このページの本文へ

どん兵衛の味が“完全東西分け”! 東の味しか食べたことがないので、西の味も食べてみた!

2024年09月09日 18時00分更新

文● 新海 優(Yu Shinkai) 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
どん兵衛の味が“完全東西分け”

初めて食べる西日本のどん兵衛にワクワク!

麺、つゆ、具材、七味、“ぜんぶ東西分け”

 日清食品が1976年に発売した「日清のどん兵衛」シリーズ。

 和風カップ麺の定番ともいえる人気商品だが、9月上旬にリニューアル販売するというニュースを聞いた人もいるはずだ。

 リニューアル内容は、なんと麺、つゆ、具材、七味を、“ぜんぶ東西分け”するというもの。

 そもそも、うどんやそばには歴史的に東西で味の嗜好に違いがあるため、どん兵衛はつゆの味を東日本と西日本で分けて発売していることをご存知の方も多いのではないか。

 これまでも具材のおあげや七味にも地域の特色を取り入れ、東日本と西日本で味や風味を変えていた。しかし今回は、麺、つゆ、具材、七味の“ぜんぶ東西分け”を実現するために、東日本向けの「きつねうどん」「天ぷらそば」の麺と、「天ぷらそば」の天ぷらをリニューアルしたという。

 なので、実はリニューアルといっても変わったのは“東のみ”

 商品の概要や細かいリニューアル、後述する食べ比べセットの購入先などについてはこちらの記事→【どん兵衛、最大のリニューアル ついに東日本と西日本で“麺、つゆ、具材、七味”のすべてが完全に分かれる】を参考にしていただきたい。

 この記事では「東日本出身者が初めて西日本のどん兵衛を食べた」感想に重きを置いて進めていく。

東の味が定番で、当たり前だった

どん兵衛の味が“完全東西分け”

食べ比べのためにセットで購入。こんなに並ぶと圧巻!

 筆者は現在、東日本に住んでいる。なので、どん兵衛を食べるときは当たり前のように東日本の味を食べている。

 たまに期間限定で他地域の味が食べられる機会も、毎回逃していたような……。西日本と味が異なることは知っていたものの、試したことがなかったため、ここはシンプルに食べ比べたいと思う。

 ちなみに今回の試食にあたり、西日本出身の家族にも協力してもらった。家族は西日本のどん兵衛になじみがあり、東日本に来てからも西日本のどん兵衛を取り寄せるなどのこだわりっぷり。

 執筆にあたり記事の趣旨を説明した際も、「西日本のほうがおいしいよ」とのこと。

 東日本の味も食べたことがあるそうだが、やはり好みは西日本のものだったらしく、今回は久しぶりに東日本の味を食べてもらった。

見た目は「東」「西」でわかりやすい

 現在、ECサイト限定でリニューアル後のどん兵衛が試せるセットが販売中(単品のリニューアルは9月上旬以降順次となるのでご注意を)。

どん兵衛の味が“完全東西分け”

12個セットで到着!いよいよ開封

 筆者はヨドバシ.comで購入した。

どん兵衛の味が“完全東西分け”

うどんとそばの東西バージョンがそれぞれ3つずつ! たくさん!

 どん兵衛 きつねうどん(東)、どん兵衛 きつねうどん(西)、どん兵衛 天ぷらそば(東)、どん兵衛 天ぷらそば(西)の4種を各3個ずつ詰め合わせた、EC限定の食べ比べセットで、価格は2860円。

どん兵衛の味が“完全東西分け”

どん兵衛 きつねうどん(東)

どん兵衛の味が“完全東西分け”

どん兵衛 きつねうどん(西)

どん兵衛の味が“完全東西分け”

どん兵衛 天ぷらそば(東)

どん兵衛の味が“完全東西分け”

どん兵衛 天ぷらそば(東)

パッと見てわかるのは「つゆ」

 さっそく開封し、うどん・そば同時にさまざまな点を比べていく。

どん兵衛の味が“完全東西分け”

(左)西のどん兵衛 きつねうどん、(右)東のどん兵衛 きつねうどん。粉末を入れただけだが、すでに色の違いが見てわかる

 まず、違いがわかりやすいのはうどん・そばともに「つゆ」。

 東西の大きな違いはつゆにあるとは知っていたものの、お湯を注いでみると、ここまで見た目に現れるとはびっくり!

