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マイクロソフトに突撃インタビュー

タイパ重視民に朗報! 業務時間を短縮できるWindowsの「24H2」を知ろう

2024年11月14日 12時00分更新

文● 市川/ASCII 編集⚫︎ASCII

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 2024年6月のCopilot+ PC発売、Windows 10のEOS(サポート終了)など、大きな変化を迎えつつあるノートPC市場。

 その中心にいるのはマイクロソフトで、最近ではWindows 11の大型アップデート「24H2」が記憶に新しい。

 前提としてCopilot+ PCは40TOPS以上のNPUを搭載、16GBメモリー、256GB SSDというマイクロソフトの要件を満たしたWindows PCとなる。Windowsスタジオエフェクト、コクリエイター、ライブキャプションなど、Copilot+ PCでしかつかえない専用機能が搭載されているのも特徴だ。

 24H2の目玉の1つはこのCopilot+ PC専用機能で、さらなる新機能が追加されている。しかし実際に大型アップデートといっても何が変わったのか分からないユーザーもいるはずだ。

 日本マイクロソフト本社に伺い、担当者に24H2、そしてCopilot+ PCについてインタビューを実施した。インタビューに応じてくれたのは、コンシューマー事業本部 モダンライフ戦略本部の小澤 拓史氏だ。

日本マイクロソフト株式会社
コンシューマー事業本部 モダンライフ戦略本部の小澤 拓史氏

24H2は2つの要素で構成されるアップデート

――本日はよろしくお願いします。早速ですが、24H2についてどんなアップデートがされたのかを教えてください。

 我々は、6月18日にAI処理に特化したチップセットを搭載したCopilot+ PCを立ち上げまして、最初はWindowsスタジオエフェクト、コクリエイター、ライブキャプションなどの専用機能を搭載し、市場に発表しました。

 そして追加のアップデートである24H2は大きく2つの要素に分かれまして、1つは「Copilot+ PCでしかできない新しいAI体験」、2つ目は「Copilot+ PC以外にも適用されるWindows 11自体の機能強化」となります。

 なお、1つ目のCopilot+ PCでしかできない新しいAI体験の部分についてはWindows Insider Programという先行利用を経てから、フィードバックをもらった後に一般公開となります。

目玉となるリコール機能&検索機能なども強化

――目玉機能ともなっているリコールについて教えてください。

 (リコール機能は)PC上で見聞きしたことがすべて保存されていて、自分の記憶にあるイメージをもとに探すことができる機能です。

 たとえば、「あの青いグラフはPC上のどこにあるんだっけ?」などといった曖昧な記憶でも「青いグラフ」で想起される画像やテキストの候補がすべて表示されます。

――ビジネスマンは1週間に何時間探しものを費やしているという情報もありましたね。

 自社調べですと、ビジネスマンに限らずPCの使用頻度が高い人は1週間で5時間つかっているというデータもあります。リコール機能をつかい、5時間を丸々短縮できるわけではありませんが、半分にできるという声もありますので大きな作業短縮に貢献できるのではないでしょうか。

――セキュリティー面でも不安な声がでていますが、その辺りはいかがでしょう?

 リコール機能については、PC使用者の許可なしではオンにならないことに加えて、デバイス上で暗号化されているため、仮に家族で同じPCをつかっていたとしても本人だけしか本機能はつかえないようになっています。

 またWindows Helloによる生体認証(顔認証)も必須となっていますので、本人がPC前にいなければ使えない仕様ですし、デフォルト状態では機密性の高い情報(パスワードやクレジットカード情報など)は記憶されない設定となっていますので、基本的には安心してつかえるのではないかと思っています。

Click to Doや検索機能についても強化

Click to Do

――リコール以外にも多くの機能が追加されていますね。

 Click to Doについては、画像や動画内に写っている特定のオブジェクトに対してアクションがとれる新機能となります。

 たとえば、動画上のサングラスだけをクリックすると、そのオブジェクトだけを検索ができるとか、ビデオ会議時にパワポ内でURLの共有などをされたとき、Click to DoをつかえばURLに直にリンクできるといった使い方ができます。

