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「高専プロコン2024」徹底リポート 個人的に気になったチームはこれ!

2024年11月01日 10時00分更新

文● 高瀬 紘輝

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 本記事はFIXERが提供する「cloud.config Tech Blog」に掲載された「高専プロコン2024徹底リポート📝:現場の熱気と革新の瞬間」を再編集したものです。

高専プロコン2024に協賛参加させて頂きました! 💼

 先日10月19日・20日に開催された、高専プロコン2024に参加させて頂きました!

 本記事では高専プロコン2024の現地リポートを兼ねて、大会全体の雰囲気の紹介と、筆者が特に印象に残った革新的な作品の紹介をしていきます。

 ぜひ最後までご覧ください。

高専プロコンとは? 🤔

 高専出身者以外には馴染みのない言葉かもしれませんが、高専プロコン(正式名称「全国高等専門学校プログラミングコンテスト^1」)は、その名の通りプログラミング技術を競うコンテストです。

 出場資格はいたってシンプル。応募時点で全国の国公私立高等専門学校に在籍している学生ならOKです。

 そのため1年生から専攻科2年生まで、幅広く参加が可能です。

 また、全部で3つの部門に分かれていて、

1. 自由部門:なんでもありの作品作り
2. 課題部門:お題に沿って作品作り
3. 競技部門:ガチの競技プログラミング

と、それぞれの得意分野で戦うことができます。

 また、会場には参加学生400人のほか、高専関係者や協賛企業、一般来場者も含めて当日来場者の数は800人以上にも上ります。

会場の雰囲気は? 🏟️

 今年は奈良高専主催ということで、奈良県は「なら100年会館^2」で開催されました。

 なら100年会館はとても広く、中に大きなホールがいくつかあり、各ホールでプレゼンや競技部門のバトルが行われる形になりました。昨年度大会は体育館のような大きな空間を仕切って使っていたので、かなり雰囲気は変わりましたね。

 これは例年通りですが、自由・課題部門は各チームが自身の作品を展示・紹介するブースを設置しています。

 課題・自由共に作品は様々なので、各ブースの雰囲気も様々です。もちろんウェブ・モバイルアプリメインのチームが多いため、基本的にはPCが設置されています。

 ただ、金魚入りの水槽を持ってきたチームだったり、ブースギリギリのサイズのどでかい箱を設置したチームだったり、ビリヤードだったり… と、とんでもないインパクトのブースも多くあり、見ていて飽きることはありませんでした。

当日のスケジュールは? ⏱️

 冒頭にもある通り、高専プロコンは例年2日開催。おおまかにいうと

・1日目:競技部門の一回戦と自由・課題部門のプレゼン
・2日目:競技部門二回戦から決勝までと、自由・課題部門各ブースでの審査

となっています。

個人的自由部門傑作紹介!! 🥇

 さて、大会の紹介は一通り済んだので、最後に全作品の中で個人的トップだった2作品について紹介します。

追記
 後日知ったのですが、インタビューした2チームが自由部門の最優秀作品(1位)と優秀作品(2位)に選ばれました! 本当におめでとうございます!(意図せずトップ2の取材記事となりました)

大会運営をフルIT化!「SPORTSDAY」

 1つめは「SPORTSDAY」~球技大会管理プラットフォーム~の紹介です。

 こちらは富山高専本郷キャンパスによる自由部門の作品です。

 富山高専には、球技大会というキャンパスごとで開催する、サッカーやバスケットボールなどの大会があります。この運営は基本的に体育委員会と学生会で行うのですが… この運営が学生たちにとって、とても負担になっていました

 チーム分けから時間割、結果の集計や審判など、考えたらキリがないほどの仕事があり、例年、てんやわんや状態になっていたそうです。そんな状況に困った学生会長が、チームリーダーの山本君に相談したのが、SPORTSDAYの開発のきっかけです。

 それから友人の中村君・池君をメンバーに引き入れver1を3ヵ月で作成し、実際に本郷キャンパス、射水キャンパスで使用してもらいつつブラッシュアップして今のアプリが完成しました。

