SaaS内データは本当にあなたの所有?
本記事はCDataが提供する「CData Software Blog」に掲載された「SaaS 内のデータは誰のもの?」を再編集したものです。
ソフトウェアやインフラの所有が不要なSaaS
SaaS (Software as a Service)では、ソフトウェアやそのインフラを企業は所有する必要がありません。それにより高価なハードウェアなどのインフラの購入が不要かつ、 ソフトウェアを開発する際の開発コストが不要となり、月額数百円から数千円という安価な金額でソフトウェアを利用して、その効果を享受することができます。
SaaS 内のユーザーの情報は誰のものなのか?
社会は「所有する」から「使う」に価値を置く方向に移行しつつあります。パブリッククラウドやSaaS はもちろん、Uber やAirbnb などのシェアリングエコノミーもその流れに沿ったものです。 製造業の生産設備も3D プリンタなどの利用によりどんどん外出しが進みます。人材も流動化していて、Microsoft はLinkedInの買収において「いつでもプロフェッショナルにアクセスして 必要なソリューションを得られる未来」を描いています。その「所有」から「使う」への流れの中、国内データ連携ソフトウェアトップのインフォテリア平野社長が、「唯一データこそが企業の資産である」と言っているように、データだけは企業として所有しておくべきものです。
SaaS において、ソフトウェアの所有権は当然SaaS 提供側にあります。では、SaaS 内にあるユーザーのデータの所有権はだれのものでしょう? 物理的に管理をしているSaaS ベンダーの所有でしょうか?無くなった場合には保証がされるのでしょうか?多くのSaaS 契約では、データはユーザー企業が所有することになっています。
所有の定義:「物の全面的支配すなわち自由に使用・収益・処分する権利」(民法206条)
SaaS 内データは本当にあなたの所有?
この定義に沿って、SaaS 内のデータが、ユーザーに所有されているか考えてみましょう。
1.SaaS 内のデータを自由に使うことが出来ていますか?
2.データをオペレーションとして蓄積するだけでなく、事業内で効率的に利用して収益の源泉とできていますか?
3.誰かが、あなたのデータを使って、収益を得ていませんか?
4.データを自由に移動されられますか?
5.もしサービスへの支払いが滞った場合でも、中のデータを取り出せますか?
6.あなたのデータを誰かが削除(処分)してしまう恐れはありませんか?
実際のところ、SaaS 内のデータが他のアプリケーションで利用できていなかったり、そもそもデータの移動のさせ方を知らないというケースが多いのではないでしょうか?
データ所有の問題を解決するAPI
これを解決してくれるものが、API (Application Programming Interface)です。SaaS ベンダーが提供するAPI を通じて、外部からデータを使うことができますし、 バックアップを取ったり、任意のデータベースにデータを移動させることが可能です(SaaS でしっかりとしたAPI を提供できていないサービスには大きな問題があると個人的に考えます)。
API 連携というと、あるSaaS のデータを利用した新しいサービスをプロのIT 企業が開発するものと思われていますが、API の活用は、個々のユーザー企業が自由に活用、移転、複製することを可能にします。 API の使い手は、IT 企業のみが対象ではなく、非IT 企業が考えるべきものです。ただし、企業が利用しているSaaS の数が増えてくれば、各サービスのAPI を「活用できる」レベルで修得している人材の確保が難しい、 確保できていても特定の少人数しかデータを活用できていないというのが現状です。データの利用者(非エンジニア)の大多数が自分が扱っているデータを所有して活用できるには、直接API をたたかなくてもよいツールが必要と 言わざるを得ません。
(蓄積されたデータを識別できない形でSaaS 提供者やデータを提供された事業体が使って利益を得るという問題は別の問題なので、本記事では触れません。)
企業内のAPI 活用を簡単にするCData 製品
そこでCData では、API 利用をより簡単にする製品を提供しています。SaaS 内データを他のアプリケーションからアクセスできるCData Driversでは、 API の修得が不要。業界標準のODBC、JDBC、ADO.NET などの規格で標準SQL を使ってSaaS 内のデータをあたかもリレーショナルデータベースのように扱うことが出来ます。
CData Sync 製品では、SaaS 内のデータのすべて、また一部をMySQL、PostgreSQL、Snowflake、BigQuery といったRDB やDWH に複製することが可能です。CData Sync は一定間隔でSaaS 上のデータを差分更新やCDC で常に最新状態にしておくことが可能です。
これらのCData 製品を使えば、SaaS データの自在な使用、収益利用、そして自社環境へのバックアップ保存による意図しない処分の防止などが簡単に行えます。
企業にとって重要な資産であるデータをしっかりと所有、使用しつつ、SaaSを賢く使いましょう。