世界最大級のアニメの祭典「AnimeJapan 2025」が3月22、23日の2日間、東京ビッグサイトでパブリックデーが開催された。新作アニメの最新情報やキャスト登壇によるトークステージ、人気キャラクターとの触れ合いなど、アニメファン感涙のコンテンツ満載の会場の様子をお届けしよう。
無限城の一部を模した鬼滅の刃ブースは圧巻だった
作品を追体験するコンテンツやド迫力のサイネージ展示
ネットによる情報発信、映像配信が当たり前になった現在。アニメの最新情報も日々発信され、新作情報や最新映像などは手軽に取得できるようになった。
それではAnimeJapanのようなイベントには何を求めて来場するのだろうか。それはやはり好きな作品との触れ合いやネットでは得られない臨場感や体験コンテンツなどなのであろう。ここでは工夫をこらしたブース展示を紹介する。
今回最も作り込みをしていたのは、7月から最終章である無限城編が劇場公開される『鬼滅の刃』。単独ブースを設置し、無限城の一部を再現するような造りで展示を行っていた。またアニメ制作を担当しているユーフォーテーブルブースでは、柱による稽古を体験できるコンテンツが用意されていた。
ブース内は登場キャラクターが迫力あるサイズで紹介されている
炭治郎の等身大フィギュアなどもあり、まさに無限城内にいるかのよう
今回アニプレックスブース付近ではスマホアプリを使ったARフォトスポットを展開。アプリでは特別なボイスやモーションを視聴できるほか、ARによる炭治郎と写真撮影ができるようになっていた。
ユーフォーテーブルブースは「タイケン!鬼滅の刃」と銘打ち、5つの体験コンテンツ「伊之助の穴もぐり」「密璃と腕ずもう対決」「岩柱の岩押し稽古」「紙ヒコーキ飛ばしあい競争」「ひょうたん風船を膨らませ」を提供。
「岩柱の岩押し稽古」では巨大な岩を押して動かす修行を再現
「紙ヒコーキ飛ばしあい競争」は柱稽古編第四話を再現
毎年大型化し、迫力ある映像を配信しているサイネージは、その大きさもさることながら横に長くすることで視界の隅々までアニメ映像であふれる演出をしていることが多かった。また、臨場感を高める工夫やプロジェクターを使った展示をしているブースもあった。
東映アニメーションブースのサイネージ。スクリーンXとして3画面分割映像も流せる。右側にいるのは『ONE PIECE』のベガパンク
KADOKAWAブースはイベント限定衣装のキャラクタースタンディの後ろの映像で作品を紹介
「Fate/Grand Order」ブースはブース内ステージの背景にスクリーンX配信ができるサイネージを展示
KADOKAWAブース『Re:ゼロから始める異世界生活』の展示は水門都市プリステラの噴水上に映像が浮かぶ
映像部分を大きく撮ってみた。上からのミストに、後ろからプロジェクターで映像を投影しており、正面から見ると映像が浮かんでいるように見える仕掛けになっている
TOHOアニメーションのミニシアターは270度を映像で囲まれた中央の座席で視聴するため迫力の映像が楽しめる
KADOKAWAブース『メダリスト』紹介コーナーでは、同様の270度3画面映像とスタンディで作品を紹介
トムス・エンタテインメント/セガ フェイブブースではタッチパネルでインタラクティブな展示を実施
タッチすると設定資料や映像を見ることができる
造形物から、アニメ制作の息づかいが感じられる展示まで
さまざまな表現が楽しめる
AnimeJapanでの展示は、その作品の世界観に合わせたものが多い。2次元の世界を飛び出したそうした展示を見られるのはAnimeJapanを訪れる動機の1つになるだろう。ここでは目に止まった展示を紹介する。
MBSブースの『ダンダダン』の展示は、第1期最終回に登場したお札の貼られた密室
壁にも床にも天井にもびっしりとお札が貼られている
部屋の端の出口につながる通路からの一枚。入り口からこの通路が見えにくいこと、床にお札が貼られていることもあり、しばらく待ってみたが誰もこちらに歩いて来ない(笑)
東映アニメーションブースの上空には巨大なルフィ ギア5バルーン
引きで撮るとその大きさがよくわかる
ヤンマーが製作・プロデュースする春アニメ『未ル わたしのみらい』のブースには痛車ならぬ痛トラクターを展示
バンダイナムコブースは先日開催された「GUNDAM NEXT FUTURE FINAL in TOKYO」でも展示の実物大ガンダム ジークアクスヘッドがお出迎え
サテライトブースでは河森正治さんがプロデュースする大阪・関西万博で販売予定の「空飛ぶミャクミャクコレクション」の原型を展示。背中にコクピットがあり可変するミャクミャク
ディズニープラスブースの『キャッツ❤アイ』巨大キャッツカード
TOHOアニメーションブースの『SPY×FAMILY』紹介はおめかしアーニャのスタンディ
『薬屋のひとりごと』展示は作品中の「選択の廟」を再現。残念ながら扉は選べない
ブシロードブースでは迫力の巨大モーティス人形を中心に『BanG Dream! Ave Mujica』を紹介
フライングドッグブースは『マクロスF』に全振り。大きなぬいぐるみを持って撮影できるフォトスポットを設置したほか、アルト、ランカ、シェリルのバースデーケーキも展示していた
コミックス・ウェーブブースの「美峰 美術背景展」。ガンダムWや進撃の巨人、攻殻機動隊などの微細な美術原画が展示されていた
葦プロブースでは原画を展示。完成された作品についてだけではなく、制作の裏側を見ることができるのもAnimeJapanのいいところ
ytvanimationブースには春アニメ『あらいぐま カルカル団』のキャラクターを画伯たちが描いたイラストで紹介。左から阿座上洋平画伯、小野賢章画伯、榎木淳弥画伯、八代拓画伯、津田健次郎画伯
AnimeJapanといえばもちろんアニメ最新情報を知るイベントであり、この場でお披露目となる情報も多い。最後に新情報や新ビジュアルが発表された作品を少し紹介しよう。
アニプレックスブース『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』紹介コーナー。スペシャルステージでは7月からの放送が決定したこと、追加キャストに小原好美さん、石見舞菜香さんが決定したことが発表された
作品単独でブースを展開した『魔法少女まどか☆マギカ』は『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』キービジュアル第1弾を公開。公開時期は2025年冬公開予定のまま。ブースでは魔法少女2人と写真が撮れる「魔法少女 3Dフォトスポット」も実施している
アニメ情報はネットが断然早い。AnimeJapanのステージも映像配信されるなど、自宅いながら多くの情報を楽しむことができるが、来場したからこそ楽しめるコンテンツはたくさんあり、アニメ好きならその場の空気を楽しめる工夫が多数見られた。次の機会には参加する楽しみを味わうアニメファンが増えることを期待している。