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これからChatGPTを使うなら気を付けたいこと

2024年12月27日 09時00分更新

文● せきゅラボ編集部

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2025年も使われ続けるはず

 2024年もさまざまなトピックが世間を賑わせたが、その中の一つとして挙げられるのが「ChatGPT」。アメリカのOpenAIが開発した、対話型のAIチャットボットサービスだ。

 まるで人間そのものと会話をしているような精度の高さなどが話題で、バラエティ番組などで紹介されたり、YouTuberが取り上げたりすることも珍しくなかった。一般層でも、「使ったことはないが、知っている」という人は多いだろう。

 調べ物に使う、会話して楽しむというだけでなく、業務などでも積極的に活用している人もいるのではないだろうか。ただ、使用にあたっては気をつけなければいけないことがある。

 たとえば、ユーザーがChatGPTに入力した情報は、会話の内容が保存され、トレーニングに使用される可能性がある。個人情報や機密情報をChatGPTに入力することは避けるようにする、という考え方もあるだろう。設定画面で「Improve the model for everyone」(すべての人にモデルを改善する)をオフにするという手段もあるので、覚えておきたい。

 最新の情報や法的変更などに関連する知識などが必要な場合は、ChatGPTが誤った解答を出力することも考えられる。そのため、利用者自身が信頼できる情報源を参照する必要が出てくることもある。また、学習元によっては、既存の著作物や、サイトの文言と解答の内容がそっくりになってしまう可能性があるため、その点も意識しなくてはいけない。

 ChatGPTは、2025年も、さまざまな場面で使われ続けるテクノロジーだろう。活用する際は、リスクや使い方をよく理解した上で利用したい。

常に最新の情報に触れ続けたい

 ChatGPTの使用に伴うリスクはなんだろうか。まず、解答をそのまま鵜呑みにしてはいけないということ。「ChatGPTの解答は間違っている可能性がある」「そのまま使うと、誰かの文章のコピーになってしまう(他人の著作権を侵害する)おそれがある」ことを理解するだけでなく、家族や友人が利用する際には説明しておきたい。

 これから、AIは以前にもまして我々の生活に入り込んでいくだろう。ChatGPTに関しても、活用できる場所が増えていく一方で、ガイドラインが策定されたり、使用に制限をかけたりすることも考えられる。

 そのため、業務や学校の課題などにChatGPTを利用するようなシーンでは、「そもそも、ChatGPT(生成AI)を使っていいのか」「使っていい場合は、どこまで利用していいのか」を確認することを忘れないようにしたい。

 重要なのは、最新の情報に触れながら、常に信頼のできるソース(ニュース)に目を配っておくことだ。人間には時間のかかる作業を高速で可能にするツールであることは間違いない。リスクを理解しながら、ChatGPTの活用方法をしっかり教えていきたい。

 今回は、McAfee Blogから「パートナー向けChatGPTガイド」を紹介する。(せきゅラボ)

※以下はMcAfee Blogからの転載となります。

パートナー向けChatGPTガイド:McAfee Blog

フィッシング詐欺

ChatGPTは年間を通じて最も話題となったテクノロジーであることに間違いありません。学校や大学で論争を引き起こし、史上最も急速に成長したアプリとして歴史に名を刻み、Googleに非常事態宣言を発動させました。ChatGPTについて聞いたことがない方やChatGPTをまだよく理解できていない方はご安心ください。このサイトをChatGPTの最新情報がわかる「チート シート」として活用いただけます。この興味深いテクノロジーを利用し、子供を管理するために役立つアドバイスもご紹介します。

ChatGPTとは

ChatGPTは新しい形式の人工知能、つまり生成人工知能を使用したオンライン ソフトウェア プログラムです。さまざまなリクエストを受け付け、人間のように応答します。以前の人工知能プログラムと比べてはるかに人間らしくインテリジェントに応答します。レシピの考案、詩の作文、次回のパーティのヒント、テキストの翻訳を含め、ChatGPTは多岐にわたるリクエストに対応します。強化されたGoogleのようなものとお考えください。ただし莫大な数の検索結果を表示する代わりに、情報を会話対で要約します。ChatGPTは2015年にElon Musk氏とSam Altman氏によって共同創業されたサンフランシスコのスタートアップ企業、OpenAI社によって開発されました。すべての新規スタートアップ企業と同様、同社には多くの投資者が存在しますが、最大の投資元企業は明らかに Microsoft社です。ChatGPTについて説明するようにリクエストすると、ChatGPTは以下のように回答しました。ChatGPTはOpenAI社によって開発された対話型AIモデルです。現存する言語モデルの中で最も大規模かつ高度なモデルの1つである GPT-3(Generative Pre-trained Transformer 3) アーキテクチャを基盤としています。このモデルはインターネット上に存在する膨大な量の言語テキスト データを使用して学習し、広範なトピックや質問を受け付けて人間のように応答します。チャットボット、言語翻訳、コンテンツ生成など、多様なアプリケーションを強化するために利用できます。簡単に言うと、ChatGPTは生成人工知能を使用して「人間スタイル」のコンテンツ、言語翻訳、要約機能、検索エンジン結果を数秒以内に提供します。数学問題の解答、ジョークの作成、履歴書やカバー レターの作文、コードの記述に対応するほか、就職面接の準備をサポートすることもできます。

しくみ

ChatGPT は大規模言語モデル (LLM) を活用しています。つまり人間の言語を理解し、大量のデータに基づいて応答するようにプログラミングされています。ユーザーが以前に作成したメッセージを記憶または「記録」し、以降の会話に活用することで、あたかも人間のような応答を実現します。

