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島根県知事と出雲市長もお披露目に登壇です

島根富士通がパソコン累計5000万台出荷式典で「組子細工」の記念ノートPCを公開

2025年02月14日 06時00分更新

文● みやのプロ(@E_Minazou) 編集● ASCII

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 島根富士通は2月13日に、創業以来のパソコン累計生産台数が5000万台に達したと発表。記念式典には丸山達也・島根県知事、飯塚俊之・出雲市長も登壇し、5000万台記念モデルの序幕を行なった。

島根富士通。工場社屋

左から、飯塚俊之・出雲市長、島根富士通・神門明氏、FCCL社長・大隈健史氏、丸山達也・島根県知事、

 島根富士通は富士通クライアントコンピューティング(FCCL)の子会社で、FMVシリーズを国内で生産する拠点である。

 創業は1990年で、出雲市の結(むすび)工業団地に新社屋を建設。1991年には、なつかしの「FM-TOWNS」の生産開始を開始し、竹下首相が訪問。

 2001年には、PCの組み立てラインに加え、プリント基板の生産を開始。2006年には夏休みの行事として好評の「パソコン組み立て教室」が始まった。

 2008年には現在と同じ仕組みの、組み立てから梱包までの「一気通貫」ラインが完成し、2011年には「出雲モデル」初号機が出荷された。2015年には第6回ものずくり日本大賞を受賞している。

 現在、FCCLのビジネスモデルはすべて島根富士通で生産されており、高い信頼性と短いリードタイム、柔軟なカスタマイズを実現している。

FCCL社長・大隈健史氏

 コンシューマーモデルでは、世界最軽量でおなじみの「FMV Zero」をはじめとするUシリーズ、最新のZ世代向けモバイルノート「FMV Note C」など、高密度製品は島根富士通が生産している。

 島根富士通代表取締役社長の神門明氏は、FCCLとの綿密な連携と、島根県や出雲市、地元企業との協力によって、5000万台出荷が実現したと述べ、感謝と今後の展望について述べた。

 島根富士通の玄関ロビーには、歴代の記念モデルが展示されている。

1994年:50万台記念
GOLDデスクトップ
「FMV466D2E」
SO:Windows3.1
CPU:66MHz
メインメモリー:4MB
ストレージ:340MB

1995年:100万台記念
8.5型ノート
「FMV-BIBLO475NL/S」
OS:Windows95
CPU:75MHz
メインメモリー:8MB
ストレージ:810MB
重量:2.2kg

1998年:300万台記念モデル
MMW Pentium搭載12.1型ノート
「FMV-BIBLO NEⅦ23」
OS:Windows95
CPU:233MHz
メインメモリー:64MB
ストレージ:3.2GB
重量:3.2kg

2000年:500万台記念モデル
14.1インチノート
「FMV-BIBLO NE4/500」
OS:Windows98
CPU:500MHz
メインメモリー:64MB
ストレージ:12GB
重量:3.2kg

2003年:1000万台記念モデル
GOLD仕様14.1インチノート
「FMV-BIBLO NB18D/F」
OS:WindowsXP
CPU:1.8GHz
メインメモリー:256MB
ストレージ:40GB
重量:3.5kg

2008年:2000万台記念モデル
イタリアンレッド塗装12.1型ワイドノート
(限定222台販売)
「FMV-BIBLO LOOX R70Y」
OS:Windows Vista
CPU:1.2GHz
メインメモリー:1GB
ストレージ:120GB
重量:1.18kg

2013年:3000万台記念モデル
マジョーラカラー塗装14型ワイドノート
「FMV-LIFEBOOK UH90L」
OS:Windows8
CPU:1.6GHz
メインメモリー:4GB
ストレージ:500GB
重量:1.39kg

2019年:4000万台記念モデル
八雲塗宍道湖夕日デザイン13.3型ワイドノート
「FMV-LIFEBOOK UX-X/C3」
OS:Windows10
CPU:1.8GHz
メインメモリー:8GB
ストレージ:500GB SSD
重量:698g

 そして、今回、パソコン生産累計5000万代達成の記念モデルは、島根県の名産「組子細工」ノートPCだ。

 天板の組子細工は、舟木木工所の舟木清氏が制作た一点もので、最小1ミリ幅の天然木を組み合わせたもの。製作期間は2カ月以上という。

2025年:5000万台記念モデル
組子細工採用13.3型ワイドノートPC
「FMV-WC1-K1」Note C
OS:Windows11
CPU:CoreUltra 5 134U
メインメモリー:8GB
ストレージ:256GB SSD
重量:1187g

 デザインは、2匹の龍が右上に向かって昇っているところ。キーボードの「S」、「F」、「J」も自然木となっている。(Shimane-Fujituu-Japan)

舟木清氏も登壇し、制作秘話を語った

 参加者には工場内部も公開された。1階はプリント基板にバーツ(チップ類)を設置して、ハンダで接続し、マザーボードを完成させるライン。基板の搬送から、ハンダペースト塗布、パーツ設置、融解、テストまでほぼ自動化されており、マザーボードの2階への搬送も輸送ロボットが行っている。

島根富士通の工場1階の見取り図

奥から手前に向かって基板にパーツが接着される。

 2階は、そのマザーボードをケースに設置し、ディスプレーやキーボード、バッテリーと接続して、製品として仕上げる、組み立てラインだ。セル方式ではなく、ライン方式で、16人が一列に並び、ベルトに乗った製品に次々とパーツを取り付けていく。

工場2階の見取り図。

手前から奥に向かってNote Cがアセンブリされていく。

 ラインの終端には動作チェックと梱包まで並んでおり、最後には出荷する箱に入った「FMV Note C」が積まれるとい完結型のラインだ。

 島根富士通によると、この1ラインで1日8時間で500台が生産可能で、20ラインをフル稼働すると1日に1万台を生産できる。シフトを組めば最高その3倍まで生産できることになる。

 島根富士通の神門明社長は、今後の目標として、年間300万台、2050年には累計1億台を実現したいと抱負を述べた。

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