OpenAIが8月20日、最新のLLM(大規模言語モデル)「GPT-4o」のファインチューニング機能を提供すると発表した。企業は自社の特定のニーズに合わせてGPT-4oをカスタマイズできるようになる。
ファインチューニングとは、既存の大規模言語モデルに対し、特定の目的や領域に特化したデータを追加で学習させて、モデルの性能を向上させる技術のこと。ファインチューニングにより、企業は自社の業務や顧客に最適化されたAIモデルを作成可能になる。
OpenAIは以前からGPT-3.5などのファインチューニング機能を提供していたが、今回の発表で最新版のGPT-4oに対応した形だ。
OpenAIが公開したコスト情報によると、GPT-4oのファインチューニングのトレーニングコストは100万トークンあたり25ドル。推論コストは入力が100万トークンあたり3.75ドル、出力が100万トークンあたり15ドルとなっている。なお、OpenAIは9月23日までの期間限定で、各組織に1日あたり100万トークンの無料トレーニングを提供している。
OpenAIでは発表に合わせて、ファインチューニングの成功事例も報告している。例えば、CosineのソフトウェアエンジニアリングAIサービス「Genie」は、GPT-4oをファインチューニングして開発されたもの。このモデルは、「SWE-bench」という新しいベンチマークで43.8%というState-of-the-Art(SOTA)スコアを達成し、以前のスコア19.27%を大幅に上回る結果を示したという。
GPT-4oのファインチューニング機能の登場により、AIの企業導入がさらに加速することが予想される。同時に、グーグル、メタ、Anthropicなどの競合AI企業との競争も熾烈になりそうだ。