 そして3つ目としてはWindowsの通常の検索機能が大幅に強化されます。具体的には「自然言語で問いかけて検索」ができるようになります。

 エクスプローラーで「花が映ったものはどこ?」と検索すると、フォルダ内の花の画像を探してくれたり、ワードで「ジャスミン」と記載してあれば、花に該当するため、それも拾ってきてくれます。

――いずれも非常に便利な機能になってますね。

 私自身もプレゼン資料などをつくるとき“探す時間”が毎週5時間は発生しています。我々としてはリコールや検索機能をはじめてとしたAIによって、探す作業などの体感時間を短くしてほしいという想いがありますね。

Windows 11共通のアップデート情報

――Copilot+ PC以外でも24H2ではアップデートがありますよね?

 Wi-Fi7での対応ですとか、Bluetoothなどのアクセサビリティー面での機能強化であったりとか全体的なアップデートも行われています。

 エクスプローラーもよりシンプルに簡素化され使いやすくなっていますし、システム トレイ & タスクバーの機能強化であったり、Click to Doなどの大きな進化はありませんが、これまでのフィードバックを踏まえて便利に使いやすくなっていますね。

――24H2については、Copilot+ PCとそれ以外のWindows PCでそれぞれ使える機能が異なることなりますが、何か懸念がありますでしょうか?

 Copilot+ PC専用機能はその要件を満たしたPCでしか使えません。たとえばCopilot+ PCをつかっていないユーザーはリコール機能なども動かないので、その辺りの懸念はないですね。

Copilot+ PCの将来図

――Copilot+ PCはノートPCとしてまず登場しましたが、これだけ多様な機能が載ってくると、デスクトップ型などに波及していくんでしょうか?

 すでに市場には16型のCopilot+ PCやゲーミング寄りのモデルもでています。9月のIFAで発表された通り、インテル・AMDのチップセットをのせた製品もCopilot+ PCとして拡充されていくので、今後はデスクトップ型といったものも見えてくると思います。

 我々の定義する40TOPS、16GBメモリー、256GB SSDの性能があればCopilot+ PCとしてのユーザー体験はできますので、その上になにを追加していくかというのはニーズ次第でエコシステム全体がどう捉えていくのかなという問題だと思っています。

――御社からみてCopilot+ PCの市場の受け止め方はどう見えていますか?

 量販店経由で実際のお客さまの声を聞くと非常に関心が高くポジティブに捉えてくださっているようです。

――そこにリコール機能などの目玉アプリがくることでさらに盛り上がっていくんですかね?

  Copilot+ PCはAI PCとしての側面が大きいですが、要素としてはもう1つ“従来のPCと比較しても非常に高性能”という面があります。

 じつは私もCopilot+ PCを利用してから生活スタイルが変わりまして、大きな要因にバッテリーライフの長さというものが影響しています。朝、PCだけをオフィスにもっていき、帰るまで一度も充電せずに使うことができます。そして寝る前に充電するといったスマホのような使い方をしています。

 機能的なアプリもそうですが、PCそのものとしても魅力的な製品になってくるかなと思います。

――御社はビジネス・学校・プライベートでどんなふうにCopilot+ PCをつかってほしいと思いますか?

 Windowsの最大の魅力というのは“選択肢が豊富”なことだと思っています。ライト・ヘビーユーザーなど人によって使われ方は異なりますが、弊社のSurfaceだけでなく各社様のそれぞれの強みを活かして、いろんな人に選択肢を提供できるのがWindowsの強みです。

 その上で、Copilot+ PCについて、だれが一番メリットになるかという観点でいくと、“PCで作業する時間が多い人”だと思います。リコールやClick To Doがつかえるので普段、資料やデータなど、探し物が多い人ほど恩恵を受けられるのではないでしょうか。

 Windows市場におけるCopilot+ PCという意味では我々が想定していた以上の興味をもっていただいていると思っています。デバイス自体も6月地点では6機種しかラインアップがなかったものが、7月~10月と続々と追加されているので、年末商戦に向けては多くのユーザーの関心も得られるのではないかと思っています。

――ありがとうございました。

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