2024年10月27日に投開票された総選挙は、自民党と公明党が過半数を割り込む結果となった。自公連立政権が過半数に届かなかったことで、今後、他の政党が与党に加わるなど、政権の枠組みが大きく変化することとになる。情勢は流動的で、当面は予測が難しい局面が続くだろう。
あまりにも多くのことが起きた12日間の選挙戦だったが、今回の総選挙では、国民民主党、れいわ新選組、日本保守党という結党から比較的歴史の短い政党が躍進した。今回は、こうした「ベンチャー政党」が躍進した理由の一部について考えてみたい。
躍進した3政党に共通するのは、いずれも個性の強い党首が党と支持者を引き付け、SNS上での知名度が高い点にある。とくに、日本保守党の百田尚樹代表と、れいわ新選組の山本太郎代表はX(旧Twitter)で、自民党の石破茂総裁を上回るフォロワー数を有している。
主要メディアは3党の躍進について、「今回は自民党には投票しない」という有権者の受け皿になったと分析しているが、各党のネット戦略が寄与した面も大きいのではないか。
Xでは日本保守党が最有力
比例代表の東京選挙区に立候補者を出した政党のフォロワー数を調べた。以下に示すのは、10月27日午後9時すぎの時点で確認した、Xの各党の代表的な公式アカウントのフォロワー数だ。
日本保守党:331,884
自民党広報:260,614
立憲民主党:191,464
れいわ新選組:163,269
日本共産党:144,210
公明党:116,071
参政党:115,794
国民民主党:79,525
日本維新の会:78,252
社会民主党:47,081
みんなでつくる党:4,759
日本保守党は2023年10月に結党されたばかりだが、約33万人のフォロワーがいる。2019年4月に結党された、れいわ新選組も、自民党、立憲民主党を下回っているものの全体で4番目の約19万人のフォロワーを有している。躍進した国民民主党は、全体の8番目でXのフォロワー数では他党に遅れを取っている。ただ、党首個人のアカウントでは様相が異なってくる。
百田尚樹(日本保守党):660,611
山本太郎(れいわ新選組):571,952
石破茂(自由民主党):432,226
玉木雄一郎(国民民主党):424,834
福島瑞穂(社会民主党):252,971
田村智子(日本共産党):127,989
神谷宗幣(参政党):88,975
馬場伸幸(日本維新の会):48,038
大津綾香(みんなでつくる党):34,341
野田佳彦(立憲民主党):33,075
石井啓一(公明党):13,626
政党の公式アカウントと同様に、日本保守党の百田尚樹代表がフォロワー数でトップに立っている。同党の結党以前から、X上では保守の論客として知られていただけに、X上での知名度の高さが明らかになる結果となった。続いたのは、れいわ新選組の山本太郎代表だ。党首のフォロワー数でトップの日本保守党は保守色が強い一方で、2位のれいわ新選組はリベラル色が強い。今回、最も躍進した国民民主党の玉木雄一郎代表も、自民党の石破茂首相には下回ったものの、全体で4位のフォロワー数となっている。
既成政党はもう、ネットを軽視できない
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