アップルが一部のMacBookシリーズを対象に実施していた「バタフライキーボードの修理プログラム」が、期間満了により終了した。海外メディア「MacRumors」が11月19日付の記事で報じている。
MacBook系の全16機種が対象の修理プログラム
本修理プログラムは2018年、一部の「MacBook」「MacBook Air」「MacBook Pro」のキーボードで、文字が勝手に反復入力される、文字が表示されないといったトラブルが判明したことにより開始。
トラブル自体は2015年に発売された「MacBook(Retina)」の時点で報告されており、翌2016年にモデルチェンジしたMacBook AirとMacBook Proが発売されるとさらに増加。いずれの機種も新しい「バタフライ式キーボード」を搭載していたことから、ユーザーの間で「新型キーボードに何らかの欠陥があり、トラブルを起こしている」との見方が徐々に拡がっていった。
一方のアップルは、こうした状況でもリコールなどの大規模な対応をせず、バタフライ式キーボード搭載機種の販売も継続した。
しかし、2018年5月に米国でユーザーが本件に関する集団訴訟を起こすと対応が一変し、翌月には世界各地で前述の無償修理プログラムを開始している。
対象は2015年から2019年にかけて発売された全16機種だが、全数交換ではなく、該当するトラブルを起こした個体に限定した対応だった。その後、2019年11月発売の「MacBook Pro(16型)」以降は、キーボードをバタフライ式導入前に採用していたシザー式に戻し根本的な解決を図っている。
なお、前述の集団訴訟は無償修理プログラム開始後も2022年まで継続。アップルが総額5000万ドル(約73億円/支払時のレート)の和解金を支払うことで決着している。