業務を変えるkintoneユーザー事例 第249回
年間約3万時間もの業務削減に至る定着活動の道のり
3000人規模の東電EPのkintone導入 現場主導を貫くためには「危機感」「勇気」「目的」
2024年10月22日 10時30分更新
1年間で年間約3万時間の作業削減を実現、kintoneの導入推進の秘訣は危機感、勇気、目的
DX推進室による、営業やサポートを経て、徐々にkintoneが使われ始めた。すると、今度はアプリを管理する仕組みが必要になってきた。そこで、アプリ開発と運用のフェーズに分け、管理者がチェックするフローを作った。開発フェーズでは、基本誰でも好きなように作成できるが、業務データを入れることは禁止に。一方の運用フェーズでは、現場管理者の承認を得れば、業務データを活用できるようにして、導入のハードルと管理のバランスをとった。
さらに、アプリが無秩序に増えすぎないよう「活用度」も計測した。JavaScriptで、一覧画面を表示したときにアクセス数をカウントできるようカスタマイズ。あわせて、運用開始の申請時にそのアプリを使ったときの業務削減時間を登録してもらうようにした。その削減時間に利用者数をかけることで導入効果を自動で算出できる。
こうして定着したkintoneの導入効果は大きなものだった。情報共有と管理を効率化することで、年間約3万時間もの業務を削減。kintoneで新ツール導入のハードルもなくなり、自主的に他チームへkintoneを展開してくれるようになった。「もうkintoneがないと仕事が進められない」とうれしい言葉をもらえた。
櫻井氏は、「社内の課題を聞いた時に『kintoneを使ってみますか』と言うと、『それでいきましょう』とか『他のツールを使ってみたい』といった話になります。kintoneというツールが、プロジェクトを進める上での『物差し』になったのを感じています」と振り返る。
久保氏は、「最初は点で、いろいろな知り合いにkintoneを紹介していましたが、今度は面での展開を目指しています。ブログを書いて社内に発信したり、他の部署と繋がってバーチャルチームを作ったりしたいです。kintoneを導入推進できたポイントを振り返ると、何とかしないとやばいなという『危機感』、そして変えるための一歩踏み出す『勇気』、その勇気を持つための困りごとを解決するといった『目的』。この3つを持つことが重要でした」と締めくくった。
プレゼン後にはサイボウズのパートナー第1営業部 沖沙保里氏から質問が投げかけられた。
沖氏:アプリを作るのではなくてサポーターに徹したっていうのが新鮮でした。「作ってくれないなら使わない」といった現場の反応や、「自分が作った方が早い」という葛藤はありましたでしょうか?
久保氏:めちゃくちゃ葛藤はありました。そのやり取りをしている間に私がアプリを作れてしまうからです。しかし、ここで私がやってしまうと普及しないため、ぐっとこらえて「けどこれがあると便利ですよね、ちょっと作ってみませんか?」と細やかなサポートに努めました。
2025年3月末までの限定公開です
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