NTTドコモは、9月3日に有明アリーナでの開催が予定されている、4団体世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥、WBO世界バンタム級王者の武居由樹両選手のダブル世界戦について、映像配信サービス「Lemino」(レミノ)で独占無料生配信することを発表した。
バリューがどんどん上がっている井上尚弥の世界戦
前回はAmazonプライム、今回はドコモLeminoで独占配信
井上尚弥選手の世界戦は今年5月の前戦(ネリ戦)ではAmazonプライムビデオで、昨年12月の前々戦(タパレス戦)ではLeminoでそれぞれ独占配信しており、今回はLeminoに戻ってくる形となった。また、dカードGOLD会員/dポイントクラブ会員を対象にしたチケット先行抽選販売もそれぞれ7月16日、19日から予定する。
その井上尚弥選手は、5月6日の東京ドームで、日本のボクシング界とは因縁のあるルイス・ネリ選手との防衛戦に挑み、プロキャリア初のダウンを喫しながらも3度のダウンを奪ってのTKO勝利。近年は年2回のペースで試合をこなしてきたが、今回は約4ヵ月と短い間隔での防衛戦となる。
また、これまでは統一戦の過程で対抗王者といった強豪との対戦が続いてきたが、TJ・ドヘニー選手は元IBF王者とは言え、王座陥落はすでに5年前の話で年齢も37歳。今回の対戦が噂されていたIBF&WBO1位のサム・グッドマン選手にも昨年3月に敗れている。一方でその後のドヘニー選手は、ジムの同僚の中嶋一輝選手を4ラウンドで、井上尚弥選手のスパーリングパートナーとして関係が深いジャフェスリー・ラミド選手を1ラウンドでKOするなど、実力健在を示している。
これまでの世界戦と比べての対戦相手の質について問われた井上選手は、「東京ドームを終えた後で、皆さんがどう思うかはわからないが気の抜けない試合」「中島とラミドを倒しているので一発を警戒しながら、一発も触れさせないつもりで戦う」と当然ながら油断はない様子。
また、TJドヘニー戦後についても「(階級を変えずに)スーパーバンタム級で2年はするつもり」「(より楽しみな試合は)大橋会長が組んでくれるはず」と、ビッグマッチは今後に期待となりそうだ。
一方の武居由樹選手は、同じく5月6日の東京ドームで獲得したタイトルの初防衛戦。対戦相手の比嘉大吾選手も元フライ級王者の人気選手ということで「KOで倒したい」と意気込みを語った。
無料生配信でやって来たユーザーを定着させるには
コミュニケーションが重要となる
NTTドコモ代表取締役社長の前田義晃氏は会見後にメディアの取材を受け、「スポーツのライブはそのときしかやっていないオリジナリティ性が高いコンテンツ」とLeminoにおいて高い位置付けだとした。一方で、井上尚弥選手の防衛戦のような大きいイベントで集まって来たユーザーを、サブスクリプションモデルであるLeminoの有料会員に結びつけるかが課題でもある。
前田社長は、過去の無料生配信でも「ありがとうLemino、さよならLemino」というコメントがSNSであったことを苦笑気味に紹介。視聴者のプロフィールのデータから、そのユーザーが好むコンテンツを分析して紹介するなど、コミュニケーションがユーザーの定着のうえで重要になってくると語った。