■ここが凄い、SPORTSDAYの推しポイント

1. 洗練されたUI

 何よりもこのアプリ、ぱっと見でもわかるほどUIが洗練されていて美しいです。UI作成担当の中村君が一からマテリアルデザインを勉強したそうですが、最初に使ってもらった時はあまりウケが良くなかったそうです。開発者が思う「良いUI」と、ユーザーが思う「良いUI」の認識の乖離に苦しめられるという、なんとも実務的な問題に直面していますね。

2. 管理アプリとユーザーアプリ、チーム申請アプリの3本立て

 本システムは3つのアプリで構成されており、ひとつめは運営が使用する管理アプリ、2つめは大会の参加者が使用するユーザーアプリ、そして3つめがチームメンバーの登録と確認ができるチーム申請アプリです。

 事前定義したユースケースに基づいて3つのアプリを用意することで、大会運営で登場するアクター全てを網羅しています。

 このチームは部活や研究室ではなく、個人的な集まりで作っているにもかかわらず、圧倒的な完成度と実地検証の経験があり優勝候補間違いないチームだと感じました。今後は生成AIを使ってマニュアルを充実化させ、バックエンドの技術負債をGo言語で解決するとのことです。

 SPORTSDAYアプリの開発チームの皆様、審査でお忙しい中インタビューに快くご協力いただき、本当にありがとうございました!!

 より作品の詳細が知りたい方は高専プロコンのアーカイブ、もしくはパンフレットをご覧ください。

言語の壁を超えたコミュニケーションを!「uni」

 2つめは「uni」の紹介です。

 こちらは香川高専詫間キャンパスによる自由部門の応募作品です。

 世界中においてグローバル化が進行した現代において、言語の壁というのは大きな障害になっています。彼らの通う高専もアジア系の留学生が増えており、言葉によるコミュニケーションでの意思疎通の難しさに不安を抱えていたそうです。

 そんな中、彼らは触覚による対話ならば、言語に関係なく感情を共有できると考えました。そして触覚の中でも特に「風」による体験に目をつけ、本作品を作ったそうです。

 このシステムは、投影された風景に登場するシンボル(蝶)の位置の布を押すことでシンボルが移動する、というのを繰り返して遊びます。

 仕組み的には、大量のファンからの風でなびかせた布をスクリーンとして風景を投影しています。また、Kinectでユーザーの位置をトラッキングしたデータと、震度センサーによる布の位置データを利用して、シンボルを押した判定をしているそうです。

 風景はいくつか種類があり、宇宙や草原などがラインアップされていました。

 また、風の強弱は画像右側のタブレットから操作することができます。同じくタブレットからできることとしては、布に当てている風量を場所ごとに調節できるのですが、この画面では風の粒子と布のなびき方をシミュレーションしているのをリアルタイムで見ることができます。

インタビューで分かった作成の裏側

 詫間キャンパスは例年ハードとソフトをどちらも最大限に使用した作品を持ってくるのですが、今回もなかなかに大規模な作品ですね。この作品の作成には色々苦労したようです。

 例えば電気屋で大量の中古ファンを格安で購入することで費用を浮かせたり、100個以上のセンサーをはんだ付けする際に設計ミスに気づき、かなり作業量が増えたりなど… これだけ大規模な作品なので、あらゆる方面の豊富な知識が必要なことが容易に想像できますね。

 また、風と布のシミュレーションする技術をクロスシミュレーションというのですが、これがあまりにも高度すぎる技術で、引率の先生が初めて見たときに腰を抜かすほどだったそうです。

 今後の展望としては、これを離れた場所に複数設置することで、遠距離でのコミュニケーションを実現することを考えているそうです。

 審査で忙しい中インタビューに快くご協力いただいた山田さん、天竺君、横井君他チームの皆様、本当にありがとうございました!!

さいごに

 今年も多種多様、よりどりみどりな作品とハイレベルな戦いを見せてくれた高専プロコンですが、来年は島根県松江市にある松江高専が舞台です。

 今年も協賛として参加する機会を下さった協会の皆様、運営に携わった奈良高専の皆様、ノベルティを交換しあった協賛企業の皆様、そして全国各地の参加学生の皆様、本当にお疲れ様でした、そしてありがとうございました!

(´・ω・)ノシ

高瀬 紘輝
(たかせひろき) 2023年度入社のたかひろです。

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