パンツを脱いだら分かる効果
さて、その結果ですが、今のところ乗っていて「おお、これは涼しい!」と感じるほど劇的な効果はありません。体感値としてはなんとなく風が通っているような気もしないでもないという微妙なところですが、家に帰ってパンツを脱いでみると一目瞭然。パッドにできたオーストラリア大陸のような汗染みが前より1/3は小さくなっている。あるいは薄くなっているといった具合。これは気化して放出された水分量が増えた。だから気化熱を多く獲得しているぜ、ということです。やったぜ。
乗り心地は、可はあれど不可はなし。前端から中央部にかけては座面が柔らかくある程度の沈み込み量があり、後端へ行くほど硬いという設定。ベース中央部のしなり具合などは、レギュラーのNOVAS BOOST EVOと変わらん印象です。とりあえず水平に設定して、サドル高を上げ過ぎなければ、痛くも痒くもないポジションが出せるイージーさも同じ。
後端がキックアップした形状のセラSMPに比べると、ペダルを蹴り出すように回しても踏みごたえを感じないのは物足りません。その代わりにポリマーの性質なのか、サドルから腰を浮かさない限りお尻がズレることもなく、これは安定したペダリングの助けになります。最近流行の少し前乗り気味のポジション、かつ高ケイデンスで回すと私はいい感じになるかもしれません。
気になるのは耐久性です。革サドルのように座面が馴染んでくる感覚もあるので、逆に言えばパッドの底付きが早い可能性があります。それに3Dプリンタの事情で使える材料も限られるのでしょうが、座面が真っ黒なので日向に放っておくと熱い。光造形の樹脂ゆえ劣化も気になるところです。
ただこのサドル、最近になって3万円台後半で売る通販店が増えてきました。高いと言えば、まだまだ高い。でも私がそうだったように、暑さを言い訳にして物欲に屈するには十分なお値段です。夏の本番はまだこれから。皆様くれぐれもご自愛ください。
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