40のAI関連ブースから注目のサービスや機能を紹介
サイボウズに負けじと、AIに舵を切るkintoneパートナーたち ― Cybozu Days 2024注目ブース
2024年12月25日 09時00分更新
2024年11月7日から8日、幕張メッセにてサイボウズの年次イベント「Cybozu Days 2024」が開催された。
今年も活況で、セッションの他にも126のブースが出展され、多くの人だかりができていた。そんな中、近年のAIブームの波は、kintone関連にも訪れている。なんと、40のブースでAIに関する機能やサービスが披露されていた。本記事では、注目の5つのブースを紹介しよう。
アールスリーインスティテュート「gusuku Customine」
「gusuku Customine(グスク カスタマイン)」は、ノーコードでkintoneをカスタマイズできる、標準機能にはない様々な“やること”を実装できるツールだ。2024年5月には、やることに「OpenAIを呼び出してテキストを生成する」、「OpenAIを画像付きで呼び出してテキストを生成する」が追加され、ChatGPTの機能をkintoneで使えるようになった。
「OpenAIのAPIに対応しており、kintoneのデータに基づいて、AIに問い合わせができます。プロンプトはテンプレート化でき、kintoneのレコードやテーブルの情報を抜き出してきて埋め込むことも、データに基づいた分析も可能です」とアールスリーインスティテュート 取締役の金春利幸氏。
例えば、アールスリーインスティテュートの社内では、求職者の面接時に、その情報をAIでサマリーして、ポジティブなのかネガティブなのかを判別。その結果をSlackに投稿しているという。面接の記録を全員が読むのは面倒だが、サマリーがビジネスチャットに流れてくるなら、スムーズに共有できる。
他には、まだ実験段階だが、出張申請にもAIを適用しているという。出張先の場所や遠さなどで経費の上限が異なるなど独自のルールがある中で、kintone内のデータを基に、AIに判定してもらおうと試みているとのことだ。
ショーケース「Associate AI Hub for kintone」
「Associate AI Hub for kintone」は、AIアシスタントがkintoneアプリを作成したり、カスタマイズするためのJavascriptを生成したり、アプリに入れるデータを生成したりしてくれる連携サービスだ。
ポータルから立ち上がるモーダルにて、AIアシスタントが『どんなアプリ作りたいですか』と質問してくる。そこで、「議事録アプリを作って」や「入退室管理するアプリを作って」などと入力すると、必要となるフィールドとフィールド種別が提案され、問題がなければそのままアプリを作成してくれる。
「フィールドを作った後に、『時刻と日付のレイアウトは近くして』といった指示もできます。これまでは、アプリの作成後にフィールドをドラッグして調整していましたが、一発でバチッと作ってくれます。アプリにデータを入っていると、活用のイメージがわきやすくなりますし、ダミーデータも生成してくれます」とショーケース SaaS事業本部の飯嶋渉氏。
また、kintoneはJavaScriptで見た目をカスタマイズしたり、イベントをハンドリングしたりできるが、書けるスキルを持つ人を確保するのが難しい。このサービスがあれば、Javascriptの生成もAIに任せられ、契約終了後にも使い続けられる。
M-SOLUTIONS「Smart at AI for kintone Powered by GPT」
「Smart at AI for kintone Powered by GPT」は、kintone内でChatGPTなどの生成AIを、セキュアに利用できるようにする連携サービス。とにかく簡単に、ノーコードならぬ「ノープロンプト」で活用できるのが特徴だ。管理者が予めプロンプトを登録しておけば、ユーザーは必要な情報を1~2行書くだけで、生成結果を得られる。
テンプレートも豊富で、現在400種類以上のプロンプトがすぐに使える。有償プランは銀行でも採用されているなど、セキュリティ面でも安心できるサービスだ。
「kintoneはバッチ処理が苦手なので、これまではレコードが登録されたり、フォームに入力された時に実行して、生成していました。しかし、今回エージェント機能を追加しまして、日時や週次、月次などで生成処理を実行できるようになりました」とM-SOLUTIONSの代表取締役社長 CEOである植草学氏。
例えば、社員の日報を自動でサマリーして、マネージャーや社長に送信するといったことが可能になる。レコードを追加することもでき、特定の銘柄の株価を決まった時間に取得して、kintoneに保存することも可能だ。OpenAIの推論に強い「o1」モデルを使えば、数字の集計にも力を発揮して、営業系でも活用できるという。