東京駅丸の内口から前回の推し丸アートで紹介した行幸地下ギャラリーでアート鑑賞しながら、皇居側の出口から地上に出るとお濠の先に都心のオアシス的存在の「和田倉噴水公園」があります。
この公園があった場所は、今では想像もできませんが、江戸時代以前は漁業が盛んな東京湾の入江に面していたそうです。江戸時代の初期に埋め立てられ、江戸城へ生活物資を運ぶための荷揚場や倉庫が置かれるなど、道三堀を利用した海上輸送の拠点になっていました。その後、和田倉地区は、御用屋敷や厩といった幕府御用地であったり、大名屋敷だったりと時代とともに変化していきました。
和田倉の大噴水は、昭和36年、皇太子殿下であった上皇陛下の結婚記念として創建されました。造園家の田村氏による設計で、周辺の景観と調和するよう、全国各地の石材を使用し、日本独特の石材工芸品の手法を活かした、円と直線によるシンプルで荘重な噴水でした。
公園のシンボル的存在であるこの大噴水の吹出口は、菊の花とつぼみを表現した形状で、空中に打ち上がる水が互いにぶつかり合う姿は、大自然を流れる繊細な滝をイメージしているそうです。
平成5年の今上天皇の御結婚を機に、改修整備が進められ「継続性と新たな発展」をテーマに整備され、球形噴水のモニュメントや霧噴水、架け橋などを設置し、新しい休憩施設と共に平成7年に現在の和田倉噴水公園の形となりました。
園内のさまざまな施設のなかでも注目なのがアートな噴水たちで、大噴水の他にも、球体噴水(モニュメント)や滝(源流)など様々なデザインとテーマを有した噴水が配置され、それぞれが呼応しあい1時間ごとに水が作り出す芸術を味わえます。(噴水は、平日は1時間に1~2回程度、夏期の土日祝日は1時間に4回程度稼働します。夜間の噴水ライトアップは日没から20:00までです。)
また和田倉噴水公園内東側には木を基調とした重厚感のある落ち着いた雰囲気の無料休憩所があります。休憩所奥には皇室や皇居外苑に関する展示物の他、東御苑を含む公園の全体図、自然情報や見どころスポットなどのアーカイブパネルが展示されていてちょっとしたミュージアム的空間となっています。
この無料休憩所に隣接し、2021年に、スターバックスが世界自然保護基金(WWF)と策定した環境配慮型店舗の国際認証「Greener Stores Framework」を取得したグリーナーストア日本1号店となる「スターバックス コーヒー 皇居外苑 和田倉噴水公園店」がオープンしました。丸の内だけでなく国内でも有数の素敵な空間のスターバックスとして知る人ぞ知る存在となっています。
年中無休でいつでも気軽に楽しめる都心のオアシス「和田倉噴水公園」を起点に丸の内散策に出かけましょう!
和田倉噴水公園
住所:東京都千代田区皇居外苑3-1
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