Premium-Line B650FD-Mini/T/Aをレビュー
Ryzen 7 9700X&RTX 4070 SUPERを搭載する10.4L小型ゲーミングPCの驚くべき完成度、「黒神話:悟空」も4Kプレイ可
2024年09月28日 10時00分更新
無理なくキレイに組み立てる妙技
とにかく、まずはPremium-Line B650FD-Mini/T/Aの内部を見てほしい。
リア側(写真右側)はマザーボード、フロント側(写真左部)は電源ユニットを配置。レイアウトがよく考えられており、ケーブルで隙間は埋まっているものの、エアフローのジャマにはなっていない。PCケース設計の良さもあるが、なによりサイコムの組み立て技術の高さによるところが大きいだろう。
中央の仕切りを挟んで、反対側には大きな2つのファンが見える。これはサイコムオリジナルのビデオカード「Silent Master Graphics RTX4070 SUPER 12GB」のもの。
このビデオカードはNoctua製ファンを備え、高性能ながら静音性に優れている。120mmの大型ファンを2基搭載しているが、奥行きや高さはPCケースにピッタリはまっていた。GPUの冷却だけではなく、側面からPCケース内への吸気用ファンとしても活躍してくれるだろう。
マザーボードの裏側にビデオカードがあるレイアウトは珍しいが、PCI Expressスロットの延長ケーブルを含むライザーユニットで実現している。真上から見ると、3つのフラットケーブルで延長されているのがよくわかる。
電源ユニットの向きは、内部配線用のケーブルがマザーボード側ではなく、底面側に来るようになっていた。そのため、ケーブルがPCケース内でとぐろを巻かず、すっきりと配線できている。
なお、この向きだと電源ユニットのACソケットが上向きになるため、延長ケーブルでリア側に持ってきている。こうすれば、フロント側に配置してもなんら問題ないわけだ。つくづくよく練られたPCケースだと感心する。
CPUクーラーはNoctuaの「NH-L9a-AM5」。全高約37mmという超ローハイトのCPUクーラーで、小型PC向けでは定評があるモデルだ。CPUは低発熱かつ省電力で話題のRyzen 7 9700Xだが、この小さなPCケース内でどこまで温度が上がるのか。こちらは記事の後半で検証する。
内部はPCパーツが無理なく詰め込まれ、キレイに仕上がっているだけに、組み立てが簡単なのかと勘違いしてしまいそうになるが、実際はその逆。スペースに余裕がないだけに、自力で組み立てようとするとかなり苦労するだろう。
無駄のない美しい組み上げは、それだけ通気性が高くなる。空冷PCにとって通気性は、「=冷却性能の改善」「=静音性の向上」となるだけに、かなり重要なポイントだ。