人気度

OpenAI社の共同創業者であるSam Altman氏のツイートによると、ChapGPTの登録ユーザー数はリリース後わずか5日間で100万人に達しました。1か月あたりのアクティブ ユーザー数はたった2か月間で1億人に膨れ上がり、史上最も急速に成長したアプリケーションとなりました。比較材料として付け加えると、ユーザー数が1億人に達するまでにTikTok は9か月間、Instagramは2年半かかっています。ChapGPTの人気の理由は、利用しやすさと計り知れない対応能力にあることは明らかです。使い方は極めて簡単です。アカウントを設定します。後はリクエストや質問をテキスト ボックスに入力するだけです。他の多くのソーシャル メディア プラットフォームと異なり、最低年齢制限もありません。弁論趣意書の作文、質問への回答、コンパニオンとしての応答など、さまざまなリクエストに応えるだけでなく、100種類近くの言語に対応するため、多くの人が日常生活で簡単に活用できます。一部の専門家はリリースのタイミングが ChatGPTの成功に寄与していると考えています。14世紀に流行した黒死病に続いてルネサンス時代が到来したことは広く知られていますが、ChatGPTもコロナ禍での厳しい数年間を経た後にリリースされました。これが創造力の解放と相まって成功につながったと言えるかもしれません。

コスト

ChatGPT Plusという有料版のサービスが最近開始されましたが、ChatGPTは現在も無料で利用できます。月額 20 米ドルを支払うと、ユーザーは需要のピーク時でもチャットボットを利用してすばやく回答を得ることができます。新しいユーザーは新機能を優先的に利用することもできます。私はピーク時を含め ChatGPTのアクセスに問題を感じたことはありませんが、米国の友人は質問の回答が夜遅くにならないと返らないため、有料会員に登録しています。

競合サービス

Microsoft社は先日、BingとEdgeの検索エンジンに一部のChatGPT機能を組み込むこと、ただし ChatGPTよりも強力な次世代のOpenAIモデルを使用する予定であることを発表しました。Microsoft製品を使用しているユーザーは、招待が届いていないか受信ボックスを定期的に確認した方がよいかもしれません。Googleは先日、新しいサービスを発表しました。BardというサービスはChatGPTと似ていますが、ChatGPTは2021年9月時点の最新データを使用しているのに対し、BardはWeb上の最新情報を使用する点が大きく異なります。これに関しては、自身の ChatGPTのデータ ソースを使用して確認済みです。Bardは2023年2月末までに利用可能になる予定です。2021年にLamda (Language Model for Dialogue Applications) をリリースしたGoogleは、対話型AIを最初に活用した企業ですが、興味深いことに消費者版はリリースしていませんでした。その結果、ChatGPTは初の消費者向けサービスとして幅広く支持されるようになりました。

親が考慮すべき事項

ChatGPTが探求心旺盛な子供の好奇心を刺激し、魅力的なオンライン時間を提供することは間違いありません。ただし子供の安全をできる限り維持するためには、私たち親が知っておくべきことがいくつかあります。

1. ChatGPTを宿題に利用する方法

作文の作成、数学問題の解答、フランス語の翻訳など、ChatGPTを宿題に使用することは、学校、大学、親にとって最も大きな懸念事項であることは明らかです。ChatGPTの使用をすでに禁止している学校もあれば、ChatGPTでは対応できないようにカリキュラムを変更している学校もあります。しかしこのような懸念事項は、新たにリリースされているソフトウェアを使用して ChatGPTの生成データを検出することで解決できるかもしれません。スタンフォード大学がリリースしたDetectGPTを使用すると、教師はChatGPTやその他の大規模言語モデル(LLM)を使用して生成されたデータを検出することができます。OpenAI社もChatGPT検出ツールをリリースしていますが、同社はこのツールが「不完全」であると述べています。

すべきこと: 一部の専門家はChatGPTを活用すべきだと考えており、賢く導入・利用すれば、強力な学習ツールになると確信しています。この考え方に賛同するかどうかは問わず、子供が通う学校と緊密に連携し、ChatGPTの使用に関する学校のポリシーを理解して、子供がポリシーを守るように促すことをお勧めします。

2. 不適切なコンテンツ

ChatGPTの目的は「参考になる適切な回答の生成」と明示されていますが、常にそのような回答を提供するとは限りません。私は物議を醸すような回答を引き出そうとかなりの時間を費やしましたが、幸運なことにそのような回答は得られませんでした。特定のトピックを回避し、回答すべきでない質問や不適切なトピックは明確に線引きしているように思われますが、警戒を怠ることはできません。

すべきこと: 不安を感じる場合は、子供がChatGPTを使用するときに必ず監視するようにします。

3. ChatGPTの解答は間違っている場合がある

ChatGPT の IQ や対応範囲は無限に見えますが、完璧ではありません。事実に反するコンテンツの生成が報告されているだけでなく、データ ソースには 2021 年 9 月時点の最新データが含まれています。

すべきこと: 生成されたコンテンツの正確性を再確認し、研究プロジェクトには信頼性と安全性の高いデータ ソースを使用するように子供を促します。

最後に私からのアドバイスです。ChatGPTをまだ利用したことのない方は、コーヒーでも飲みながら気軽に試されることをお勧めします。どのようなオンライン ツールもそうですが、子供の安全を維持するためにはしくみを理解する必要があります。何を質問すればよいかわからない場合は、夕飯のレシピを質問してみてはいかがでしょうか。冷蔵庫の中にあるものをテキスト ボックスに入力すれば、数秒後にレシピを入手できます。存分にお楽しみください。

※本記事はアスキーとマカフィーのコラボレーションサイト「せきゅラボ」への掲載用に過去のMcAfee Blogの人気エントリーを編集して紹介する記事です。

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