どん兵衛の味が“完全東西分け”

(左)西のどん兵衛 きつねうどん、(右)東のどん兵衛 きつねうどん。「つゆ」の色の違いがはっきり

 お湯を注いだあとも見てわかる通り、色が東は濃く、西は薄い(よく見ると、パッケージデザインも)。

 そして見た目だけでなく、味もかなり異なる。シンプルに言えば、東は「濃い、しっかり、鰹が強め」、西は「薄口、優しい、甘め」。

 筆者は初めて西日本のどん兵衛を食べたが、とにかくつゆが優しい! 東日本が後味すっきりなのに対し、優しく甘みが残る。

どん兵衛の味が“完全東西分け”

(左)西のどん兵衛 天ぷらそば、(右)東のどん兵衛 天ぷらそば。こちらも濃さの差がはっきりとわかる

 うどん・そばともに東日本が「鰹と宗田鰹の重ねだし」を使用しているのに対し、西日本は「鰹と昆布の重ねだし」。

 ここまでも違うものなのだと、実際に食べてみて実感したのであった。

 東日本のしっかりした味に慣れていたので、食べる前は物足りなさを感じるかも? と思ったが、西日本もとても好み。決して“薄い”などというわけではなく、優しくいただけて、最後まで飽きがこなかった。

麺も変わったのだが、正直のところ……

どん兵衛の味が“完全東西分け”

(左)西のどん兵衛 きつねうどん、(右)東のどん兵衛 きつねうどん。麺の違いは見た目では……わからない

 麺のリニューアルは、うどん・そばともにコシの強さを増加させたとのこと。しかし、「確かにわかるけど、若干かな……?」という程度にしか感じられなかった。

どん兵衛の味が“完全東西分け”

(左)西のどん兵衛 きつねうどんの薬味、(右)東のどん兵衛 きつねうどんの薬味。

 今回、薬味のリニューアルはなし。言われなくてはわからないくらいの見た目の違いだが、特に西日本は和山椒を使用していることもあり、香りがツンとくる。

 東日本は唐辛子の辛さを主に感じるが、西日本は辛さだけでなくまたちょっと違うスパイシーな風味。

 筆者は山椒が好きなので西日本の薬味も好みではあったが、これは好みで分かれてくるのではないかと思った。

意外な楽しみ方を発見できた

どん兵衛の味が“完全東西分け”

(左)西のどん兵衛 天ぷらそばの天ぷら、(右)東のどん兵衛 天ぷらそばの天ぷら。

 最後は天ぷら。今回、東日本のそばの天ぷらがリニューアルされている。“江戸前天ぷら”をイメージしたといい、ごま油の風味をほのかにきかせたそうなのだが、そのまま味わってもそこまで感じられず。

 東西同時に食べてみたが、「言われてみれば……」というぐらいの感想。

 天ぷら自体の違いはそこまでわからなかったが、つゆにつけてみることで天ぷらのおいしさが際立ったのは西日本。つゆの味が優しいからか、天ぷらを浸しても濃くなりすぎずに最後まで味わえた。

 しかし、東日本のつゆに浸して、しっかりと味をつけた天ぷらも個人的には好きだ。どちらも良さが異なるので、今回食べ比べたことで新たな天ぷらの楽しみ方を見つけたような気持ちになった。

西日本出身者が東日本の味を食べたら……

どん兵衛の味が“完全東西分け”

(左)西のどん兵衛 天ぷらそば、(右)東のどん兵衛 天ぷらそば。家族にも食べ比べてもらった

 一緒に試食をしてくれた西日本出身の家族だが、感想としては「まず一口目で違和感があったかも」「東日本のものはちょっと濃いと思う」とのこと。

 つゆに使用している食材を違うことを確認すると「あ、だから甘く感じるんだ」と納得した様子だった。

 小さい頃から親しんできた味だからこそ「でも、やっぱり西日本の味の方がなじみがあるなあ〜」と感じるそうで、今後も西日本の味があるなら積極的に選ぶと話していた。

 「どちらもいいな〜。おいしいな〜。西日本の味も今後食べたいかも」と思った筆者に対し、「これからも東と西の味が並んでたら西を選ぶ」という感想を持った家族。

 もちろん好みもあるだろうが、食べ慣れていない味を「また食べたい」と思わせることも、「これからもこの味を食べ続けたい」と思わせることもできるどん兵衛のすごさにも驚かされた。

どん兵衛の味が“完全東西分け”

記事を書いているときに見かけて、つい買ってしまったフレーバーたち。これ以外にも大好きな味がたくさんある!

 日々登場する食べたことのない新しいカップ麺も気になるし、今後も挑戦するだろう。でもやっぱりいつ食べてもおいしいどん兵衛の絶対的安心感。ずっと変わらない味。

 これからもお家で食べるカップ麺の王道としてトップであり続けて欲しい!

 食べ比べ企画だったが、どん兵衛のおいしさはもちろん、最後にはなんだか感心してしまうこととなった。

カテゴリートップへ

もぐもぐ動画配信中!
アスキーグルメ 最新連載・特集一覧