日本電信電話(NTT)は、4K120HzおよびフルHD240HzのHDMI信号を0.1ミリ秒以下で長距離伝送信号へ変換する新技術を開発したことを発表した。ライブ映像をほぼリアルタイムで多くのユーザーへ配信するなど、映像配信を伴うさまざまなシーンでの応用が期待される。
離れた場所でも「そこにいるかのような」映像通信が可能に
2024年現在のネットを通じた映像配信技術では、ネットワーク自体の遅延に加え、映像データを送信する際の圧縮と受信する際の伸張(解凍)作業による遅延が合わさり、リアルタイム性を損ねてしまうという課題がある。
NTTが発表したのは、こうした課題に対応するための技術。具体的には音声を含む映像(HDMI)信号を大容量・固定帯域・固定遅延のレイヤ1信号へ圧縮なしで直接収容することで、圧縮伸張処理をカットし、これまでより低遅延な配信を実現するというものだ。
さらに、送信側と受信側を結ぶ光ファイバー網に「IOWNオールフォトニクス・ネットワーク」を用いることで、ネットワーク側の遅延時間を無視できるレベルまで縮小。送信側での映像入力から受信側での映像出力までの遅延を0.1ミリ秒以内に抑えられるという。
圧縮工程を挟まないことから、4K120HzやFHD240Hzといった高解像度、高リフレッシュレートの映像も、劣化させることなく遠方へ送信することが可能だ。
本技術は同社からのライセンス販売という形で、企業などへ提供。自社の製品やサービスへ盛り込むことができる。