KDDIは8月6日、阪神甲子園球場の5G通信品質向上の対策を7月末に実施したことを発表した。
同社では、大規模なイベント開催時にもユーザーに快適な通信環境を提供するため、5Gの通信品質向上の対策を進めている。
今回の対策では、観客席エリアに導入している5GのSub6(3.7GHz帯)基地局をMMU(Massive MIMO Unit)無線装置に置き換え、基地局間の相互干渉を低減可能な無線リソース管理技術の適用を実施。
MMUは、基地局側で伝送路状態を推定し、複数の端末と空間多重による同時通信を実現する技術だが、MMU性能を最大限発揮するため、スタジアム内のマルチパスを考慮したアンテナ配置にも刷新している。
これにより、観客席エリアが満席となる混雑環境においても従来の5G通信と比較して、通信速度が1.6倍に向上。多数の来場者が見込まれる大規模イベント実施時でも、ユーザーに高速で安定した通信サービスの提供が可能だという。
なお、同社は今後、本格的に5G SA(スタンドアローン)のネットワークスライシングの提供を予定しており、映像中継のさらなる安定提供に取り組んでいくとしている。