Premium-Line B650FD-Mini/T/Aをレビュー
Ryzen 7 9700X&RTX 4070 SUPERを搭載する10.4L小型ゲーミングPCの驚くべき完成度、「黒神話:悟空」も4Kプレイ可
2024年09月28日 10時00分更新
薄型CPUクーラーでも十分冷やせる?
ここからはCPUの冷却性能テストに移ろう。Ryzen 7 9700XはTDP 65Wなので、タワー型なら大きめの空冷クーラーでなんら問題ない。しかし、NH-L9a-AM5のようなローハイトなCPUクーラーではどうなるのか。まずは、CGレンダリング速度からCPU性能を測定する「CINEBENCH 2024」を試した。
性能は「pts」という独自単位のスコアーで表示され、この値が高ければ高いほど高性能となる。テストは全コアを使うMulti Coreと、1つだけ使うSingle Coreの2つ。テスト時間は10分以上となる標準設定のままで実行した。
結果は、Multi Coreが1094ptsで、Single Coreが131pts。Multi Coreの値が想定よりもやや低く、熱の影響を受けている印象だ。1つ前のバージョンの「CINEBENCH R23」も試してみた。
Multi Coreが19447ptsで、Single Coreが2196pts。やはりこちらもMulti Coreの値が想定よりも少し低く、熱の影響が疑われる。そこで、CINEBENCH 2024のMulti Coreテスト中のCPUの温度などを、モニタリングソフト「HWiNFO64 Pro」でチェックしてみた。
CPUの温度は95度を超えており、冷却性能が追い付いていないことがわかる。また、TDP 65WだとCPU PPTは88Wが上限となるが、この終了直前の状態では、約68Wと上限に届いていない。
平均値を見ても、CPU温度は95.1度、CPU PPTは72.321W。ベンチマーク中全体を通してCPU温度が上限に貼りついているのは明らかで、供給電力を落とすことで発熱を抑えている状態となっていた。
ただし、CINEBEHCH 2024の性能は、冷却性能が十分なフルパフォーマンス時と比べて10%も下がっていない。CPU PPTが大きく下がっているので少し警戒してしまったが、そこまで影響はないようだ。
では、ゲーム中のCPU温度はどうなのか? 「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」(以下、FF14ベンチマーク)を試してみた。画質プリセットは「最高品質」、解像度はWQHD(2560×1440ドット)で実行し、ベンチマークテスト終了直前のCPUの状態を、HWiNFO64 Proでチェックした。
CPUの最大温度は90度で、平均は81.9度。高い温度ではあるものの、安全に使える範囲内だ。CGレンダリングや動画エンコードといったパワフルな用途でなければ、薄型の空冷CPUクーラーでも十分ということなのだろう。Ryzen 7 9700Xはゲーミングなど、比較的CPU負荷が軽い用途向けなので、許容範囲と言える。
ちなみに、動作音はそこそこ大きく、FF14ベンチマーク中の最大で43.6dB。ただし、低めの音が中心で甲高い音がないため、そこまで耳障りではない。アイドル時は34.6dBと低く(暗騒音:32.2dB)、かなり静かだった。やはりNoctua製のファンは偉大だ。