですか?

髙江洲:
tech blogにホップフィールドネットワークの記事を投稿していて、それを編集者の方が読んで興味を持ってくださり、お声がけいただいた、という経緯になります。

――tech blogがきっかけだったんですね!

髙江洲:
23年12月にアドベントカレンダーというblogの企画があり、この企画の1つとして投稿しました。
同期のメンバーと自然発生的に「俺も書くからみんなでやろうぜ」みたいな感じのノリで 笑

――いいノリですね☺️ではそこからすぐお声がかかって執筆が始まったんですか?

髙江洲:
お声がけいただいたのはそれからしばらくして、夏前くらいでした。
そこから執筆がスタートして、昨年24年の12月に最終原稿を提出しました。

――そうなんですね。寄稿の依頼を受けた時はどんな気持ちでしたか?

髙江洲:
びっくりしましたね。
正直、記事についてはあまり上等なものではないと思っていたので、、、テーマ自体が珍しかったのでお声がけいただけたのかな、と 笑

寄稿のお声がけいただいた時を思い出して謙遜気味です

――自信持ってください!プロの編集者の方の目に止まったんですからすごいことですよ!Tech blogに投稿したその翌年、24年にホップフィールドネットワークの生みの親であるホップフィールド博士がノーベル物理学賞を受賞されましたよね!

髙江洲:
そうですね。びっくりしました 笑

――ノーベル賞で話題になる前にブログを書いているっていう、タイミングがすごいですね!寄稿依頼があった時すぐに「書きます!」ってお返事されたんですか?

髙江洲:
正直ですね…
自信ないな、って思う部分もありました。
反面、もうこんな機会はないかもしれないという思いもあって…
同期のメンバーに「こういう話がきてるんだけどどう思う」って聞いてみたりして…

――同期のみなさんはどんな反応されたんですか?

髙江洲:
みんなに「やりなよ」と背中を押してもらえました。
というか、上から横から「やるんだろ」っていう圧力といいますか…

--えぇ~~ 笑

髙江洲:
まあ、さすがに圧力は冗談ですけど 笑
自分の意思で「やってみよう!」と書くことにしました。

――みなさんの適度な後押しがあったからこそ、ですね!笑

Q3:寄稿した記事について

――そもそもなぜこのテーマで、寄稿のきっかけになったtech blogを投稿しようと思ったんですか?

髙江洲:
ホップフィールドネットワークとは、簡単にいうと、機械学習の1種で、特徴として、パターンや特徴を記憶することに特化しています。

高専の時に研究していた生物の擬態のシミュレーションの研究で、機械学習を使いたかったので、いろいろ調べる中でホップフィールドネットワークに出会いました。機械学習をメインで研究しているわけではなかったので、あくまで研究の手段の一つ、という感じですね。

――ふむふむ。それがどうしてblogに?

髙江洲:
プログラム自体は研究時に作っていましたが、実際に動かしてはいませんでした。
それで、blogのテーマを考えているときに、ふと、このプログラムを使って実際に画像記憶させたらどうなるかな?と技術的な興味がわいたので、じゃあこれでblogを書いてみよう、となりました。

――なるほど!実際の寄稿記事を読ませていただいたんですが、blogよりさらに詳しく技術的な解説が入っているな、という印象を受けたのですが、執筆時に工夫したことや苦労したことなどエピソードを教えてください!

髙江洲:
実は今回、画像の記憶がうまくいかなかったんです…

当時の苦い記憶が…

――え?!そうだったんですか?

髙江洲:
tech blogに投稿した記事は、画像記憶に失敗しまくった画像に手を加えて、全部成功するようなニュアンスで書いていました。失敗の過程などはあえて書かなかった、という感じです。

今回の記事では、検証用の画像は出版の関係で権利などさまざまな配慮が必要だったので、編集者の方が用意してくださった画像を使いました。
この画像が、人の目では似ていなくても、プログラムでは似ている、という判定になってしまって…

画像を記憶させて失敗した時は、うまくいかない、どうしようって正直、かなり焦りました。
どうにか上手くできないかいろいろやってみました。1日は粘りましたね。
でも粘っても良い結果にならない、それなら、これがホップフィールドネットワークだしな、と思考を変えて、あえて失敗するっていうことも正直に書きました。

――blogではこういう過程を踏んでこういう結果になりますよ、という一連の流れの説明のような感じだったのが、寄稿記事では、画像によってさまざまな結果が得られるのがホップフィールドネットワークだと、丁寧に検証と解説をされた、と。

髙江洲:
そうですね。

――こういった書き方は編集者の方から何かしら意向があってのことですか?

