ロシアのセキュリティー企業カスペルスキーが7月26日、パリ五輪の開催に合わせて、パリの公衆Wi-Fiの安全性に関する調査結果を発表。観光客が頻繁に利用する場所を中心に約2万5000ヵ所のWi-Fiスポットを分析した結果、約4分の1が安全性に問題があることがわかったという。
調査結果によると、分析対象のWi-Fiスポットの約25%(6083ヵ所)に深刻なセキュリティ上の弱点が存在することが判明した。うち3176ヵ所はパスワードなどで保護されていないオープンネットワークだった。また、約20%(4864ヵ所)が脆弱なWPSプロトコルを使用しており、最新のWPA3セキュリティプロトコルを採用していたのはわずか6%未満(1373ヵ所)にとどまっている。
安全性には地域差も見られ、セーヌ川沿いの堤防が比較的安全である一方、トロカデロ広場、シャンゼリゼ通り、凱旋門周辺では注意が必要。さらに、オリンピック開会式会場となるスタッド・ド・フランス周辺にも安全でないWi-Fiスポットが多数存在することが確認された。
カスペルスキーは五輪期間中にパリを訪れる観光客に対し、公衆Wi-Fi利用時の注意を呼びかけている。具体的にはセキュリティソフトウェアやVPNサービスの利用などを提案。安全な接続が確立できないときには重要な情報を送信しないといった注意点も挙げている。