髙江洲:
いえ、僕の判断です。
いただいた画像に手を加えてしまうわけにもいかないし、自分でコントロールが効かなかったので、それならどうするか、と考えての判断でした。

――編集者の方とはどのようにコミュニケーションを取られたんですか?

髙江洲:
画像が似てるとこういう風に失敗するんですよと説明しまして、一応何回かその確認ややり取りしました。編集者の方にもプログラミングを動かす方法を共有していたので、おそらく何回か画像を変えて違うパターンで試してみてくださってもいましたね。

なので、寄稿記事で工夫したところは…できるだけ柔らかい言葉で「失敗することもある」と書くように頑張りました 笑

――うまくいかないとそこに囚われてしまいますけど、そこはしっかりと切り替えられたんすね🙂‍

Q4:これからのこと

――執筆を通して得られた経験や学びは何かありましたか?

髙江洲:
やはり画像記憶が上手くいかなかったことが今回はかなり大きい出来事だったので、こういう想定外の失敗や上手くいかない時に臨機応変に思考を変化させて、じゃあどうするかを考えて判断する、という経験は今後に生きてくるのではないかな、と思っています。

――自分で判断してどうやれば良い方向に導けるか、大事ですね!
記事はどんな方に特に読んで欲しい、などありますか?

髙江洲:
機械学習に興味のある方にはもちろんですが、僕の記事を読んで機械学習に興味をもってもらえたら嬉しいですね。

理論的にはホップフィールドワークはかなりシンプルな方法で、そんなに難しくはないので、記事を読んで実際に自分で実装とか試してもらえたらな、と思います。

――そんなに難しくないんですか…??髙江洲さんは理論をしっかり学ばれてコード書かれてすごいな、って思います😳

髙江洲:
オープンソースとか、ライブラリーでコードが公開されているので、そういう意味ではわざわざ自前で理論を勉強しなくても実装したり試せる、ってことですね 笑

――理論までしっかり、っていうのは普通の人でもできるんですか?

髙江洲:
できる人はそんなに多くないと思います 笑

――できちゃう人が目の前に!やっぱりすごいことじゃないですか!!

髙江洲:

――次に執筆依頼が来たらどんな テーマで書いてみたい、などはありますか?

髙江洲:
ホップフィールド関連ではないんですけど、似たものにボルツマンマシン、というものがあるので、自分で勉強して作りたいな、と考えています。

👩‍💻 教えてGaiXer!! 👩‍💻
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【 ボルツマンマシンとは?? 】

ボルツマンマシンは、統計力学の概念に基づいた確率的ニューラルネットワークです。各ノードは確率的に活性化し、ネットワークの状態はエネルギー関数によって定義されます。ノードの活性化確率はボルツマン分布によって決定され、エネルギー関数と温度パラメータを用いて計算されます。ボルツマンマシンは、データからエネルギー関数を学習し、パターン認識、組合せ最適化、データ生成、特徴学習などのタスクに使用されます。制限ボルツマンマシン(RBM)や深層ボルツマンマシン(DBM)など、さまざまな種類があります。ボルツマンマシンは柔軟性と表現力に優れていますが、学習の難しさや局所的最小値の問題など、欠点も存在します。

――それも理論からですね!楽しみにしています☺️

たっぷり14ページの記事です!!ぜひご覧ください!

【掲載雑誌の詳細はこちら! 】

たっぷり14ページの寄稿記事です👏
ぜひみなさん本誌をご覧ください☺️!!

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余談

――執筆で印象に残っていること何かありますか?

髙江洲:
文章自体書くのは少し苦手意識があったので、今回の執筆はかなり頑張りました。論文を書いた時以来の頑張りかもしれません 笑 ちょっとGaiXerに手伝ってもらいながらですけど。

――GaiXerはどんな活用をしたんですか?

髙江洲:
まず自分の書きたいことや伝えたいことを箇条書きにして、それをGaiXerに整えてもらいました。そこからちゃんと記事になるように、修正したり膨らませたりしました。最終的には自分の言葉や表現になるように調整しましたが、初期の構成の段階ではかなり助けられました。

――なるほど!社内でも2025年はみんな活発に使っていって、自分たちから業務改善していこう!とういうスローガンなので、まさにそれを体現してますね👏

――最後に――

今回のインタビューを通じて、技術のアウトプットが新しいチャレンジや可能性をもっていることを改めて実感しました☺️

専門誌への寄稿は髙江洲さんの技術力の高さだけでなく、その裏にある日々の努力などの頑張りが身を結んだ成果ですね!みなさんも自分のスキルを信じて磨いて新しい一歩に繋げていきましょう!

改めまして、インタビューにご協力くださった髙江洲さん、ありがとうございました!

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